第48話 限界の調査
第48話 限界の調査
「様々な物を試してみましょう」
セレスが提案して、四人は工房の中から色々な物を集め始める。石、木、布、金属。大きさも重さも材質も違う物を用意して、転移可能な物体の条件を調査する必要がある。レオンが革袋に一つずつ詰めながら、エリアがリストを作成している。
森を抜けて山道を登ると遺跡が見えてきて、近づいて入口に到着する。中に入って通路を進み、階段を下りて深層部へ向かい、装置群の空間に到達する。
「では」
アルカナが制御パネルの部屋に向かって装置を起動する。『起動』ボタンを押すと装置群が光り、『接続』ボタンを百回押す。十回、二十回、三十回、四十回、五十回、六十回、七十回、八十回、九十回、百回と押し終える。
装置群の光が強まって歪みが現れ、空気が揺らぐ。
アルカナが制御パネルの部屋から出てきて装置群の空間に戻る。
「まず重さを調べましょう」
歪みを見ると、直径三十センチで昨日と同じ大きさ。
四人は様々な重さの石を集めて荷物から取り出し、遺跡の床からも拾う。小さな石、中くらいの石、大きな石を並べていく。
「これが一番小さいです」
セレスが小石を手に載せて見せる。軽い。
「重さは十グラムくらいでしょうか」
手のひらで転がすと、ほとんど重さを感じない。
「これが中くらい」
エリアが石を両手で持つと、ずっしりと重い。
「一キログラムくらいです」
大人の拳ほどの大きさ。
「これが大きい」
レオンが両手で石を抱えるが、かなり重くて持ち上げるのが大変。
「十キログラムくらいです」
頭ほどの大きさ。
「では順番に試してみましょう」
アルカナが言いながら記録の準備をする。羊皮紙とペン。
セレスが小石を歪みに投げると、石が飛んで歪みに触れる。
消える。
十分待って砂時計を見る。
装置群の奥、昨日と同じ場所に現れる。
「転移しました」
エリアが駆け寄って小石を拾い、確認する。同じ石。
アルカナが記録する。「10g→転移成功」と。
レオンが中くらいの石を持って歪みに近づき、投げる。
消える。
十分待つ。
現れる。同じ場所。
「転移しました」
セレスが確認して石を拾う。
記録する。「1kg→転移成功」と。
エリアとレオンが大きな石を一緒に持つ。重い。歪みに近づいて歪みの下に置き、転がして歪みに押し込む。
消える。
十分待つ。
同じ場所に現れて床にどすんと落ち、重い音がする。
「転移しました」
エリアが確認して石を見ると、傷一つない。
記録する。「10kg→転移成功」と。
「全て転移しますね」
セレスが記録を見ると、三つとも成功。
「では」
レオンが考えながら周囲を見回す。もっと重い物。
「もっと重いものを試しましょう」
装置群を見ると、様々な装置と様々な部品がある。
四人は装置群の周りで重い物を探し、床を見て壁を見て装置を見る。
「これはどうでしょうか」
エリアが床に置かれている金属の塊を見つける。装置の部品のような物で、表面が磨かれていて古い。
「かなり重いです」
レオンが持ち上げようとしてしゃがみ、手をかけて力を入れるが、持ち上がらない。びくともしない。
「五十キログラム以上ありそうです」
両手で押すと少し動くが、重い。
「転がしてみましょう」
セレスが反対側に回る。
四人で金属塊を転がし、一人ずつ押して少しずつ動かす。歪みまで運ぶのに時間がかかり、ゆっくりと進む。
歪みに到達して金属塊を押し込み、四人で押して力を込める。
歪みに触れる。
金属塊全体が消える。
十分待ちながら四人で砂時計を見る。
装置群の奥に現れて床にどすんと落ち、大きな音がして振動が伝わる。
「転移しました」
セレスが駆け寄って金属塊を確認すると、無傷。
「五十キログラムでも転移するんですね」
記録する。「50kg以上→転移成功」と。
「では」
