その2
「異世界では、魔物を倒したりして、レベルを上げると、強くなる事が出来るんです!」
「そーかー、それはまるでロープレ、ゲームの世界だな……ってそれだけ?」
「はい、あっ!そうですね…勇者はレベルを上げていくと、内なる'可能態'、'デュナミス'を使い、'エネルゲイア'を使えるようになります」
「可能態?
…デュナミス??
……エネルゲイア???」
何それ?
「簡単に言うと、種はやがて花を咲かすように、あなたの内なるデュナミス、'種'を育て、エネルゲイア、'花'を咲かせるのです」
「んー?」
どーゆーこと?
「つまり、デュナミスポイント(DP)を使って、エネルゲイア(特殊能力)を発動させるのです」
「なるほど!何となくわかった」
つまりロープレゲームでいう。
DPはMPで、エネルゲイアは魔法のようなものか。
「そうですか。……これまで歴代の勇者達は、それぞれの内に眠りしデュナミス…種を育て、色々な花を咲せ、世界を救ってきました。あなたにはどんな花が咲くのでしょうか?楽しみですね」
そうなのか!人によって違うのか。
俺の力ってどんなのだろう?
…しかし、まだそれだけでは不安だな。
俺、喧嘩なんてした事無い、てかそんな度胸ないし、戦闘経験なんてゼロだしな。
「そうか。しっかし、そんなあやふやなもんだけじゃ不安だなー。…せめて相手の能力や物の詳細がわかる検索的な能力つけてくれないか?」
おお、神よ!女神様よ!!
「うーん…そうですねー。まぁそのくらいならいいでしょう」
ラッキー!言ってみるもんだね。
「では」
微笑む女神の姿が虹色の強い光と共に消えていく、あまりの眩しさに目をつぶると。
「我が名はアイリス。ゆけ勇者よ!」
「うわーーーーー!」
力強い女神、いや悪魔の声と同時に底が抜け落っこちた!!
…ああ、意識がもうろうとしていく…。
「大丈夫ですよー。あなたには女神の加護がついています」
自分で言うな!だいたいお前がぁ───…。