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わたしは知ってるよ 『意地悪なアイツは、お兄ちゃんの友達』

作者: 物語のあるリボン/いろいと

物語のあるリボン作家『いろいと』です

私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります

手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています


関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております



小説は毎朝6時に投稿いたします

ぜひ、ご覧下さい♡



Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい

hhtps://www.instagram.com/iroit0

白いワンピースに、軽く羽織った薄い青のカーディガン

ここに麦わら帽子があれば完璧なのになぁと思いながら、くるっと回って笑顔で鏡に微笑みかけた



どこへ行くわけでもないのだが、強いて言うなら・・・

いつか行くかもしれないデートの為に!

いつか現れるかもしれない運命の人の為に!

という名目で、念入りにファッションショーを開催していた



『お前・・・受験勉強ちゃんとしろよ、大学入れんぞ』

笑顔を振りまきながら自分に浸っていると、閉めていたはずの部屋のドアが開いていた

『はっ!!お!!お兄ちゃん!!なんで、ドア勝手に開けてんの!?やーだー!!出てって』

『最初から開いてたわ、ばーか』

『あっ!妹ちゃん♡こんにちは♪今日も元気だね♪お邪魔してまー

す!』

『げっ!!』

兄の隣には、いつも私をいじめてくるアイツがいた

『何が妹ちゃんだぁ!!二人共どっかいけぇ!!』

『『はいはーい♪』』

私は勢いよく自分の部屋のドアを閉めた



よりにもよって、あの二人に見られるとは一生の不覚だ、と私は肩を落とした

大学4年の兄とは4つ違い

就活もだいぶ前に終わり暇なのか、最近は友達を連れて家に帰ってくる

しかも、意地悪なアイツ

会う度に、私の事を子供扱いしてくる嫌なヤツ



いつだったか宿題を教えてもらった時のこと

アイツが来るまで兄に宿題を教えてもらっていると、あろうことか兄は隣でグースカ寝てしまった

そこへケーキを持って現れたアイツは、兄の代わりに勉強を教えてくれる事になった

何て優しい人♡と思ったのが運の尽き、問題解けるまでケーキはお預けとか何とか言って隣で一人でバクバク食べ始めたのだ

食い意地が張っているわけではないと思いたいが、結局一口もくれなかったし意地悪としか言えない奴なのだ



ぶつくさ文句を言いながら私はファッションショーを閉幕して後片付けをしていた

キレイに片付いた部屋で次にすることは受験勉強だ

『はぁ・・・』

と重いため息をつき私は机に向った



コンコン

ドアをノックする音と同時にドアがゆっくり開かれた

『・・・ねぇ、返事してから入ってよ?』

『ごめんごめん、ほれ!ケーキ!持って来てくれたから食べようぜ♪』

『いや、だから私勉強してんだけど?』

『じゃあ、俺ここ座ってるね♪』

『おぉ♪』

そう言って兄はお菓子とお皿を取りにリビングへと向った

『勝手すぎる!ふんっ!!』

いつもこの二人にペースを乱ささる妹の気にもなれ!と言わんばかりに鼻息を荒立てた



突然、頭の上にふわっと優しく何かが被さった

『問題分かる?教えなくていい?』

『・・・こないだケーキしか食べなかったくせに』

『はは。ほんっと子どもだな』

そう言って乗せていた手で、子どもにあやすようポンポンと頭をなでた

『こないだはごめんね?ケーキ食べたいからって必死に問題する姿が可愛くて。つい!くくく』

『子ども扱いすんなボケ!!』

『口がわるーい!!今日は素敵なリボンも付けてファッションショーしてたし、ちょっと大人っぽいな?って思ったのに前言撤回っ!ほらほら、またケーキ食べらんないよ?』

言い返そうと思った瞬間、兄がお皿とジュースを持ってきたので私は出そうになった言葉を飲み込んだ



邪魔をするだけして、嵐が去り静かになった自分の部屋を見渡した

帰り際、兄に耳打ちされた言葉が残っている

(こないだケーキ食べたお詫びだって!勉強頑張れよ!可愛い妹ちゃん!ってさ♪ちゃんとお礼言っとけよ!!)

何か調子狂う

ハーフアップで結んだ『わたしは知ってるよ』を触りながら、ちょっといいやつなのかもしれないと思う私はケーキで買収されたようだった



最後まで読んで下さり、ありがとうございます


色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです


また明日、6時にお会いしましょう♪

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