アルカナが考えながら装置群を見回す。
「もっと重いものはあるかしら」
さらに大きな物。さらに重い物。
四人は空間を探して歩き回り、装置を見て床を見る。
「これは」
レオンが装置の台座を見る。装置を支える台座で、石でできていて大きい。
「百キログラム以上ありそうです」
触ってみると、硬くて重い。
「動かせますか?」
エリアが尋ねながら台座を見る。かなり大きい。
「四人でなら」
レオンが台座の端に手をかける。
四人で台座を持ち上げ、四方から手をかけて力を込める。少し浮くが重く、足元が不安定。
少しずつ運んで数歩進み、下ろしてまた持ち上げてまた進むのを繰り返す。
歪みまで運ぶのに時間がかかり、汗をかいて疲れる。
ようやく到着して台座を歪みに押し込み、四人で全力で押す。
歪みに触れる。
台座全体が消える。
四人は疲れて床に座り込み、息を切らす。
十分待って砂時計を見る。
装置群の奥に現れて床にどすんと落ち、大きな音がして地面が揺れる。
「転移しました」
エリアが立ち上がって台座に近づき、確認する。
「百キログラムでも転移しました」
記録する。「100kg以上→転移成功」と。
「すごいですね」
セレスが言いながら記録を見る。十グラムから百キログラムまで、全て成功。
「では」
アルカナが考える。限界を知りたい。
「限界はどのくらいかしら」
どこまで重い物を転移できるのか。
四人はさらに重い物を探して装置群を見回す。大きな装置、小さな装置。
「これは二百キログラムくらいでしょうか」
レオンが床に固定されている小型の装置を見る。金属製で複雑な形状。
「動かせるでしょうか」
固定を外してボルトを回し、緩めると装置が動くようになる。
四人で装置を押すと少しずつ動くが、重くて台座より重い。
歪みまで運ぶのに時間がかかり、何度も休憩して汗が滴る。
ようやく歪みまで到達して装置を押し込み、四人で力を振り絞って押す。
歪みに触れる。
装置全体が消える。
四人は疲労困憊で床に座り込み、水を飲んで息を整える。
十分待って砂時計を見る。
装置群の奥に現れて床にどすんと落ち、轟音がして装置群全体が揺れる。
「転移しました」
エリアが座ったまま言う。立つ気力がない。
「二百キログラムでも転移しました」
記録する。「200kg→転移成功」と。
「限界が見えませんね」
レオンが水を飲みながら言う。疲れた。
「では」
セレスが考えながら記録を見る。
「重さの限界はかなり高いんですね」
十グラムから二百キログラムまで、全て成功。
「そうね」
アルカナが頷いて水を飲む。
「少なくとも二百キログラムまでは転移できるわ」
もっと重い物も。たぶん転移する。でも運べない。
「次は大きさを調べましょう」
レオンが提案して立ち上がる。体力が回復した。
四人は様々な大きさの物を集めて荷物から取り出し、遺跡から拾う。小さな石、中くらいの木箱、大きな板を並べる。
セレスが小さな石を投げる。親指大。
消えて、十分待つと現れる。
「転移しました」
記録する。「小→転移成功」と。
エリアが木箱を投げる。両手で抱えるほどの大きさで、立方体。一辺三十センチ。
消えて、十分待つと現れる。
「転移しました」
記録する。「中→転移成功」と。
レオンが板を転がす。大きくて、長さ一メートル、幅五十センチ。
歪みに押し込むと、板が歪みに触れる。
消える。
十分待つと現れる。
「転移しました」
記録する。「大→転移成功」と。
「全て転移しますね」
セレスが確認して記録を見ると、三つとも成功。
「では」
エリアが考える。もっと大きな物。
「もっと大きなものを試しましょう」
装置群を見回す。大きな部品を探す。
四人は大きな物を探して歩き回り、装置を見る。
「この装置の部品はどうでしょうか」
レオンが壁際に立てかけてある柱状の部品を見つける。長くて細い。
