表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/62

第53話 大型物体の転移

第53話 大型物体の転移


「今日は大きな物を転移させます」


レオンが宣言して、四人は装置群の周囲を見渡す。これまでは小石や手のひらサイズの物体しか転移させていないが、真の限界を見極めるには大型物体の実験が必要だ。エリアが装置の部品を指差して、試してみようと提案している。


遺跡に到着すると、いつもの手順で深層部へと進んで装置群の空間に入る。


「では」


アルカナが装置を起動する。


「今日は大きな物を転移させるわ」


「どのくらい大きな物ですか?」


レオンが尋ねる。


「歪みの限界、直径5メートルに近い物よ」


アルカナが答える。


四人は空間を探す。大きな物を探して。


「これはどうでしょうか」


エリアが装置の台座を見つける。


石でできた台座。一辺が4メートルほどの立方体。


「かなり大きいですね」


セレスが測定する。


「一辺4メートル。重さは」


四人で押してみるが、びくともしない。


「千キログラム以上ありそうです」


レオンが言う。


「では」


アルカナが範囲を最大にすると、歪みが直径5メートルになる。


「台座を歪みまで運びましょう」


四人で台座を押すと少しずつ動き、十分かけて歪みまで運ぶ。


「では」


アルカナが言う。


「押し込んでみましょう」


四人で台座を歪みに押し込むと、台座が少しずつ歪みに入っていく。


全体が歪みに入って消える。


「消えました」


エリアが確認する。


十分待つと、台座が転移先に現れる。


「成功しました」


セレスが驚く。


「千キログラム以上、4メートルの物体が転移しました」


「すごいですね」


レオンが感心する。


「では」


アルカナが考える。


「もっと大きな物はないかしら」


四人は空間を探す。


「この装置全体はどうでしょうか」


エリアが大きな装置を見る。


球体と柱が組み合わさった装置。高さ5メートル、幅4メートル。


「5メートルですね」


セレスが測定する。


「歪みの限界ぎりぎりです」


「動かせるでしょうか」


レオンが装置を押すと、装置は固定されておらず動く。


四人で押すと少しずつ移動し、三十分かけて歪みまで運ぶ。


「では」


アルカナが言う。


「押し込んでみましょう」


四人で装置を歪みに押し込むと、装置が歪みにぎりぎり入っていく。


全体が歪みに入って消える。


十分待つと、装置が現れた。


「成功しました」


エリアが確認する。


「5メートルの物体が転移しました」


「では」


セレスが考える。


「5メートルが限界なんですね」


「そうね」


アルカナが頷く。


「歪みの大きさが限界よ」


「では」


レオンが提案する。


「重さの限界も調べてみましょう」


「そうね」


アルカナが同意する。


四人は重い物を探す。


「この金属の塊はどうでしょうか」


エリアが巨大な金属塊を見つける。


幅2メートル、高さ1メートル。


「かなり重そうです」


四人で押すが、ほとんど動かない。


「二千キログラム以上ありそうですね」


レオンが言う。


「では」


アルカナが言う。


「歪みまで運びましょう」


四人で金属塊を少しずつ押して、一時間かけて歪みまで運ぶ。


「では押し込みましょう」


アルカナが言う。


四人で金属塊を歪みに押し込むと、金属塊が歪みに入って消える。


十分待つと、金属塊が現れた。


「成功しました」


セレスが確認する。


「二千キログラムでも転移しました」


「では」


アルカナが考える。


「重さの限界は、かなり高いわね」


「もっと重い物はありますか?」


エリアが空間を見回す。


「これ以上重い物は、運べませんね」


レオンが言う。


「では」


セレスが整理する。


「確認できた限界は、大きさ5メートル、重さ二千キログラムですね」


「そうね」


アルカナが頷く。


「実際の限界は、もっと高いかもしれないわ」


「では」


レオンが提案する。


「複雑な形状の物も試してみましょうか」


「そうね」


