第1話
初投稿です。
「ドンッ」
大きな爆発音とともに教室の窓ガラスがビリビリと鳴った。
「うわっ!」
「ひゃっ」
「何、今の?」
「びっくりした〜」
「あ、外見てみろよ、キノコ雲。」
「あっちってなにがあったっけ?」
授業中だった僕のクラスは一気に騒然となった。
窓際にみんなが一斉に駆け寄る。
遠くに、確かに煙が上がっているのが見えた。
隣のクラスも同じで、ベランダに出ている子もいた。
ざわざわと騒ぐ僕らに先生が声をかける。
「はいはい、まだ授業中だよ、みんな席に戻りなさい。」
「え〜気になる〜」
「君達がここで窓にかじりついて何かわかるわけないでしょ。ほらほら、席にもどって。」
ちょうどそのとき、校内放送が流れた。
「ただいまの爆発音について警察から連絡が入りました。隣町の峯杜神社で爆発がありました。でも、この小学校とは離れているので、生徒の皆さんは安心して授業を続けて下さい。」
「ほら、校内放送も大丈夫だって言ってるし、授業続けるよ。」
「は〜い。」
爆発の様子を気にしつつも、いつしか平常を取り戻していった。
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放課後になり、僕はいつもどおりに友達と下校した。
家に着いて玄関の鍵をあけ、誰もいない室内に声をかける。
「ただいま〜っと」
今日は、両親は、中学2年の姉を連れて都内の病院出掛けている。
夕方5時くらいに帰宅する予定なので、少しの間、僕だけで留守番だ。
姉は…何がきっかけなのかはわからないが…情緒不安定な状態が半年以上続き、最近では不登校にさえなっていた。
家の車で家族で夜道を走っていたときに、街灯のないところで「和服を着た年寄りを見た」と騒いだりだとか、とある病院に行けば「この建物に近付くと頭痛が激しくなるので中に入りたくない」と頑なに拒んだりだとか。
おかしな言動が多かった。
「暇だ…宿題やっておくか」
今日は分数の計算と国語の書き取りの宿題が出ていた。
着々と片付け、気がつけば6時を過ぎていた。
「お腹空いた…まだ帰ってこないしプリンでも食べよ。」
冷蔵庫をゴソゴソしていたら電話がかかってきた。
お母さんかも!
電話にでるとおじいちゃんだった。
「もしもし、優太か。」
「うん。」
「いいか、今から言うことを落ち着いて聞くんだよ。」
「…うん。」
「今日の昼過ぎ、峯杜神社で爆発があったろう?あれに、お父さん、お母さん、お姉ちゃんが巻き込まれた。」
「えっ!そんな!今日は病院に行くって…」
「とにかく、今、利昭おじさんが優太の家に向かってるから待ってるんだよ。」
力が抜けぼんやりと電話を切った。
おじいちゃんは何と言った?
お父さんは?お母さんは?お姉ちゃんは?みんな無事なの?
何も考えられなくなった。