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回避不可  作者: CB750
1/4

第1話

初投稿です。

「ドンッ」


大きな爆発音とともに教室の窓ガラスがビリビリと鳴った。


「うわっ!」

「ひゃっ」

「何、今の?」

「びっくりした〜」

「あ、外見てみろよ、キノコ雲。」

「あっちってなにがあったっけ?」


授業中だった僕のクラスは一気に騒然となった。

窓際にみんなが一斉に駆け寄る。

遠くに、確かに煙が上がっているのが見えた。

隣のクラスも同じで、ベランダに出ている子もいた。


ざわざわと騒ぐ僕らに先生が声をかける。


「はいはい、まだ授業中だよ、みんな席に戻りなさい。」

「え〜気になる〜」

「君達がここで窓にかじりついて何かわかるわけないでしょ。ほらほら、席にもどって。」


ちょうどそのとき、校内放送が流れた。


「ただいまの爆発音について警察から連絡が入りました。隣町の峯杜神社で爆発がありました。でも、この小学校とは離れているので、生徒の皆さんは安心して授業を続けて下さい。」


「ほら、校内放送も大丈夫だって言ってるし、授業続けるよ。」

「は〜い。」


爆発の様子を気にしつつも、いつしか平常を取り戻していった。


**************


放課後になり、僕はいつもどおりに友達と下校した。

家に着いて玄関の鍵をあけ、誰もいない室内に声をかける。


「ただいま〜っと」


今日は、両親は、中学2年の姉を連れて都内の病院出掛けている。

夕方5時くらいに帰宅する予定なので、少しの間、僕だけで留守番だ。


姉は…何がきっかけなのかはわからないが…情緒不安定な状態が半年以上続き、最近では不登校にさえなっていた。

家の車で家族で夜道を走っていたときに、街灯のないところで「和服を着た年寄りを見た」と騒いだりだとか、とある病院に行けば「この建物に近付くと頭痛が激しくなるので中に入りたくない」と頑なに拒んだりだとか。

おかしな言動が多かった。


「暇だ…宿題やっておくか」


今日は分数の計算と国語の書き取りの宿題が出ていた。

着々と片付け、気がつけば6時を過ぎていた。


「お腹空いた…まだ帰ってこないしプリンでも食べよ。」


冷蔵庫をゴソゴソしていたら電話がかかってきた。

お母さんかも!

電話にでるとおじいちゃんだった。


「もしもし、優太か。」

「うん。」

「いいか、今から言うことを落ち着いて聞くんだよ。」

「…うん。」

「今日の昼過ぎ、峯杜神社で爆発があったろう?あれに、お父さん、お母さん、お姉ちゃんが巻き込まれた。」

「えっ!そんな!今日は病院に行くって…」

「とにかく、今、利昭おじさんが優太の家に向かってるから待ってるんだよ。」


力が抜けぼんやりと電話を切った。

おじいちゃんは何と言った?

お父さんは?お母さんは?お姉ちゃんは?みんな無事なの?

何も考えられなくなった。


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