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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

夢の怪物

作者: オラカマラ

ふと思いだしたことがあった。そして、私は動き出した。私は、部屋の電気を消して、ドアに鍵をかけた。それから、ベッドに腰掛けて、布団の中にもぐり込んだ。少しして、廊下から足音が聞こえてきた。この部屋の前で、それは止まった。コンコンとノックの音がした。

「誰?」

「俺だよ」

聞き慣れた声だった。しかし、その声は、私が今まで聞いたことのないほど低いものだった。

「ねえ、開けてよ」

ドアの向こうで、彼は言った。私にはそれが誰なのかわかっていた。私は返事をしなかった。

「ねえ……お願いだから……開けてくれよ……なあ……」

その声はだんだん小さくなっていって、最後には何も言わなくなった。しばらくして、また足音が遠ざかっていった。私の心臓はバクバクしていた。私は布団の中で丸くなっていた。いつの間にか眠ってしまっていたようだった。目が覚めたときには、もう朝になっていた。体中が汗でびしょ濡れになっていた。時計を見ると、朝の九時を指していた。

「起きたのか?体調どうだ?」

彼が部屋にやってきた。いつものように優しい笑みを浮かべている。昨日の出来事は夢だったんじゃないかと思うくらい、何もなかったような顔をしている。

「うん、大丈夫みたい」「よかったな!今日一日ゆっくり休んでろよ!」

そう言って、彼は出ていってしまった。

あれは何だったんだろう?本当にあったことなんだろうか?そんなことを考えながら、しばらくぼーっと天井を見つめていた。それから、私はもう一度眠りについた。

結局、夕方まで寝てしまったようだ。そろそろ帰らなければ、と思って起き上がると、お腹の上に何か乗っていることに気づいた。彼の腕だった。すやすやと気持ち良さそうな顔で眠っている。その顔を見て、何だかほっとした。彼を起こさないようにそっと立ち上がって、帰り支度を始めた。そのとき、彼は目を覚ました。

「ん……あぁ、帰ってたか」

「ごめんね、起こしちゃったかな?」

「いや、いいんだよ。ちょっとうとうとしてただけだから」

彼はまだ眠そうにしている。

「あの、昨日のことは覚えてる?」

「昨日?何のこと?」

「ほら、私が熱出してたときの話」

「いや、別に大したことじゃないだろ。お前も気にするなよ」

やっぱりあれは現実じゃなかったのかもしれない。きっとそうだ。私が勝手に怖がっていただけなんだ。

「あの、今度デートしない?」

勇気を出して誘ってみた。すると、彼は笑って答えてくれた。

「ああ、もちろん。楽しみにしてるよ」

それから私たちは、他愛もない話をして過ごした。

数日後、私は彼と約束をした場所で待ち合わせをしていた。約束の時間より十五分前に着いたけれど、彼の姿はまだない。

それから三十分くらい経った頃、向こうの方から走ってくる人影が見えた。そして、彼は息を切らせながら私の目の前に現れた。

「悪い!待ったか?」

「全然。今来たところだよ」

彼は少しホッとした様子だった。

「よし、じゃあ行こうぜ」

私たちは歩き始めた。

「ねえ、どこに行くの?」

「あそこだよ」

彼が指差した先には小さな遊園地があった。最近できたばかりのところで、カップルに人気の場所らしい。

チケットを買って中に入ると、そこは別世界のような場所だった。カラフルな風船を持ったウサギたちが私たちを出迎えてくれる。

「わぁ……すごい……きれい……」

私は思わず感嘆の声を上げた。

「気に入ってくれたみたいで良かったよ」

彼は嬉しそうに言った。

「あの、私こういうところにきたことがなくて……すごく嬉しいよ!」

「俺も初めてだけど、なんかワクワクするな!」

それから、私たちはいろいろな乗り物に乗ったり、美味しいものを食べたりしながら楽しく過ごしていった。

日が落ちかけて、空が茜色に染まってきたころ、彼はベンチに座って、ぼんやりと遠くを見つめていた。

「どうしたの?疲れちゃった?」

私が聞くと、彼は首を横に振った。

「なあ、どうしてここに連れてきたかわかるか?」

「え?それは……わからないけど……」

「まあ、いいか。俺はな、ずっと前からお前と一緒にいろんなところに行きたいと思ってたんだ。それで、この前の旅行の時に思ったんだよ。こんなふうに毎日一緒にいたいなあって」

