約束は、星の河のほとりで
星のかすかな瞬きが
月明かりとともに
波間に反射して
十七夜の月を見上げる
静けさに包まれた砂浜
珊瑚樹の紅い実を
拾いながら
白い星砂の粒に
心を洗われて
海の水面にゆれる月は
潤んだ瞳のよう
ふと見上げた空の海に
浮かび上がるのは
うお座の双魚の星
それは星の約束
絆という紐で結ばれた
二匹の魚のように
たとえ困難が道を阻んでも
ずっと繋がっていると
互いに見失わないように
呼び合いながら
空に煌めいて
それは星の約束
たとえ目には見えなくても
そこにある絆を信じて
星の河のほとりで
言の葉を繋ぎ合わせて
心と心を結ぶ
橋を架けていくように
あの日紅く潤みながら
静かに瞳を閉じた月は
今は空でやさしく微笑んで
果てしない心の海も
月のように
満ちることもあれば
潮が引いて渇くことも
あるけれど
あたたかな波に
想いをのせて
言葉のしずくで
満たすことができたなら
果てしなく広がる
空の海へと続く
星の河のほとりで
繋がり続ける
双魚を見つめて
未来や夢へ向かって
泳ぎ続けていくとき
そこにあるたくさんの
星のような出会い
夜空を彩る星々が
互いに繋がり
いくつもの星座となるように
星の一つひとつが私たち
繋がりゆく絆
未来で繋がる絆
その輝きに、感謝しながら
秋の夜空には、いるか座やくじら座など、水に関する星座が多くあります。中でもうお座は、2匹の魚が紐で繋がった姿で描かれ、神話では、愛と美の女神ヴィーナスと恋の神キューピッドが、怪物から逃れるため魚に化けた際、離れないよう結んだものとされます。「紐」を表すアルレシャをはじめ、星は街中からは見えにくいですが、それが「見えない絆」の大切さを教えてくれている気がします。お読みいただき、ありがとうございます。