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不純文学

作者: とろける


小説にはジャンルがある。


SFやファンタジーにミステリー、ホラー、恋愛etc…。


様々なジャンルがあるがこれらを一緒くたにしていることには違和感を感じる。


例えば、SFやファンタジーは小説の世界観を表現しているのに対し、ミステリーや恋愛は作品の構造を表現している。


したがって、SFというジャンルを冠していた場合、

実態はSFミステリーの構造を持つことがあるし、

恋愛というジャンルを冠していた場合、

実態はファンタジーの世界観で恋愛を描いていることもある。


実際のところどういう使い分けがされているかといえば、

現実を舞台としていて、ミステリーの構造をもつ場合はミステリー、恋愛の構造を持つ場合は恋愛と表されるのだ。


つまり、小説のジャンルとは、まず世界観によって区別がなされたあとに、構造によって区別される、ということが行われており、本来はSFとミステリーは同列に扱われるべきではなく、階層化されているのだ。


こうなったとき、純文学とは何を表しているのだろうか。


純文学とは、世界観でも構造でも他の何にも分類できなくなった最後の選択肢として、「これは何とも形容し難い純なる文学」であると冠されるように思える。


ノンジャンルで戦おうという崇高とも言える精神は素晴らしく感じる。

一方で「純文学」を冠するにも関わらず、その実態はミステリーであったり、青春・恋愛である場合もあり、このとき純文学は崇高であると言えるだろうか。


尤も、小説のジャンルがきめ細かく細分化された今日、他の何にも分類できないという状況も発生しにくく、他のどのジャンルの要素も持ち合わせないということのほうが難しいように思う。


したがって、「これは純文学だ」「これは純文学でない」と細かく騒ぎ立てることも、純文学を神聖視することも間違っているのだ。


たいてい人が物書きをやってみようというとき、その動機は往々にして不純にして陳腐なものにすぎないのだから。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 純文学ってせいぜい、エンターテインメントの逆の認識なんですが、面倒くさい部分もありますが、このバロメーターのお陰でまだ、自由って気分があります。
[一言] 昔、文系の大学卒の後輩に、純文学とはなにか?と聞いたら、「現在が舞台の面白くない話が純文学で、面白い話が大衆文学」と教えて貰いましたね。 大衆文学は色々なジャンルが有るが、純文学は「終わりま…
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