私は黙って彼の話を聞いている。

「だからさ、これからはもっと二人で出かけよう。いろいろ見て回ろう。俺は、お前と過ごす時間が好きなんだよ」

そこまで言うと、彼は照れくさくなったのか、私の顔を見ようとしなかった。でも、その横顔はとても幸せそうな笑顔だった。

「うん、そうだね。私も好きだよ。あなたのこと」

私がそう答えると、彼はこちらを向いて微笑んでくれた。夕陽が眩しくてよく見えなかったけれど、確かに笑っているように見えた。

「それじゃあ、今日はそろそろ帰るか」

そう言って、立ち上がった彼に、私は手を伸ばした。

「あの、その前に手、繋いでもいい?」

彼は少し驚いたような顔をした後、すぐに私の方に手を差し出してくれた。彼の温かい手に私の手が包まれる。彼はしっかりと握ってくれた。私もその温もりを感じながら握り返した。

「もう離さないでよね」

「当たり前だろ」

それから私たちはゆっくりと歩き出した。


今日は彼女と映画を見に来ていた。彼女はホラー映画が苦手だから、今日見る作品は事前にチェックしておいた。タイトルは『血の伯爵夫人』。残虐な方法で多くの女性を殺害した伯爵夫人の生涯を描いたものだ。上映中に悲鳴を上げる彼女の姿が目に浮かぶようだ。

劇場に着くと、すでにかなりの行列ができていた。チケットを確認してもらい、列に並ぶ。

それからしばらく経って、やっと俺たちの番になった。チケットを買うとき、彼女は恥ずかしそうにうつむいていた。

「ほら、これだろ?」

チケットを見せると、彼女は少しためらいながらも、小さくうなずいて受け取った。そして、そのまま何も言わずに中へと入っていった。

席につくと、彼女が不安そうな顔でこちらを見ていた。

「怖いのか?」

そう聞くと、彼女は慌てて首を振った。そして、また下を向いたまま動かなくなってしまった。そんな彼女を見て、思わず笑みがこぼれた。

「大丈夫だって。別に幽霊とか出てこないから」

「わかってるよ!そんなこと!」

「はいはい、悪かったよ」

そう言って頭を撫でると、頬を膨らませながらそっぽを向かれてしまった。そんな彼女を見ていると、不思議と恐怖心は消え去っていった。

映画の後はレストランで食事をすることにした。

そのレストランに向かう最中のことだった。遠くから、この世のものとは思えないほどの大きな地響きが聞こえてきたのだ。最初は地震だと思ったが、何かが違う気がした。そこでふと気づいた。これは、誰かの叫び声だと。俺は直感的に理解した。そして、急いで音のする方へ向かった。そこには、地面がめくれ上がって、まるで爆発したかのような光景が広がっていた。俺は呆然と立ち尽くしていた。一体何が起こったというのだろう。そして、誰がやったのだろうか。

「あ、あなた!大変よ!早く逃げないと!」

後から追いかけてきた彼女にそう言われて我に返った。そうだ、今はとにかくここから離れなければ。だが、この辺り一帯は瓦礫の山となっていて、とてもじゃないが通れる状況ではなかった。

結局、俺と彼女はその場から離れることができずに、その場にへたり込んでしまった。

それから数分後、今度は遠くの方からパトカーのサイレンが聞こえてきた。警察が来てくれたのかもしれない。俺が安堵していると、目の前の地面に赤いシミが広がっているのが見えた。それが人の血液であることに気づくまで時間はかからなかった。

「ねえ、あれって……」

そう言いかけた時、俺のすぐ隣で何かが動く気配を感じた。反射的に身を引こうとしたが、遅かった。気がつくと、俺の腕には無数の切り傷ができていて、そこから血が流れていた。

「う、うわあああああ」

その何かは、続けて俺に襲い掛かってきた。必死に抵抗したが、圧倒的な力の差の前に為す術もなく、俺はただ殺されるのを待つしかなかった。

俺は死んだ。殺された。

なぜだ?俺は、俺は、俺は……

しばらくして、夢を見た。俺は、彼女の部屋の前にいた。だが、彼女は部屋の中には入れてくれない。どうして?俺は君を愛しているのに。ずっと一緒にいたいと思っているのに。部屋の中からは一切声が聞こえてこない。俺は、諦めて部屋を離れていくしかなかった――。

「っっ!」

不意に目が覚めた。全身汗びっしょりだった。心臓も激しく鼓動していて、なかなか落ち着いてくれなかった。

俺は、自分が何をしに来たのかを思い出した。

そうだ、俺はこの悪夢のような世界を変えなければならない。そして、彼女と再び会うんだ。その決意と共に、俺は大きく息を吸い込んだ。


私は病院のベッドの上で目を覚ました。そこは、つい先日まで入院していた病室と同じ場所だった。私の隣では彼が心配そうな表情で私を見つめていた。

「お、おい、どうしたんだよ」

私は涙を流していた。彼には言えなかった。今見た夢のことを。

私には記憶がない。思い出せることは、以前の自分の名前くらいだ。

ある日、私は交通事故に遭ったらしい。その事故が原因で、私の意識は失われていった。そうして、私は植物状態になってしまった。

だが、奇跡が起きた。私の担当医がある実験をしているという話を聞いて興味を持った父さんが、私に特殊な装置を取り付けることになったのだ。それは、脳に直接刺激を与えて、患者の意識を呼び起こすというものだった。その効果は絶大で、装置をつけてからというもの、私の意識は徐々に回復していった。しかし、同時にある問題が発生していた。それは、夢を見ることだった。

