導かれし者の帰還 その6
よし、チャンスだ!
【アレスは、レベルが3に上がった。それぞれHPが20、DPが10、攻撃力が3、防御力が4、素早さが4上がった。光の弾丸を覚えた。剣士レベルが2に上がった。剣士の心得を覚えた。攻撃力が10%アップした】
なんか色々覚えたみたいだが…今の俺がヤツらに攻撃しても焼け石に水程度。
…話にならない。
アイツらさっきの光、エネルゲイアを警戒しているようだが。
…このまま引いてくれたらいいのに…な。
木剣を抜いて、盗賊らを警戒しながらゆっくりと階段を降りて行く、
「クソったれ!こんなヒョロヒョロしたガキが…よし!ジョー、俺が正面から行く!」
やべ…来るのか?
相手と距離をとるため地面まで降りた。
「…しゃーねぇ、ブッ殺す!!」
しかしジョーが叫びながら軽快に柵を飛び越え、一瞬にして右側に着地した。
え?
これは、もしかして!
…挟み撃ちにするつもりじゃ?
【盗賊レックスと盗賊ジョーが現れた!】
ジョーが曲刀を抜く、
ヤべー!このままじゃ殺される!!
レックスも曲刀を抜いた。
ど、どうしよう!?
…いや、ここで弱みを見せたら駄目だ!
殺られてしまう!
こうなりゃ一か八かハッタリをかまして、なんとかするしかない!
…けどもう駄目だ…笑うしかないや。
「フフフ…ハハハ、ハハ………、ハァーッハハ!ハァ!ハァ!ハァ!!…いやー驚いたよ!ずいぶん手加減したつもりが、まさか少し気合いをいれただけで死んでしまうとは……、お前らなら楽しませてくれるのか?」
木剣を突きだしながら牽制する。
…決まった。
頼む引いてくれ!!
「グワァッハッハァー!」
えっ?
なぜ笑ってんだ?レックス。
「フフフ、ハァッハッハ!そんな足を震わせながら何言ってんだ!?オメー!?」
はっ?
…ジョーの言う通りだ!
恐怖で足がガタガタと震えている。
緊張しすぎて全然気付かなかった!!
「それにそんな棒切れで、どうするつもりだ!?あん!?」
ヤバイ!
「あー腹いてー!ジョー、お前の考えすぎみたいだな?」
「ああ」
ヤバイ!ヤバイ!!ヤバイ!!!
とにかくハッタリで押し通すしかない!
「フッ…ハハハハ!お前らごとき、この木剣で十分だ。今日はウサギぐらいしか、相手が居なく退屈してたが、久々の人間相手、武者震いが止まらん!……さぁー、来い!!」
剣を指し牽制しながら、左手を上げ手を広げ、何が出しそうなジェスチャーをする。
…頼むこれで引いてくれ!
「くっ…」
よし!ジョーが怯んだ!
レックスも動きが止まった!
と思った瞬間、
「うりゃー!!」
え?
ジョーが!!
目に追えきらない驚異的なスピードで迫り、剣を振り上げる!!
…こっ殺される!!
ん!?
ストン!
…なんか今?
何かが目の前を飛んでいった!と思ったら近くの壁に音が響いた。
突然飛んできた凶器にジョーが仰け反り、慌てて避けると後ろへ大きく跳んでいった。
そんなジョーの姿を見てても死への恐怖が体を強張らせ動けない。
直立不動まま固まっていると、
「誰だ!?」
ジョーが叫んだ!
ふと我に返り、振り返えって見る。
…あ!
そこには、一人の少女が立っていた。
……えぇー!?
そしてどこかで見たことがあるその美貌に驚いた。
遠くからでも分かる大きな目に青く輝く双貌、金髪の長い髪、整った顔立ちと同様の女性特有な体のラインが際立つ、限りなく白に近い桃色の軽装に、赤いマントがなびいてる。
…これ程の絶世の美女に会うのは女神以来2度目だ。
しかし驚いたのは、それだけじゃない!
似ている。
…女神に!
一瞬、なぜ女神かここに?と思った程似ていた。
だが女神より、少し幼なくした感じに見える。
「ふぅー。間に合って良かったわ」
…可愛い。
突然現れホッとした表情を浮かべる少女、その力強い声も美しい。
その美貌にただただ見とれてしまっていた。
「…だっ誰だテメー!?」
ん?
レックスのダミ声が怯えている?
なぜ?
…視線をレックスに向け、また驚いた!
レックスの顔すれすれに長剣が壁に刺さっている。
柄の先の赤い宝石が輝いて見えた!
…綺麗な剣だ。あれは宝剣か?




