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王子様はゴミ屋敷の引きこもり住人  作者: 加阪あおか
第一章:私掃除婦になる!
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運動の会③

前半戦終了の合図でルカルナは自分の館に戻ろうとしたようだったが、同じチームの人達にすぐに取り囲まれた。


「ルカルナ様~!食べながら作戦会議をしましょう」


ルカルナは戸惑いながらもどこかうれしそうだった。それをみていたフォザリアも同じチームのメンバーたちに強引に連れていかれた。

その様子を微笑ましげに眺めていた国王にサルデーニャ王女が話しかけてきた。


「お父様、よかったですわね。ルカルナのあのような顔久しぶりにみた気がしますわね」

「そうだな、あのような姿を見たのは久しぶりだな」


「これを気に良い方向に向かうと良いんだけれど」


「そうだな、屋敷の方もすっかりきれいになってきておるし、あのフォザリアという少女はたいしたものだな。孤児だと聞いておるが、ものおじせず、堂々と意見を述べておる姿はたいしたものだ」


「そうですね、私も教えられることが多いんですよ、彼女は我が国にとっての救世主かもしれませんね」

「そうだな、掃除婦にしておくのは惜しい人材だな」


国王とサルデーニャ王女がこのように思っているなど微塵も思っていないフォザリアは全身全霊で運動の会を楽しんでいた。


(普通の庶民にも広まればいいのにな・・・そしたら一年に一度の楽しみができるのに、この仕事が終わって次の仕事のめどがついたらロードに戻って、知り合いに声をかけてみようかな)


フォザリアは仲間たちとサンドイッチを食べながら、自分がここを去った後のことを想像しながら思うのだった。


後半戦も三チーム接戦だった。パン食い競走に綱引きなど大いに盛りあがりを見せた。そしていよいよ最終種目、チーム対抗リレーとなった。ここまでの総合得点はルカルナチームは185点、ロンダチームは176点、サルデーニャチームは180点と接戦となっていた。


この最終種目の得点は一位50点、二位20点三位10点となり、逆転優勝のチャンスはどのチームにもあることから大いに盛り上がりを見せていた。各チーム足の速い者を集めて挑むこととなり、最終的にアンカーはルカルナチームはルカルナ、ロンダチームはピオレ、サルデーニャチームはフォザリアが走ることになった。サルデーニャは一番走者で走ることになったのだ。


「いい事フォザリア、男どもに負けてはなりませんよ」

「はい!頑張ります」


フォザリアは笑顔で大きく頷くとアンカーのたすきを受け取った。

この頃になると、皆総立ちになりリレーの行方を見守った。


リレーが始まると、最初にリードしたのはサルデーニャ王女だった。その後、三チームは接戦をくり広げ、ほぼ同時に最終走者にバトンが渡った。ルカルナとピオレ、フォゼリアの三人は同時にスタートをきり走りだした。もつれにもつれ大接戦となり最終的にゴールの紐を切ったのはルカルナだった、二位はフォザリア、三位はピオレの順となった。


それと同時にルカルナのチームが一斉にルカルナめがけて走り出した。もみくちゃになりながらもルカルナの嬉しそうな笑顔をみたフォザリアはすがすがしい笑顔になった。


「負けちゃいました。すみません」


フォザリアは近づいてきたサルデーニャ王女に頭をさげて言った。するとサルデーニャ王女はルカルナの方を見ながら言った。


「よくやったわよあなたは、次は勝ちましょうね」

「はい!」


フォザリアも大きな声で返事を返した。

その後、大成功のまま運動の会は全ての競技が終了した。

結果優勝したのはルカルナチームだった。


その後この運動の会は国中に広まり、各地で行われるようになった。身分を問わず、純粋に体を動かし、競走するこの運動の会はその後毎年開催されるようになり、さらに各土地同士の交流会も開催され、一年に一度、各地区のえりすぐりの人材が選出されて王宮での大運動の会が開催されることとなるのだった。


その日の夜、ルカルナは屋敷の上にのぼる綱を握りながらフォザリアにいうのだった。


「フォザリア!お前、走るのが速いんだな。またやろうな」

「はい!おやすみなさいませルカルナ様」


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