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異世界転生勇者物語  作者: 照師
導かれし者の帰還
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導かれし者の帰還 その15

「殺されるかと思ったよ…」


マジ死ぬかと思ったぜ!


「すまないねぇ…ところでその荷物は?…家に用があったのかい?」


何!?話そらしやがったな!


「ああ、こいつを買い取ってもらおうと思って」


だが俺は耐えた。

横目でちらっとエリスの横顔を見て、なんとか怒りを押さえたのだ。

見ただけで一瞬にして心を癒してくれる。

それはそんな美貌だった。


「そう、じゃ中へいらっしゃい」


おばさんの声に現実へと引きずりこまれると中へ案内された。

中に入ると板張りの壁の右側のドアには、解体屋と書かれたプレートがぶら下がっている。


「あたしの勘違いだったわ」

「おお、そうかい、そりゃ良かったわい」


しゃがれた声に振り向くと左側には、鉄の柵に覆われた部屋があり、机の上から眼鏡をしたおじいさんが顔を覗かせていた。


「そうそう、エリスが帰ってたのよ」

「おお、そうかい、久方ぶりじゃのう」


後ろからエリスが顔を出してきた。


「ご無沙汰してます。鑑定品(お土産)たっくさんあるから後でお願いね?」


…近っ///。


「おお!そいつは楽しみじゃわい」

「さあ、いらっしゃい」


おばさんに右側のドアから入るよう促された。

中に入ると…うー、生臭せー。

部屋に入った瞬間、魚屋に近い特有の生臭い臭いがした。

ひでぇ臭い…あっそうだ!そーいや先にギルドカード渡すんだっけな。


「あのこれ」

「はいよ、品物はそこに置いとくれ」

「わかった」


おばさんに指定された奥の作業場へ行き、台の上へ荷物を下ろす。


「よいしょっと」


そしたらおばさんが近づいてきて、仕分け作業を始めだした。


「いつもは主人と一緒にしてるんだけどね。今は、留守だから、私一人でしなきゃいけないのよ」

「そうなのか」

「おばさん、じゃ後よろしくね?」


突然エリスが話を遮るように声をかけてきた。


「はいよ」

「アレス?行こ?」


…ん?


「ああ」


そしてエリスに促されるまま部屋を出た。


「じゃまた来ます」

「おお、楽しみにしとるぞ」


部屋を出ると鑑定所のじいさんに一言言ってから外へ出た。


「さっ食糧庫へいこうか?」

「ああ」

「あのおばさん話長いんだ」

「そうなんだ」


…なるほどね。


「この店先に教会が見えるでしょう?その脇にある小屋が食糧庫よ」


解体屋を出て大通りに出ると隣には、横道をはさんで店があり、大通りの先には、教会らしい白く塗装された建物が見える。


「ああ、あの辺か」


…なるほど、あんな所に教会があったのか。

二人は、教会の方へと向かっていく、エリスのペースに合わせてゆっくりと進んでいった。


…なんだか辛そうだな。


…ん?…そうだ!ナキみたいに肩を貸してあげれば。


…ムッフッフ、こいつはエリスに触れるチャンスじゃないか!?

よし!さりげなくやらないと!


「エリス?」

「ん?」

「大丈夫かい?」

「ええ」

「良かったら肩でも貸そうかい?」

「えっ?…」


…いや、貸させてください!!


「…気持ちだけ受け取っておくわ」


がっくし…ダメだったか。


「そう」


…ん?なんだこの微妙な間は…もしかして下心見透かされたんじゃ!?


「…向こうについたら荷物結構あるわよ?私のことなんて気にしなくていいから今から覚悟しといた方がいいかも」

「そう」


…なーんだ、見透かされた訳じゃなかったのか!良かったー。

教会に近づき門を潜ると教会の左右に小屋が見える。


「こっちよ」


エリスが指す方、左側についていくと小屋の前に立ち止まった。


「ちょっと待ってね?」


エリスがポッケから鍵を取り出して鍵を開ける。


…やっぱ厳重に保管されてんだな。


「よいしょっと」

「あっ手伝うよ」


手を貸してかんぬきを取り外すと中へ入った。


…うーん。

見渡してみるが食べ物は、ほとんど見られなかった。


…これはヤバイな。…てかこんな小さな小屋に村の食糧なんて入るもんなのか?

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