導かれし者の帰還 その17
…おも!…あとは小鹿を…。
「よいしょっと」
その小鹿は、運びやすいように両足を縛られていた為、なんとか一人で担げた。
気合いを入れて出口へと向かっていく。
「こっちよ?」
………間違っていたらしい、その後は、素直にエリスについていった。
…重てー…。
やがて体が暖かくなってきたと感じ始めた頃には、出口の穴近くまで来ていた。
「あっ!」
エリスが何か思い出したように立ち止まると屈み込んだ。
「村への入り口は、ここにトッキーの絵が掘られてるから、これを目安にするといいかもね」
穴の入り口の右下、足元付近の壁を指先で払うと土埃が舞った。
するとくちばしの長い鳥の絵が鮮明に見えてくる。
「へぇー、これトッキーって言うんだ?」
「そう、私のイヤリングもトッキーを元にデザインされてるのよ」
ちょんちょんと触り、揺らした勾玉のような形をしたイヤリングは、顔に当たる外側はシルバーで目には、ブルーオーブがはめらていた。
「さっ行きましょう?」
「ああ」
「フー」
彼女が指先についた土埃を吹き飛ばした瞬間、まるでロウソクの灯火を吹き消すかのようにして、幻想的に淡く輝いていた空間を一瞬で闇に染めた。
…暗!けどスゲーな!まるで魔法みたいだ!
…って魔法か…。
エリスを捜すと元々薄暗かったから、わりとすぐに彼女の背中が見えてくる。
後を追って進んで行くとやがて向こう側に光が見えてきた。
…おっ!出口だ!
…しっかしこれを担いで上らないといけないのか…。
先にエリスが上っていった。
続いてハシゴを掴み足をかける。
…おもいー!こいつは慎重にいかないと危険だな…。
一段一段気をつけて、ゆっくりと上っていった。
「ハァハァハァ」
なんとか上りきって部屋に出ると少し息切れしていた。
…さすがに疲れたな。
「大丈夫?」
「ああ、さっ解体屋に行こっか?」
深呼吸してから小屋を出ると解体屋へと向かっていった。
「やあ、いやっしゃい」
やがて解体屋につくと早速荷物を下ろした。
…ついたぜー!
「フー」
「お疲れ様」
「いやー、これくらいどうってことないよ」
…実際エリスの笑顔をみると疲れなんて吹っ飛んじまうからな。
「最後にこの袋をお爺さんにと鹿は、おばさんの所まで持っていってくれない?」
「わかった!」
…よいーしょっと。
大きな袋を持ち上げると鑑定所のカウンターの上に下ろした。
「おお!こいつは、大漁じゃな?」
「フフフ、じゃよろしくね?」
「おう!まかせんかい!」
大きな袋を鑑定所のじいさんに預けると鹿を持って、おばさんの所に持っていく。
…あの袋を持った後だと全然軽く感じるな。
「おばちゃん、これ」
「おっ?来たね、そこ置いといとくれ」
鹿を調理場の台の上に下ろした。
…よし!これで終わりだ!
「今日は、久々に腕がなるねぇ」
…ん?何かの用紙を持ってきたぞ。
「アレスの解体は、終わってるよ。カードと明細書はこれね」
…これか。
ギルドカードと明細書を渡された。
「ありがとう」
…いくら入ったんかな?
早速見てみよ!
~納品明細書~
アメーバーの液体×1 5
モッサーの肉×1 30(20)
歯×1 10
ラッシュウサギの肉×1 150(100)
骨×1 8(5)
頭蓋骨×1 30
毛皮×1 50
サセモ×1 15(10)
ガンソウ×1 30(20)
ウワバミソウ×12 276(180)
魔晶石
魔力値 10×1 20
20×1 40
30×1 60
計 714
技術料 △71
合計 643ダレル
…へぇー、こん中ではウサギの肉が一番高いんか…。
全部で643ダレルか、いったいどん位の価値なんかな?
…買い物してみないとわからんか。
早速、防具買いに行こうかな。
「これからどうするの?」
「ん?何か防具を買いに行こうかと思ってたんだ。この格好じゃ、何も着てないのとたいして変わらないからね」




