導かれし者の帰還 その11
「やい!!盗賊ども!出てこんかい!!」
すると怒鳴り声が!
…なんだ?外からじぃーさんぽい声が聞こえてきたぞ?
「あれ…今の声って?」
ん?ミューネが知ってるようだが…一応用心に越したことはないよな。
「ちょっと見てくる」
そう言い残しスイングドアに手をかけた。
「村長!?」
そしたら今度は、ナキの声が聞こえてきた。
…てことは、エリスも!
…やっと着いたようだが。
覗いてみるとそこには、ヘンテコな格好をしたじーさんが立っていた。
細い体に不釣り合いなブカブカな革の鎧の上にさらに鉄の胸当てをぶら下げている。
見るからに重量オーバーな装備をしたじいさんがいたのだ。
「ゼエ、ゼエ。おおナキ!ん?エリスか!?帰っておったのか!?」
「村長!ただいま戻りました」
「うむ、ところでその足はどうしたんじゃ!?」
「これは…、盗賊達を追っ払うのにちょっとね…」
それだけではない、両手で辛うじて大きな鉄の盾を持ち、鉄の兜は大きく縦に揺れている、息切れを起こしているのだ。
「ゼェ、ゼェ。そうか、と言うことは、盗賊達は?」
「もうエリス達が追っ払ったわよ。それにしてもスゴイ重装備ね?大丈夫ですか??」
「何を言うかい!ふぅー。お主らがオシメを換えておった頃から、ワシは数多の戦場を渡り歩いておったわい!ほーれ!よっこらせっと」
そう言って一旦下ろした鉄の盾を腕をプルプルさせながら持ち上げた。
…大丈夫か?このじいさん?
「はいはい、皆無事よ。さあ、中に入って」
「ゼェ、ゼェ。おう!そうかい」
…案の定、息切らしてるし。
「「じぃちゃーん」」
おっ!子供達が俺の横を通り抜け飛び出して行った。
「これこれ、村長と呼びなさい、そ・ん・ちょーと…ん!?誰じゃー?お主!?」
俺に気付いた瞬間、目付きが鋭くなり、盾を地面に寝かせると剣の柄に手をかけ威嚇してきた。
…ヤベー!
その覇気に圧倒されてしまう!
「村長!彼は、昨日村の前で倒れてたアレスよ?一緒に運んだでしょう??」
「……はて?…そうじゃった!そうじゃった!そういえばそんな事もあったのう。…盗賊騒ぎでこいつを装着するのにバタバタしてて、忘れておったわい」
鉄の胸当てをバシバシと叩いて笑っている。
…なんだよ驚かせやがって!一体何者なんだこのじいさん!?一瞬冷やっとしたぜ!!
…しかしなんだか世話になったみたいだな。
「さあ中に入りましょう?村長もその重装備を置いて、後片付け手伝って下さい」
「やれやれこんな年寄りをこき使うとは」
「…村長?」
「よし!子供達よ!はよ、片付けてしまうぞい」
「まったく、この人は…」
なんだかナキに頭が上がらないようだ──。
やがて皆で後片付けを終えると遅めの昼食は、カチカチのパンと野菜スープが振る舞われた。
かなり固いパンで温かい野菜スープに浸し、柔らかくしてから食べるんだが、これがなかなか固くて食べずらい…悪戦苦闘しながら食べていた。
「それにしてもユーリもみんなも無事で良かったわ…そういえばあの時、突然怒り狂ったように盗賊が飛び出していった時は、冷やっとしたけど…」
…そうそう俺も急にウビが飛び出してきた時は、ビビったぜ!
…モグモグモグ、しかしなかなか飲み込むまで時間がかかるパンだな。
「モグモグ、にーひゃんシュゴかったぜぇー!ゴックン。…はぁー!って、気合い入れただけで盗賊をやっつけたんだから!」
…いやー、あの時は、ウビを吹っ飛ばすだけでイッパイイッパイだったんだが。
「確かにスゴかったですねぇー…あんな魔法見たことありません」
…そう?そんな誉めんなよ!テテ。まあ、まだ駆け出しの技でもエネルゲイアは、俺しか使えない技みたいだからな。




