導かれし者の帰還 その2
「なんだよテテ、見たくないのか?…ははーん!それともビビってるんじゃ…」
ユーリめ余計なことを…テテ気にするんじゃない!
「行きましょう!アレスさん」
テテー!
…あ、そうだった。利口そうに見えてもテテは子供なんだ。
だがここはなんとしても…。
そうだ!
「うーん、こっちへ…」
ギルドの死角に呼ぶと子供達は、笑顔を浮かばせながらついてくる。
俺は、小声で話し始めた。
「よいしょっと、皆しゃがんで、ここからは静かに行動するんだ」
荷物を下ろしながらそう言うと子供達は、コクリと頷き真剣な顔つきになる。そして、輪になるようにしゃがみこんだ。
「いいかい?ユーリ、テテ、ティアちゃん、とーっても危険だから、ついてきちゃダメだ!」
「「えー!」」
「シー!ちゃんとお兄さんの言う事を聞いて、ここで隠れていれば、後でお兄さんの、とーっておきな秘密を教えてあげよう」
目を輝かせ、コクリと頷く二人しかし、
「えー」
ムッ、ユーリめ…よし!
「じゃあユーリ以外に少し教えてあげようかなぁ…実はね、俺のしょー」
チラ。
ユーリが興味津々に聞き耳をたてている。
「ユーリ、聞きたければおとなしく待ってるんだぞ!」
「えっ!そんなー、じゃー教えてくれたら待ってる」
なんだとー!
「…本当かい?」
「ホント!ホント!」
ホントかよ!
「じゃ男と男の約束だよ?」
「…うん!男と男の約束だ!」
うっ、そんなに目を輝かせやがって!
「…よし!…実は…俺の正体は…」
大きくうなずくキッズ達、皆目を輝かせ、見つめている。
「…いいか誰にも言うなよ?俺は、魔王を倒しにやって来た勇者なんだ!」
どうだ!
ドヤ顔で言ってやった。
しかし驚いて声も出ないのか目が点になったまま動かない、
…いやもしかしてこの視線は、
…この人何言ってんの?
大丈夫?的な?
ヤベー恥ずかしくなってきた。
…どーしよ…余計な事を言わなきゃよかったな。
ダメだ!これ以上ポーカーフェイスを保つのも限界だ。
「「スゲー!」」
えっ?
「勇者なんて始めて見たわ!」
「スゲー!スゲー!」
「僕も絵本でしか見たことないです。単なる伝説だと思ってました」
ふぅー。
信じてもらえて良かった!
うん、うん、子供は素直が一番だ。
「そうか…ではお兄さん、ちゃちゃっと行ってやっつけてくるから、そこでおとなしく待ってなさい」
「「ハーイ!」」
もう大丈夫だろう。
立ち上がり、
「じゃ行って来るから、おとなしく待ってなさい」
念を押して振り返り、歩み出す!
よーし行くぜ!
…抜き足、差し足、忍び足っと。
バレないようにそーっと歩いた。
そうやって窓に近づいて行き中を覗いてみる。
えーっと…。
うわー!
いかにもガラの悪そうな連中だ。
…ヤバそう…。
そんなやつらにナキ達がお酌をしながら、なんとかやっているみたい…だ。
…しかしいったい何人いるんだ?
1、2、3…3人か、なんだか声が聞こえてくる…がうまく聞き取れない、しかたないもっと近づいてみるか…。
見つからないようかがみこみ、音をたてないように、
…抜き足、差し足、忍び足っと。
「ガハハ、ほらつげつげ」
すると声が、ダミ声が聞こえてきた。
…よし!
覚悟を決めて入り口から中を覗き込むとナキ、ミューネと事務の女の人が3人の相手をしているのがわかる。
「それにしても、こんな上等な女以外男がいないなんて、この村の男共はどこ行ったんだ?」
「そうだよな、俺ならほっとかないぜ!」
ガタイのいい大男がダミ声で話し出すと、髪をバンダナで巻いた同僚ぽい細身の筋肉質な男が相づちをうつ。
「…俺達に恐れをなして、村を捨てて逃げたんじゃないッスか」
「「グワッハッハー」」
そしてひょろっとした下っぱぽい男の話に一同が笑いだした。
いかにもヤバそうな連中だ。
どーしよ……まずは検索してみるか。