「かなり大きいですね」
近づいて長さを確認する。三メートル以上で、太さは三十センチ。
四人で部品を運ぶ。重くて、両端を持つ。レオンとエリアが前、セレスとアルカナが後ろ。
歪みまで慎重に運び、ぶつけないようにする。
歪みに到達して部品を歪みに押し込む。
部品の先端が歪みに入って触れ、先端から消える。
さらに押すと部品がどんどん歪みに入っていき、半分消えてまだ押すと三分の二消え、もっと押す。
部品全体が消える。
十分待ちながら四人で砂時計を見る。
装置群の奥に現れて床に倒れ、ガランと音がする。
「転移しました」
エリアが駆け寄って部品を確認すると、無傷。
「3メートルの物でも転移しました」
記録する。「3m→転移成功」と。
「では」
アルカナが考えながら記録を見る。
「大きさの限界も高いわね」
小さな石から三メートルの部品まで、全て成功。
「次は形状を調べましょう」
セレスが提案してノートを見る。次の実験項目。
四人は様々な形状の物を集めて荷物から取り出し、遺跡から拾う。球形の石は丸く、細長い木片は棒状、平たい板は薄く、不規則な形の石はデコボコ。床に並べる。
一つずつ投げる。
セレスが球形の石を投げると、ころころと転がりながら飛ぶ。
消えて、十分待つと現れる。
記録する。「球形→転移成功」と。
エリアが細長い木片を投げると、回転しながら飛ぶ。
消えて、十分待つと現れる。
記録する。「棒状→転移成功」と。
レオンが平たい板を投げると、ひらひらと飛ぶ。
消えて、十分待つと現れる。
記録する。「板状→転移成功」と。
アルカナが不規則な形の石を投げる。歪な形でバランスが悪い。
消えて、十分待つと現れる。
記録する。「不規則→転移成功」と。
「全て転移しますね」
セレスが記録を見ると、四つとも成功。
「形状は関係ありませんね」
レオンが言う。どんな形でも転移する。
「では」
エリアが考える。もっと特殊な形。
「特殊な形はどうでしょうか」
装置群を見る。様々な形の装置。
「特殊な形?」
セレスが尋ねる。
「輪っかとか」
エリアが説明しながら手で輪を作る。
「穴が開いている物です」
中が空洞の物。
「試してみましょう」
レオンが同意する。
四人は輪状の物を探して装置群を見回し、歩き回る。
金属の輪を見つける。装置の部品で、直径五十センチ、厚さ五センチ。
レオンが輪を持つ。重くて、歪みまで運ぶ。
輪を歪みに入れ、縦にして押し込む。
歪みに触れる。
輪全体が中の空洞も含めて消える。
十分待つと現れる。
「転移しました」
エリアが輪を拾って確認すると、無傷。
「輪でも転移しますね」
記録する。「輪状→転移成功」と。
「では」
アルカナが考える。他の特殊な形。
「網状の物はどうかしら」
装置群を見る。網のような装置。
四人は網状の装置を探す。
金属の網を見つける。細かい網目で、一メートル四方。薄い。
セレスが網を持つ。軽くて、歪みに近づく。
網を歪みに入れて押し込む。
歪みに触れる。
網全体が網目の隙間も含めて消える。
十分待つと現れる。
「転移しました」
レオンが網を拾って確認すると、網目は元のまま。
「網でも転移します」
記録する。「網状→転移成功」と。
「では」
エリアが考える。さらに複雑な形。
「複雑な形はどうでしょうか」
装置群を見回す。複雑な形の装置を探す。
四人は複雑な形状の装置を見つける。球体と柱が組み合わさった装置で、パーツが複数あって入り組んでいる。
アルカナとレオンが装置を持つ。重くて、歪みまで運ぶ。
装置を歪みに入れて押し込む。
歪みに触れる。
装置全体が複雑な部分も含めて消える。
十分待つと現れる。
「転移しました」
エリアが装置を確認すると、パーツの位置は元のまま。
「複雑な形でも転移しますね」
記録する。「複雑形状→転移成功」と。