私が見ていた夢というのは、私が以前見ていたものとは別のものだった。私は、過去の世界で生活をしているのだった。そこで、一人の青年と出会い、恋に落ちた。しかしその人は亡くなってしまい、さらに私が記憶喪失になっていたことを知ったのだ。

そこで私は理解した。今のこの世界に起こる異変を。これは、過去の世界とリンクしているということを。そして、この世界を終わらせようとしている者がいるということに。

「大丈夫だよ」

私は笑顔で言った。彼に対してだけは絶対に弱音を吐かないと決めていた。どんな辛いことでも、彼と一緒なら乗り越えられると信じているからだ。

「大丈夫だから」

そう言って、彼の手を握った。すると、彼は優しく握り返してくれた。それだけで幸せだと思った。

「ねえ、約束して」

「なんだよ、急に」

「これから何があっても、必ず私たちのところに帰ってくるって」

「そんなことかよ。当たり前だろ」

「ほんとに?」

「ああ、本当さ。俺を信じろよ。俺たちは何だってできる。俺たちは二人で一つなんだから」

「ありがとう」

それから数日経って、私たちはこのあいだ見た過去の世界についての情報がないか、文献を探すことにした。だが、それらしきものは何も見つからなかった。ただひとつわかったのは、その世界がこの現実世界と何らかの関わりを持っているのではないかということだった。

そして、あの地響きが聞こえた次の日のことだった。突然、街の中心に巨大な塔が現れたのだった。そしてすぐにニュースで、謎の現象が起こっているという報道が流れた。最初は皆、この現象を面白がっていたが、一週間ほど経つと、ほとんどの人がこの状況を危険視するようになった。というのも、塔の近くにいた人たちは全員命を落としてしまったのだった。しかも、塔から現れた怪物によって。

事態が深刻化していく中で、ついに政府は自衛隊を派遣してその怪物を倒すことにしたが、返り討ちに遭ってしまった。それをきっかけに、人々はパニックを起こし始めた。もはや、誰一人として政府を信用していなかった。

このままでは、いつ暴動が起こってもおかしくなかった。そこで政府が出した結論が、私と彼を処分するということだった。記憶を持っている私と彼こそが、悪の根源だ。そう、政府は思ったらしい。

「ねえ、本当に行くの?」

「ああ、行かなきゃならないんだ」

「嫌だよ……怖いよ……」

「俺も本当は行きたくないよ。でも仕方ないんだ」

私たちは、政府の施設に連れ出された。そこでは、たくさんの武器が用意されていた。

「これを使え」

私に渡されたのは小型の銃だった。使い方は教えてもらっていたが、不安でたまらなかった。

彼は大型の剣を手に取った。

「これで全部か?」

「いや、もう一つある」

「えっ」

そう言うと、もう一人の男性が小さな注射器のようなものを取り出した。中には赤い液体が入っていた。

「これは……?」

「いいか、よく聞け。これは、君たちの能力を飛躍的に向上させるものだ。ただし、副作用がある。それは――」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!能力?何の話だ?一体何をする気だ!?」

「君たちはこの国を救う英雄になるのだ。これはそのための薬だ。安心しろ。死にはしない。まあ、死んだ方がマシだと思えるような苦痛を味わうことになるかもしれないがね」

「待て。俺たちを処分するって話はどうなったんだ。この世界が、俺たちが死ぬことによって安全が保たれるなら…、俺たちの死だけで済むならって快くここまで来たのに!」

「あれは取り消しだよ。君たちには、これからその力を使って怪物を倒してもらう。それが、この国の未来のためだ」

「なんで俺なんだ。お前らが、政府が、やつを倒せないからって。なんで俺なんだ!」

私は黙っていた。私だってこんなことしたくない。だけど……

「私にはできないよ……。だって、あなたは私の大切な人だから」

「何言ってんだよ、俺は別に――」

「嘘つかないでよ。私がわからないと思ってるの?」

「……」

「お願い。あなたの手で私を殺して」

私は彼に銃口を向けた。

「なっ、おい何やってんだよ。冗談にしてはタチが悪いぞ」

「ごめんなさい。でもこうするしかないの。私は、あなたのことを愛しているから。あなたを愛しているからこそ、この世界を救える可能性があるのなら、私はその可能性に賭けたいの」

