導かれし者の帰還 その18
「そう、じゃー運んでくれたお礼に、私が案内するわ」
…よしっしゃ!
「それは助かるよ」
「ううん、解体終わるまで時間かかりそうだし。まあ案内って言ってもこの村にある店は、隣の雑貨店か入り口近くにある道具屋さんくらいだけどね」
「そうなんだ」
…エリスと一緒ならどこでも最高だ!
「うん、じゃ行きましょうか?」
「ああ」
「じゃ、おばちゃん後よろしくね?」
「はいよ」
彼女がおばちゃんに声をかけると血に染めた手を振って返事した。
…おぞましいやらたくましいやら。
そして部屋を出ると。
「おお!こいつは、中々…」
…奥から何やら意味深な、じいさんの声がする。
「じゃ!おじいさんも後よろしくねぇー!?」
エリスがおじいさんに聞こえるように声を張って、声をかけた。
「おう!まかせんかい!」
じいさんもエリスに合わせ声を張って、返してくる。
…エリスが採って来た物って価値ありそうだな。
てかあんな苦労して運んだんだから高く売れてほしいよ。
解体屋を出て外へと出た。
…どこいくのかな?
「防具なら隣の雑貨屋ね」
…そうなんだ。
「そこか」
エリスに合わせてゆっくりと雑貨屋へ向かって行った。
中に入ってみると雑貨屋なだけあって、小物やらいろんな物が置いてある。
だが人の気配がない、留守なのか?
「おばちゃーん?いるのー!?」
エリスが大きな声で問いかけた。
「おや?その声は、エリスかい??」
すると店の奥から出て来たのは、解体屋のおばちゃんじゃないか!
…あれ?今、解体してるんじゃ??
出てくるなりキョロキョロと辺りを警戒してる。
「エリス、帰ってたのかい?…盗賊は?今盗賊が来てるのよ!」
…盗賊だって?何言ってんだよおばちゃん!って、もしかして別人なのか!
…そっくりだなー!
「お昼頃に帰って来たの。盗賊ならこちらのアレスが追っ払ってくれたわよ?」
「あら、そうなの!それは良かったわ」
「いやいや、ほとんどエリスが追っ払ったもんだよ」
「そう、どっちでもいいけど、まったく、おちおち商売もしてられないわよ!もー!」
「あら?今日は、休みなの?」
「ん?盗賊がいなけりゃ、今から営業開始だよ!なんか見てくかい?」
「うん、アレス?防具ならあっちよ」
エリスに店の奥へと案内された。
「何か良いのあるかな?」
エリスは、目を輝かせながら、彼女は彼女で女性物のコーナーを見て回っている。
俺は俺で見て回るか。
…しっかしここにあるのは、防具ってよりも服とか日用品がほとんどだな。
さてと、まあ今は見た目よりも、丈夫そうな服にした方がいいな。
…うーん……おっ!これなんかどうかな?
黒くて丈夫そうな服を取り出す。
触って確かめてみた。
…これなら丈夫で良さそうだ。
…だが500ダレルか、結構するんだなー。
…後は、なんかないかな?
…ん?これなんかいいんじゃないか?
革の籠手を取り出した。
650ダレルか。
…結構するな、だがこれなら実戦で使えそうだ。
「何かお探しかい?」
おばちゃんが営業スマイルを浮かべながら近付いてきた。
「ああ、何か手頃な武具を探してたんだが」
「そうね…黒色、好きなのかい?」
「ん?まあね」
手に持ってたからそう思ったのかな?
「それならとっておきの服があるわよ?こっちへいらっしゃい」
…なんだろう??
服コーナーを出るとまたカウンターに戻ってきた。
「ちょっと待ってて」
おばちゃんがカウンターの奥へと消えいった。
…なんか凄いもんなのか?
しばらく待ってると黒いロングコートを持って、戻ってきた。
カウンターに置いて、綺麗に広げてみせる。
近づいて、じっくりと見てみる。
…へぇー、格好良い!
艶のある黒…光沢が黒を際立たせる、漆黒のロングコートだ!