「では」
アルカナが整理しながら記録を見る。これまでの結果。
「重さ、大きさ、形状、どれも転移には関係ないわね」
全ての条件で成功している。
「そうですね」
セレスが記録してノートに書き込む。「重量無関係、大きさ無関係、形状無関係」と。
「全ての条件で転移しました」
成功率百パーセント。
「では」
レオンが考えると、疑問が浮かぶ。
「限界はどこにあるんでしょうか」
何が転移を制限しているのか。
「歪みの大きさでしょうね」
アルカナが言いながら歪みを見る。直径三十センチ。
「歪みは直径三十センチ。だから、三十センチ以内に収まる物なら転移できるはずよ」
歪みに入る物だけ。
「でも」
エリアが言いながら先ほどの実験を思い出す。
「さっき三メートルの部品が転移しましたよ」
三十センチより大きい。
「ああ、そうね」
アルカナが考える。矛盾。
「部品は細長かったから、歪みに順番に入っていったのよ」
先端から順番に。少しずつ。
「では」
セレスが考える。
「歪みより大きい物でも、入れ方によっては転移できるんですね」
細長い物。斜めに入れる。
「そうね」
アルカナが頷く。
「でも」
レオンが考える。限界はある。
「あまりに大きい物は入らないはずですね」
歪みに入らない物。
「試してみましょう」
エリアが提案する。
レオンが遺跡の隅で長い木の棒を探し、倒れているのを拾う。長さを確認すると二メートルで、太さは五センチ。
「これを斜めに入れてみます」
歪みに近づいて棒を斜めに持つ。
棒を歪みに差し込み、先端から入れる。
棒の先端が歪みに入って触れ、先端から消える。
さらに押すと棒がどんどん入って半分消える。
さらに押すと三分の二消える。
しかし、それ以上入らない。棒が歪みの端に引っかかり、斜めの角度が限界に達してこれ以上押せない。
「入りませんね」
レオンが押すのをやめて棒を引き抜く。
先端が現れ、消えていた部分が戻ってきて全体が戻る。
「歪みより大きすぎる物は、入らないんですね」
角度の限界。入れ方の限界。
「そうね」
アルカナが頷いて歪みを見る。
「歪みの大きさが限界よ」
物理的な制約。
「では」
セレスが整理しながら記録を見て、結論を書く。
「転移可能な条件は、歪みに入る大きさであること」
入れば転移する。入らなければ転移しない。
「そうね」
アルカナが同意して記録を見る。
「直径三十センチ以内の物なら、重さや形状に関係なく転移できるわ」
今の歪みの大きさでは。
「では」
エリアが考える。新しい疑問。
「歪みの大きさを変えることはできないんでしょうか」
大きくできれば。もっと大きな物を転移できる。
「制御パネルを確認してみるわ」
アルカナが制御パネルの部屋に戻り、扉を開けて中に入る。
パネルの前に立ってボタンを見る。『起動』『停止』『接続』『出力』『減衰』『方向』、その他にも。
「『範囲』というボタンがあるわ」
まだ押していないボタン。
『範囲』に手を伸ばして押す。
装置群の光が変化する。明るさは変わらないが、何かが変わる。振動のパターン。
装置群の空間に戻って扉から出る。
歪みを見る。
「大きくなったわ」
確かに、歪みが大きくなっている。さっきより大きくて、直径六十センチくらい。倍の大きさ。
「では」
レオンが木の棒を持つ。二メートルの棒。さっきは入らなかった。
「これを入れてみます」
歪みに近づいて棒を斜めに持つ。
棒を歪みに差し込み、先端から入れる。
入って先端が消え、押すとどんどん入って半分消え、三分の二消える。
棒全体が消える。最後まで入った。
十分待って砂時計を見る。
装置群の奥に現れて床に落ちる。
「転移しました」
エリアが棒を拾って確認すると、無傷。
「範囲ボタンで歪みの大きさを変えられるんですね」
記録する。「範囲ボタン→歪み拡大」と。
「そうね」
