進学塾のトイレ事情
漏れそう……。
あと3分だ。早く終わらせてトイレにいこう。
「みんな、今日は態度良かったから早く終わろうか」
「わーい」
中学受験まであと2週間。
受験生が一番ストレスを溜めるこの時期、お腹の調子は悪くなる。
しかし私は関係ない。
それは講師だから。
ボーナスや来期の給料に少し影響するが、ストレスはたまらない。
何故だろうこの腹痛は。
もう漏れそうだ。
トイレに向かうが生徒に呼び止められた。
「質問!」
女子3人だ。断れない。
「さきに用事してきていいかな。」
「すぐ終わるから!」
そして20分で終わった。
トイレに駆け込み、用を足そうとするが、ジーパンのファスナーが開かない。
ブリッブリッブチュー
その瞬間ファスナーが空いた。しかしもう遅かった。
実は道角氏の目撃をアレンジしたものです。
目撃したのは小でしたが。
僕は友達と先生(40代・女性)に質問に行きました。
10分ほどして先生が突然、
「ちょっとごめんっ!」
と部屋(三階)から飛び出して行きました。
友達と「どうしたんやろ」なんて言いながら待っていると5分ほどで戻って来ました。
「ごめん、ごめん」と軽く謝った時、僕は気付きました。ストッキングを穿いていないことを。5分前は穿いていたはずなのに。
僕は全てを悟りました。
友達は気づいてないらしく、悠長にききました。
「先生なにしてたの?」
あの時の顔は忘れられません。
言葉に表せない表情でした。
「ちょっと、お手洗いに行きたかったの」
先生顔ひきつってたな。確か。
「あーあるある。そういうこと。」
思わず、気づけよ!って叫びたくなりましたね。
それから、三人で一階に降りました。
ちなみに、トイレは一階です。
一階と二階の階段の踊り場に水溜まりができていました。
友達は言いました。
「きっもー、なあ道角」
これが誰のものか分かっていた僕は先生と目が合わないように
「う、うん」
言ってしまいました。
おかげで第一志望に落ち、変な趣味に目覚め、今があります。
嘘みたいなホントの話です。