アルカナが同意する。


四人は複雑な形状の装置を探す。


網目状の装置を見つける。金属の棒が複雑に組み合わさっている。


「これを転移させてみましょう」


装置を歪みまで運んで押し込むと、消える。十分待つと現れた。


「成功しました」


エリアが確認する。


「網目状でも問題ありませんね」


「次は」


セレスが提案する。


「不安定な形の物はどうでしょうか」


四人は不安定な形の物を探す。


細長い柱。高さ5メートル、太さ30センチ。


「これは倒れやすそうですね」


レオンが柱を見る。


「では」


アルカナが言う。


「立てたまま転移させてみましょう」


柱を歪みまで運んで立てると、柱が歪みに入って消える。


十分待つと、柱が立ったまま現れた。


「立ったまま転移しました」


エリアが驚く。


「姿勢も保たれるんですね」


「そうね」


アルカナが頷く。


「転移は、物体の状態を保つのよ」


「では」


セレスが考える。


「動いている物はどうでしょうか」


「動いている物?」


レオンが尋ねる。


「回転している物とか、振動している物です」


セレスが説明する。


「試してみましょう」


四人は円盤状の装置を見つけて回転させ、歪みまで転がす。


回転しながら歪みに入って消える。


十分待つと、円盤がまだ回転しながら現れた。


「回転も保たれますね」


エリアが確認する。


「では」


レオンが提案する。


「複数の物を同時に転移させてみましょうか」


「そうね」


アルカナが同意する。


四人は石、金属、木など複数の物を集めて歪みの前に並べ、同時に押し込む。


全て消えて、十分待つと全て現れた。


「同時に複数でも転移しますね」


セレスが確認する。


「では」


アルカナが考える。


「接触している物はどうかしら」


「接触している物?」


エリアが尋ねる。


「二つの物が繋がっているの」


アルカナが説明する。


四人は二つの石をロープで繋ぎ、一つ目の石を歪みに入れると消える。


ロープが引っ張られて二つ目の石も歪みに引き込まれ、消える。


十分待つと、二つの石がロープで繋がったまま現れた。


「繋がったまま転移しますね」


レオンが確認する。


「では」


セレスが考える。


「容器に入っている物はどうでしょうか」


四人は箱を用意して中に小石を詰め、箱を歪みに入れると消える。


十分待つと箱が現れて、開けて確認すると小石は全て入っている。


「容器ごと転移しますね」


エリアが言う。


「そうね」


アルカナが頷く。


「転移は、物体全体を扱うのよ」


四人は実験を続けて様々な大型物体を転移させるが、全て成功する。


「今日はここまでにしましょうか」


セレスが提案する。


「かなり実験しました」


「そうね」


アルカナが装置を停止させる。


四人は深層部を後にして遺跡の外に出る。


「今日は大型物体の転移を実験しました」


レオンが言う。


「確認できた限界は、大きさ5メートル、重さ二千キログラムです」


「複雑な形状でも」


エリアが続ける。


「網目状、不安定な形、全て転移しました」


「姿勢も保たれ」


セレスが言う。


「回転も、接続も、容器も、全て保たれます」


「そうね」


アルカナが頷く。


「転移技術は、とても精密よ」


四人は工房への帰路につき、工房に戻って記録を整理する。


「大型物体の転移実験」


セレスがノートに書き込む。


「限界値:大きさ5メートル、重さ二千キログラム以上」


「物体の状態保持」


レオンが続ける。


「姿勢、回転、接続、容器、全て保たれる」


「次は」


アルカナが考える。


「転移方向の制御を詳しく調べましょう」


「転移方向?」


エリアが尋ねる。


「はい」


アルカナが説明する。


「今は東西南北の四方向だけど、もっと細かく制御できるかもしれないわ」


「そうですね」


セレスが同意する。


「明日、調べてみましょう」


四人は夕食を作って食事を済ませ、転移方向の制御実験のために明日への準備を整える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