おわりのはじまり 最終話
「これは始まりの詩、その一節です。テストに出るから覚えておくように!」
「……えっと」
「そこ!ボーッとしてないでちゃんと聞いてなさい!!」
「……俺確か死んだはずじゃ?」
「おお勇者よ。死んでしまうとは情けない」
「……女神様?なぜ教師の格好を?」
「一度言ってみたかったんですよねこの台本!この格好は小難しい話だったのでなんとなくです」
「……」
「……」
「ごめんなさい。まさかあんなところで奴が出てくるなんて」
女神は美しい満面の笑みで押しきろうとしたようだが、沈黙に耐えきれず、ついに土下座で謝った。
「完全にこちらの失態です」
「エリスは?」
「彼女は死にました。これも私の失態です」
「そう……ですか」
「大丈夫です。あなたも彼女も、生き返りますよ?」
「えっそうなの?」
「ええ」
「なーんだそうなんだ。良かった。ところで奴とは?」
「魔王です」
「まっ魔王!!あいつが!?」
「ええ、本来ならあんな所に出てくるわけないのに、とんだイレギュラーです」
「まじかよ、あいつが出てきた瞬間、なんか妙な悪寒がしたんだよな。まさか奴が魔王だったなんて……」
「本来ならⅥ(フォース)レベルにならないと相手に出来ないのに、まさかⅠ(ファースト)では話にもならないです」
「そのファーストとかってどういう意味なんです?」
「ああ、レベルが一桁の者をⅠ(ファースト)と呼びます。駆け出しやヒヨッコですね。続けて二桁はⅡ(セカンド)、これは人間の限界レベルで、三桁がⅢ(サード)、人外ですね。四桁がⅣ(フォース)、神のレベルとなります。ちなみに勇者は唯一四桁を越えることが出来るんです」
「そうなのか!勇者にそんな秘密があったとは!!」
「私の計画では、順調にレベルを上げていき、ドド村で男達を奴隷にしている暗黒騎士を倒しドド村は大賢者トトの村となり復興し、その後は四大魔将軍を倒し、そして魔王を倒し、その裏に暗躍する大魔王……じゃなくてⅤ(フィフス)になれば闇の神もサクっと殺ってもらおうと思っていたんですけど……」
「サクって目が恐いです女神様。けどそんなにいるのか。まだまだ先は長いなー」
「ズルしたのは向こうですからね。今度はレベルを上げやすくしたり色々と調整して送ります」
「そうか。今度こそやってやる!」
「では御武運を!」
「じゃ行ってきます」
そしてまた落とされた。
内臓が浮いてるぅぅ……待ってろよ魔王!いずれ俺が必ず倒す!!
試験体ナンバー106(イチマルロク)が転生しました。
そうね、念のため次の準備を。
リョウカイ、イチマルナナノジュンビヲ──。
白き世界でそんな会話があった。
それは美しい女性と無機質な女の声。
それはそんな声だった。
This story is the only beginning…………?
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