表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/62

第50話 連続実験

第50話 連続実験


「何時間続けますか?」


セレスが記録用のノートを開きながら尋ねて、アルカナが考え込む。今日の連続転移実験では、装置が長時間安定して動作するか確認する必要がある。レオンとエリアも準備を整えて、大量の小石を集める作業を始めている。


遺跡に到着すると、いつもの手順で深層部へと進んで装置群の空間に入る。


「では」


アルカナが装置を起動させながら言う。


「今日は長時間実験するわ」


「どのくらいの時間ですか?」


レオンが尋ねると、アルカナが答える。


「数時間よ。連続で転移させ続けて、装置の状態を観察するの」


「分かりました」


セレスが記録の準備をしながら言う。


「では始めましょう」


四人は小石を大量に集める。数百個を用意して実験の準備を整える。


「これを順番に投げていきます。一分ごとに一個ずつ」


レオンが小石を手に取って最初の一個を投げる。


消えて、十分待つと、現れる。


「1回目成功」


セレスが記録して、一分後にレオンが次の小石を投げる。


消えて、十分待つと、現れる。


「2回目成功」


また一分後に投げると、転移する。


「3回目成功」


四人は実験を続ける。一分ごとに一個ずつ投げ込んで、十回、二十回、三十回と回数を重ねる。


「全て成功していますね」


エリアが確認して頷く。


「装置は安定しています」


一時間経過して、六十回転移した。


「装置の状態は?」


レオンが尋ねると、アルカナが装置群を見ながら答える。


「変わりないわ。光の強さも一定よ」


実験を続けて、七十回、八十回、九十回と回数を重ねる。


二時間経過して、百二十回転移した。


「まだ安定していますね」


セレスが記録を確認しながら言う。


「全て成功しています」


「では」


アルカナが提案する。


「投入間隔を短くしてみましょう」


「どのくらいですか?」


エリアが尋ねると、アルカナが答える。


「三十秒ごとよ」


レオンが三十秒ごとに小石を投げて転移させる。全て成功する。


十分、二十分と続けて、四十回連続で成功する。


「三十秒間隔でも安定していますね」


セレスが言うと、アルカナが考える。


「では、もっと短くしてみましょう。十秒ごとにしてみます」


レオンが十秒ごとに小石を投げて転移させる。全て成功する。


五分、十分と続けて、六十回連続で成功する。


「十秒間隔でも大丈夫ですね」


エリアが確認すると、アルカナが考える。


「では、同時に複数投げてみましょう」


四人が同時に小石を投げて、四個が同時に歪みに入って転移する。全て成功する。


「同時でも大丈夫ですね」


セレスが言うと、レオンが提案する。


「では、連続で同時投入してみましょうか」


「試してみましょう」


アルカナが同意して、四人が十秒ごとに同時投入する。四個ずつ投げ込んで、十回、二十回、三十回と重ねる。


全て転移する。


「全て成功していますね」


エリアが確認して頷く。


「装置は全く問題ありませんね」


三時間経過する。


「かなりの回数転移させましたね」


セレスがノートを確認して言う。


「合計で三百回以上です」


「三百回」


レオンが驚いて声を上げる。


「それだけ転移させても、装置は安定しているんですね」


「そうね」


アルカナが装置群を見ながら答える。


「光の強さも変わらないし、音も変わらない」


「では」


エリアが考えて尋ねる。


「もっと長時間続けても大丈夫でしょうか」


「たぶんね」


アルカナが答えるが、疲れた表情で続ける。


「でも、私たちが疲れてきたわ」


「休憩しましょうか」


セレスが提案すると、アルカナが頷く。


「そうね」


四人は空間の隅で休憩を取る。水を飲んで、軽食を食べながら記録を見直す。


「三百回以上転移しましたが」


レオンが言って続ける。


「装置に異常は見られません」


「精度も変わりませんね」


エリアが記録を見ながら確認する。


「最初も最後も、誤差は約1パーセントです」


「では」


アルカナが考えて結論づける。


「装置は長時間使用に耐えるのね」


「そうですね」


セレスが同意して、休憩を終えて実験を再開する。


「今度は」


レオンが提案する。


「大きな物を連続で転移させてみましょうか」


「そうね」


アルカナが同意して、四人は大きな石を集める。両手で持つほどの大きさの石を一つずつ転移させる。一分ごとに一個ずつ投げ込んで、十個、二十個、三十個と重ねる。


全て転移する。


「大きな物でも安定していますね」


エリアが確認すると、セレスが考える。


「では、もっと大きな物はどうでしょうか」


四人は装置の部品を運ぶ。五十キログラムほどの金属塊を一つずつ転移させて、五個転移させる。


「重い物でも問題ありませんね」


レオンが言うと、アルカナが考える。


「では、様々な物を混ぜて転移させてみましょう」


四人は小石、大きな石、金属、木、布と様々な物を集めてランダムに投入する。小石の次に金属、その次に布と順番を変えながら投げ込む。


全て転移する。


「混在でも安定していますね」


セレスが記録しながら言う。


四時間経過する。


「そろそろ限界を試してみましょうか」


レオンが提案すると、エリアが尋ねる。


「限界?」


「最大出力で、最大範囲で、連続転移です」


レオンが説明すると、アルカナが頷く。


「試してみましょう」


アルカナが制御パネルを操作して、出力を最大にして範囲を最大にする。


歪みが巨大になって、直径5メートルまで広がる。


「では」


レオンが大きな装置の部品を転がして歪みに入れる。転移する。


「成功しました」


セレスが確認して言う。


「では連続で」


四人は大きな部品を次々と転移させて、十個転移させる。


全て成功する。


「最大出力、最大範囲でも安定していますね」


エリアが言うと、アルカナが考える。


「では、装置の安定性は確認できたわね」


「そうですね」


セレスが記録を閉じながら言う。


「四時間以上、四百回以上転移させましたが、装置に異常はありません」


「すごいですね」


レオンが感心して続ける。


「古代の技術は本当に優れています」


「今日はここまでにしましょう」


アルカナが装置を停止させて、四人は深層部を後にして遺跡の外に出る。


「今日は連続転移を実験しました」


レオンが言って続ける。


「四百回以上転移させましたが、装置は全く問題ありませんでした」


「精度も変わらず」


エリアが続けて言う。


「最初から最後まで約1パーセントの誤差でした」


「大きな物、重い物でも安定」


セレスが言って結論づける。


「この装置は長時間使用に耐えます」


「そうね」


アルカナが頷いて答える。


「古代の装置は、とても頑丈なのよ」


四人は工房への帰路につく。


工房に戻って記録を整理する。


「連続転移実験」


セレスがノートに書き込む。


「四時間以上、四百回以上転移。装置に異常なし。精度変化なし」


「投入間隔」


レオンが続けて記録する。


「一分ごと、三十秒ごと、十秒ごと、同時。全て成功」


「物の種類」


エリアが記録して書き込む。


「小石、大きな石、金属、木、布。全て安定」


「次は」


アルカナが考えて提案する。


「転移失敗の条件を調べてみましょう」


「転移失敗?」


セレスが尋ねると、アルカナが説明する。


「はい。どんな条件で転移が失敗するのか。それを知れば、装置の限界が分かるわ」


「そうですね」


レオンが同意して頷く。


「明日、調べてみましょう」


四人は夕食を作って食事を済ませ、明日への準備を整える。転移失敗の条件調査のために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