「意味がわかんねぇよ。お前まであいつらに騙されてるのか?」

「違うの。これは私の本心。私はもう限界だよ。毎日が怖くて、悲しくて、寂しい日々が続くなら、いっそ楽になりたいの。私と、一緒に死んで」

「やめろ!やめるんだ!」

彼の言葉を無視して、私は引き金を引いた。

銃声が鳴り響いた。そして、私は倒れた。

「……どうして」

「馬鹿野郎!!」

彼が叫んだ。私は驚いて、彼の方を見た。

「そんなことしたら、誰がこいつを止めるんだよ!!こいつは、まだ生きてるじゃねえかよ!!そんなことしたって何の意味もないんだよ!!」

彼は泣いていた。涙を流す彼を初めて見た。彼は、優しい人だった。彼は、私よりもずっと強かった。彼は、私が思っている以上に私を必要としてくれていた。

「ごめんなさい」

「謝るのは俺の方だ。辛い思いをさせて、本当にすまなかった」

「ううん、私の方がもっと辛いよ」

「そうじゃない。俺が辛いのは、俺のせいでお前に辛い思いばかりさせてしまっていることだ。俺は、自分が情けない。いつも、自分のことしか考えていない。俺は弱い人間だ」

「そんなことない。私も、自分に自信がないから、こうして迷っちゃうの。自分を信じて、二人で戦えばきっと大丈夫」

「そうだな。俺たちは二人で一つだ。だがな…」

彼はためらって、そして続けた。

「もうだめだ、俺は…死ぬ。ここで…」

「ど、どうしたの!?もしかして…さっきの銃、当たっちゃった!?」

彼は答えない。ただ、腹のあたりを抑えてるのが見えた。彼はさっき、私の銃を一気に払いのけた。その勢いで、自分に当たってしまったのだ。それに気づけなかった自分が憎くなる。

「待って!私たちは二人で一つって、今あなたはそういったじゃない!私の行動で…それであなたが死んじゃうなんて…つらいよ」

「…さっき渡された、注射器があっただろう。それを…使え。そして、あの怪物を…止めてくれ」

「…っ!」

私は、床に転がっている小さな注射器を拾い上げた。そして、腕に突き刺した。その瞬間だった。

体中に強い電撃のような、いや、体中を槍で突き刺されているような、とにかく言葉にできない苦痛が広がった。周りの音は全く聞こえない。自分のもがき苦しむ声だけが、脳に響き渡っている。

「私は…やるよ。あの怪物を…止める…!」

ふらふらした足取りながらも、私は彼に渡された大きな剣を手に取った。そして…怪物に切りかかった。

「これで最後よ!怪物!私はあなたを止めて…この地球を救うんだ!」

怪物の顔面に、力強く剣が当たった。怪物の顔面が、左右に裂けていくのが見えた。

だがその瞬間、私の体には、怪物の大きな爪が突き刺さっていた。痛みすら感じなかった。ただ、意識だけが遠のいていった。


ここは、どこだろうか。地中…?真っ暗闇だが…。

私は、大きな背伸びをした。地中に埋まってるような感じなのに、なんだか体が軽い。ここから脱出できないかどうか、土をかきわけながら上へ上へと上がっていく。

「もう少し…かな」

しばらくすると、明るい光が見えた気がした。私は、力強く土をはねのけた。外には、見覚えのある光景が広がっていた。いつも私が出かけている街で、買い物なんかも何度もしたことがある。

ただ一つだけ違うところがあった。

外には――悲鳴が響き渡っている。よく街で見かけるかわいい男の子も、私の方を向いて、泣きじゃくっている。

泣かないで―――

そう声に出そうと思ったが、自分でもよくわからない、大きなうめき声しか出なかった。肉に飢えた獣のような、そんな声だ。体を見下ろすと、それはあの時戦った怪物のように、ごつごつとしていた。

私はこの状況を整理しようと考えたとき、一つの結論に至った。

(あの、注射器は試作途中。そして、あれは…副作用として、怪物のように大きくなってしまうんだ)

ふと下を見下ろすと、一人の男が瓦礫の山を見つめながら、唖然としていた。それは、私が過去に夢で見た、彼氏として存在していた男に酷似していた。そして気づいたのだ。

(ここは夢で見た、過去の世界。つまりこの男を殺せば――この男がいなかったことにすれば、私だっていなかったことになるはずだ。この男がいたせいで、私は怪物になる運命となってしまった。このままでは、未来は変わらない。ただ一つの可能性に賭けるのであれば…。これが私の選択だ)

そして私はその男に、爪を振り立てた。未来が変わることを望んで、何度も何度も切り刻んだ。

しかし私の体は消えない。私は、私自身を消すために動き出した。

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