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異世界転生勇者物語  作者: 照師
可能態
9/40

可能態 その4

「あれがナキが言ってたラッシュウサギか」


まさかハゲたウサギとは、プププ。

しかし丸々してて、良い肉が取れそうだ。


「よし!ハゲウサギごとき一瞬で終わらせてやるぜ!」


小川を飛び越え、ラッシュウサギに向かって木剣を降る。

勢い良く背中の辺りに叩きこんだ!


【アレスの攻撃、ラッシュウサギに4のダメージ!】


すると怯む事なく、ラッシュウサギが飛び跳ね突っ込んでくる!


ドッガ!!


「うーっ……………」


腹に鈍器で殴りかかったような鈍い音と同時に、激痛がはしる。


「アッ、ハァッ、ハァー、ハァッ」


息が…この感じは、鳩尾。


【ラッシュウサギの攻撃、アレスに7のダメージ!】


「うっ…ハァッ、ハァー、ハッ」


…駄目だ。


…息が出来ない。


…苦しい。


…なぜ?

近くで良く見たラッシュウサギの頭は!


…ハゲてるんじゃなかった!!

頭の部分が厚い骨におおわれている。

あんな凶器じみた頭に突っ込まれたのか!


のたうち回ってるとまたラッシュウサギが突っ込んでくる。

ダメだ!

とっさに振るい払った剣は、頭を弾いただけだった。



【アレスの攻撃、ラッシュウサギに2のダメージ!】


「アアァーー!!」


そのまま突っ込まれ、頭突きを防ごうとガードした腕に激痛がはしる。


【ラッシュウサギの攻撃、アレスに5のダメージ!】


ヤベー!

ダメだ、このままじゃ殺される。

どーすれば…そーだ!

まだ何も調べてなかった!!

弱点とかなんかないのか?


検索ー。

…HP30…弱点は、腹、脇腹、よし!


腹!腹、腹だ!!


「ハァッ、ハッハァー」


無我夢中にラッシュウサギの脇腹辺り目掛けて振り上げる。


「ウギギ!」


【アレスの攻撃、ラッシュウサギに7のダメージ!】


弱点を突かれ一瞬怯んだ…がすぐに突っこんできた。


「うっ!ハッハァッハー」


痛ってー、避けたつもりが肩に激痛がはしる。

息が苦しくて叫ぶ事すら出来ねぇ!


【ラッシュウサギの攻撃、アレスに5のダメージ!】


腹、腹、腹!

ただひたすら腹めがけて木剣を振り上げる!


【アレスの攻撃、ラッシュウサギに6のダメージ!】


弱点を突かれ怯んだ。

だが少し間をおくと跳び跳ねて、突っ込んでくる!


「うっ……」


今度は、胸にくらった!鳩尾近くの攻撃に冷っとする。


【ラッシュウサギの攻撃、アレスに6のダメージ!】


痛ってー、早く死んでくれ!


…腹だ!

腹、腹、腹!

腹めがけて振り上げる!


【アレスの攻撃、ラッシュウサギに6のダメージ!】


「ウッギー」


すると弱点である腹を突かれまくったラッシュウサギが怯んだように体を丸め動きが止まった!


【ラッシュウサギの攻撃、ラッシュウサギは怯えている】


よし!今だ!

腹、腹、腹!!

脇腹辺りを叩きつける!


「ウッギ…」


断末魔を断てると動かなくなった。


【アレスの攻撃、ラッシュウサギに6のダメージ!ラッシュウサギを倒した。9の経験値を得た】


しかし倒しても、喜んでるどころじゃなかった。

ホッとしたら体の力が抜けたのか、息が出来ない苦しさに屈みこむと、そのまま砂利の上へ、うつ伏せに倒れ込んだ。


「うっ、ハァー、ハッ、ハァッ」


苦しいー。いてぇーよ。


……なんとか仰向けになって、天を仰ぎながら横になる。


…自分の息と心臓の鼓動だけが耳に響いていた。


…が!


カラーンカラーンカラーン♪


ん?

なんだ?今、音が?

どこからか鐘の音が聞こえた!


…そうか!もしかしてこれ、チャペルの鐘の音か?


…と言う事は、これから天使が舞い降りてきて、迎えに…。


……俺、死ぬのか。


…まったくふざけた女神だぜ!

死ぬ時の演出なんて、どうでもいいから、この苦しみなんとかしろよ!


……ダメだこんなになっても女神の美しい笑顔ばかりが思い浮かぶ。


…ああ、それにしても可愛いかったなー。


【アレスは、レベル2に上がった】


…えっ?

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