アルカナが頷いて制御パネルの部屋に戻る。
「もう一度押してみるわ」
『範囲』ボタン。もう一回押す。
装置群の光が変化して振動が強まる。
空間に戻って歪みを見る。
さらに大きくなっていて、直径一メートル。最初の三倍以上。
「どんどん大きくなりますね」
セレスが言いながら歪みを見上げる。大きい。
「最大はどのくらいでしょうか」
レオンが尋ねる。
アルカナが制御パネルに戻って『範囲』ボタンを連打し、押し続ける。
装置群の光が変わり続けて振動が強まり続ける。
空間の歪みが大きくなり続ける。一メートル、一メートル五十センチ、二メートル、二メートル五十センチ、三メートル。
「これ以上押せないわ」
ボタンが反応しなくなって限界に達した。
空間に戻って歪みを見る。
巨大。直径三メートル。壁一面。
「最大で直径三メートルね」
記録する。「最大範囲:3m」と。
「大きいですね」
レオンが驚いて歪みを見上げ、圧倒される。
「では」
エリアが考えながら計算する。
「三メートル以内の物なら転移できるんですね」
かなり大きな物。人間も入る大きさ。
「そうね」
アルカナが頷いて歪みを見る。大きい。
「かなり大きな物でも転移できるわ」
実用的な大きさ。
四人は実験を続けて様々な大きさの物を試し、様々な重さの物を試す。大きな歪みで一メートルの物、二メートルの物、重い物、軽い物。
全て成功して確実に転移する。
太陽が動いて時間が経ち、実験が続いてデータが増える。
「今日はここまでにしましょうか」
セレスが疲労を感じながら提案し、記録を見る。
「かなりデータが集まりました」
たくさんの実験。たくさんの発見。
「そうね」
アルカナが制御パネルに向かって『停止』ボタンを押すと、装置群の光が消えて歪みが消える。
四人は深層部を後にして荷物を背負い、階段を上って通路を進み、外に出る。
日差しが眩しくて目を細め、空気を吸う。
「今日は転移可能な物の条件を調べました」
レオンが歩きながら言う。工房への道。
「重さは少なくとも二百キログラムまで」
もっと重い物も。たぶん転移する。
「大きさは歪みの範囲内」
エリアが記録を見ながら続ける。
「最大で直径三メートル」
かなり大きい。
「形状は無関係」
セレスが歩きながら言う。
「どんな形でも転移します」
球でも、棒でも、板でも、輪でも、網でも。
「かなり自由ね」
アルカナが言いながら振り返って遺跡を見る。
「ほとんど何でも転移できるわ」
制限が少ない。実用的。
四人は工房への帰路につき、森を抜けて道を歩く。太陽が傾いて影が長くなる。
工房に戻って扉を開け、中に入ってテーブルに向かい、記録を広げる。
「転移可能な物の条件」
セレスがノートに書き込む。大きな見出しとその下に詳細。
「重さ:二百キログラム以上可能。限界不明」
もっと重い物も転移する可能性。
「大きさ:直径三メートル以内。範囲ボタンで調整可能」
最小三十センチ。最大三メートル。
「形状:無関係。球形、棒状、板状、輪状、網状、複雑形状、全て転移成功」
どんな形でも。
「次は」
レオンが考えながらノートを見る。まだ調べていないこと。
「転移精度を調べてみたいですね」
どれくらい正確か。
「転移精度?」
エリアが尋ねる。
「狙った場所に、どのくらい正確に転移できるかです」
レオンが説明する。誤差の範囲と再現性。
「そうね」
アルカナが同意して頷く。
「明日、調べてみましょう」
次の実験課題。
四人は夕食を作って野菜を切り、肉を焼いてスープを煮る。食事を済ませてテーブルで食べ、今日の実験について話す。
片付けて皿を洗い、テーブルを拭く。
記録を整理してノートに書き込む。明日の準備として測定道具を確認し、印をつける道具と位置を記録する道具を用意する。
就寝の準備。疲れた体。明日への期待。




