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異世界転生勇者物語  作者: 照師
導かれし者の帰還
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導かれし者の帰還 その9

「痛てぇぇ!!」


…よし当たった!!しかも目に!

ジョーが顔を押さえてる。


【アレスの攻撃、アレスはジョーに極小魔晶石を投げつけた。ジョーは目を押さえて攻撃できなくなった】


一度子供を置いて、詠唱を中断していたエリスが、襲い掛かるレックスの顎に体勢を崩しながらも蹴りをかました!


【エリスの攻撃、レックスに37のダメージ!】


「ハァーー…」


レックスが顎を押さえのたうち回る隙に、方膝をつきながらもまたエリスが魔法を唱え始めた!


「ヤベー!!」


その声に気付いたジョーが人一人やっと通れるくらい開いていた門の隙間へと飛び込むように逃げていく。


「まっ待て…!」


レックスも慌てて門の隙間へと体当たりするように飛び込んでいった。


…足音が遠ざかっていく。


【盗賊達は逃げ出した】


終わりを告げた無機質な女性の声。


「フゥー…」


…終った。


…助かったんだ!!


…エリスは!?


「エリス?大丈夫なの?」


ナキが足を押さえ屈んでいたエリスに近付いて行くと手を差し出す。


…くっそー!俺もこんな状態じゃなかったらすぐに起こしに行ったのにー!!


「ええ、大丈夫よ義姉(ねえ)さん」


そう言ってナキの手を取って立ち上がせる。しかしエリスの表情は歪んでいた。


「エリ姉、大丈夫?」


心配そうにテテが彼女の顔を覗いた。


「エリ姉…」


ユーリも心配して近付いて行った。


「大丈夫よテテ、ユーリも、何も無くて良かったわ」


しかし二人の頭を撫でる美しい少女は、気丈に微笑んでいた。


…可憐だなぁ。


「あー!でもさっきは悔しかったなぁー…後、もーチョットで撃てたのにー!テテが急に暴れだすから」


突然エリスがその場を和ますかのように笑顔でおどけだした。

そんな姿になんだか微笑んでしまう。


「だってー…」


うつむき顔を赤くするテテ。


…うっ…羨まし過ぎるぞ!!

テテェェェ!!!

だがその時!テテの態度を見て、俺の男としてのシンパシーがあの土壇場で何が起きてたかを感知した。


「ねえ?」


わっ!!


…色々と妄想、いや考え事をしてたら、突然エリスが話しかてきたからドキッとしたー!


…剣を杖代わりに近づいてくる。


…なんだろう??


「ところであなた、誰なの?」


……そーだよな。そーいや自己紹介まだだっけな。


「えーと…」

「彼はアレス、彼には色々と助けてもらったのよ」


ナキが俺の代わりに紹介してくれた。


「…そのようね。色々と世話になったは、礼を言います。私、エリス」


微笑みを浮かべ手を差し伸べてきた。


…綺麗だ。


ラピスラズリの宝石のように透き通った深く、青々とした彼女の瞳に吸い込まれていく感じがした。

気が付けば見とれていた。


「無理しちゃダメよ、エリス」


…これは?


…俺に握手を求めてくれたのか!?


…こんな美人に握手出来るなんてぇ!!


「こちらこそアレスだ」


震えそうな手を気力で押さえて、手を出そうとした。


…やべー、どうしよ!緊張してきた。


…俺の手、汚くないかな?


…あー!!!


…そうだった…。


「…ああ、すまない、この通りさっき魔晶石を取り出した時にアメーバに手を突っ込んで手がベトベトなんだ…」


俺は泣く泣く途中で手を止めた。


「…そっそう」

「まあ、よろしく」


…くぅー、残念!!せっかくエリスと握手出来たのにー!なんて事だ!!

こんな美人の手を握れるなんてもう無いだろう…俺ってば何してんだ!!一生の不覚!…トホホホ。


「あの?盗賊達が、仲間を引き連れて来ると悪いから、門、閉めておかないですか?」


ミューネだ。


…確かにその通りだな。


「そうね」

「私がやるわ」


ナキがエリスを制して、門の横に設置されたハンドルの前に立ち。


「…よいしょ」


ハンドルを回すと門が閉まっていく、


ギー、ゴゴゴゴゴー。


物凄い音と共に門が閉まっていった。


「それじゃ少し遅いけど、ギルドでお昼にしましょうか?」

「ええ」


ナキがそう言うと皆が賛同した。


…確かにお腹ペコペコだ!

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