可能態 その1
わたしの後ろに続くのは
計り知れない力。
わたしの前に広がるのは
無限の可能性。
わたしの回りを包むのは
数えきれないチャンス。
いったい
何を恐れることがあるだろう?
『アレス』
村を出ると女神の美しいが声がする。
「女神様か?どこにいるんだ?」
どこだ?どこだ??どこなんだぁ!?
『天界です。あなたの脳に直接話しかけています』
残念!
「そうなのか、でなんだ?」
『村を救うという選択をしたあなたに、いくつかプレゼントがあります』
「マジかよ!それはなんだ?」
普段の行いが良いから当然の事だよ、なんちって。
『……それは、無限にお金の入る小銭入れ袋。それと、あらゆる物を収納可能な神秘の宝石です』
【アレスは、四次元袋と神秘の宝石を手に入れた。】
「すげー、これで荷物の心配がなくなるな。けどお金は、カードがあればイイんじゃないか?」
『小さな露店等では、現金でないといけない所もあるようです。それと神秘の宝石の力を得る為には、飲み込む必要があります』
「これを飲み込むのか?」
アーモンドのような赤い宝石を手に取る。
…宝石を飲み込むなんて嫌だな。けどしょうがないか。
ゴク、うっ。
案の定無味無臭だった。けどこんな大きな宝石を飲み込むなんて、気分が悪いな。
『それとアレスの検索能力には、アレス自身のステータスも確認できます』
「そうなのか。そういや検索って、どうするんだ?」
『検索は、検索って思うことで出来ますよ。ちなみに収納は手をかざして、願うだけでいいです』
「そうなのか!わかった。とりあえずやってみるよ」
検索、俺のステータスはっと……。
アレス Lv.1 剣士 Lv.1
HP 30/30
DP 0/ 0
攻撃力(A) 7
防御力(D) 10
素早さ(S) 12
ギルドRANK F GP 0
所持金 0ダレル
エネルゲイア ?
技 剣術
スキル
装備
木剣 A 5
布の服 D 3
革の靴 D 3 S 10
貴重品
ハンターギルドCard
ブロンズナイフ
四次元袋
神秘空間
なるほどね。
「そーいや家を出る時、素足だと危ないって、ナキから革の靴もらったんだっけな」
だからこの靴を履いてる分、防御力とスピードが少し高いんだな。
村を出るとすぐに道なりから外れて、平原に出た。
どうやらこの辺りは、村を囲うように平原が広がってるようで、最初は、この平原から探索してみる事にした。
…しっかし、しばらく歩いているが。
…心地よい草木のざわめき。
…喉かな気候。
なんとも平和な平原だなぁ。
モンスターなんているのか?
カサカサ。
「なんだ!?」
いきなり目の前の草むらが揺れだすからビビったぜ!完全に油断してた。
嫌な予感がして、木剣を構える。
すると草むらの中から青いゼリー状の魔物が現れた!
「おっ出たな!」
【アメーバーが現れた!】
ん?どうやら無機質な女の声と同時に戦闘が始まるようだ。
「…うーわ、気持ち悪りー」
そいつは青く透明で、ドロドロしたナメクジのような魔物だ。
「まずは検索と…HP10か、大した事はなさそうだ」
アメーバーに向かって行き、木剣を叩きつける!
【アレスの攻撃、アメーバーに4のダメージ!】
衝撃でアメーバーが歪んだ。なんともグロテスク。しかしすぐに元の形に戻ると突っ込んできた!
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