導かれし者の帰還 その13
「フフフ、そうね」
「ハハハ、そうだった」
なんだか可笑しくなって三人で笑ってしまった。
「フフフフ、そうですよ?けど説明不足でしたね。すいません。では改めて、解体屋は、隣の建物になります」
「そうなんだ」
「はい、それと中に入ったら担当の人にギルドカードを提示して、品を納めて下さいね」
「わかった。ありがとう、ミューネ」
「いいえ、仕事ですから」
「あっ!ねえアレス?食糧庫は、その隣の建物よ。お昼食べ終わったら行きましょうか?私案内するわ」
…えっ?…よっしゃー!!
…あっ!でも…。
「そうか、頼むよ…けど足、大丈夫?」
「ええ、少し休んだら幾分かはマシになったは、まあ案内するくらいなら問題ないわよ?それに運んでもらうの私の荷物だし」
「そうか、なら良かった!無理しないようにね?」
「ええ」
ニッコリと笑うエリスの元へ、食事を終えた子供たちが近づいてきた。
テテが顔を赤くしながらエリスに話しかけた。
「…ねえ?エリ姉?ちょっと良い?」
「ん?どうしたの?テテ」
「エリ姉!さっきはありがとう!」
「どういたしまして、あーっ!けどあの時テテが飛び出してきた時は、驚いたなー」
…確かに!いきなり建物の死角から飛び出してきたときは、驚いたな。
「えっ?いやー…だってユーリのこと見捨てられなくて、だから隙を見て飛び出したんだ」
…意外と男らしいとこあるんだなテテ。
エリスの表情が悲しげな表情に変わった。
「そう…けどあの時私、とーっても心配したのよ?怖かったわ」
「ごめんなさい」
「まぁあん時、テテが来なくても、俺が自分でなんとかしてたんだがな…。でもまあ…嬉しかったぜテテ、ありがとうな」
「うん、当然だよ」
「まーた、ユーリ強がっちゃって」
「つっ強がってなんかないぜ!」
…テテをかばうなんて、
「「あははは」」
何だかんだで仲良しなんだなー…。
ふとテテが何か思い出したように話しかけた。
「ねえ?エリ姉?最初来たとき、裏門の方から来たよね?けど、どうやって入ったの?僕達、裏門閉めたはずだよ?」
…そうなのか。
「そういやそうだな…あっでもエリ姉なら、壁飛び越えて来れたんじゃないか!?」
「何言ってんのよユーリ!そんなの無理に決まってんでしょう?ねえエリ姉?」
…確かに普通無理だよな。村を囲む壁は、見上げるほど高かった。5~6メートルは、あるんじゃないか?
…それにしてもよくそんなことに気付くよなテテ、さすがお利口のテテだ!
「フフフ、そうねティア。でもユーリ、そんなこと出来たなら良いよね?」
エリスは、冗談っぽく言ってユーリをニカッと笑らわせると話を元に戻した。
「そうそう、村についたら、夜でもないのに裏門が閉まってたから、可笑しい、何かあったのかもって、だから秘密の抜け道を通ってきたのよ」
「秘密の抜け穴?」
…そんなもんあるのか!
「なになに!?それどこにあるんだ!?」
…俺も気になる!
「うーん、ユーリは、ろくな事しなそうだからダメね」
「えー!!」
…確かにエリスの言う通り!こっそり後で聞こうっと。
「皆も、もっと大きくなったら教えてあげるわ」
「「ホント!?」」
「あら?お姉さん嘘ついたことあった?」
「「なーい!約束だよ!」」
「約束だぜ!?なぁ?外で遊ぼうぜ!」
そう言って、ユーリが駆け出していくと残りの二人も追いかけた。
「待ってよー!」
騒がしいのがいなくなったら急に静かになったな…と思ってたらまた足音が近づいてくる。
ユーリがまた戻って来たのだ。
…なんだ?騒がしい奴め。
俺の前まで来るとポッケの中をまさぐりだす。
…ん?なんかくれんのか?
「兄ちゃんこれ」
「おっ!」
魔晶石だ!
「あん時拾ったの忘れるとこだった。じゃーねぇ!」
そう言って魔晶石を渡すと慌ただしく戻っていく、入り口付近でこちらを覗いていた二人と合流すると嬉しそうに駆け出していった。
「ありがとう!ユーリ!」
…もう諦めてたんだが良かったぜ!
そんな子供たちをエリスは、優しい眼差しで見送っていた。慈愛に満ちたその表情は、とても美しかった。
…子供好きなんだろうな。
彼女の子供に対する言葉の端々にそう感じた。




