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ある追憶の戦術使い  作者: 神崎蒼葉
アグノスワールド
97/109

 接続章。

 領域文明のうちレリアスの創設者でアレイオンは、ペンを片手にコクコクと古い記憶を見ていた。

 それは闇の中、二人の存在が合った。


「さて光を受け付けなければ姿形が存在していても見る事が叶わない。意識しなければお互いに存在しないだろうか?」


「分からない。でも二つ合っていい。やりたくなければやらなくていいことも、バカでいいことも好きなことも合っていい」


「ああ」


 少年の声が聞こえるが二人の姿は一切見えず、澄ますと神々は我々の模範となる態度を指し示すという。

 時に──強欲──時に──傲慢──時に──叛逆。

 これら神の御前で侵犯した場合逆鱗の烙印が刻まれる。

 そうアレイオンが伝えたのは遠い日の仲間で、つい先日、機密指名手配という形で神々が追跡してると会談で議題となった。

 今にして神々の弱体化は深刻で、高齢化の進む神々の戦力が著しく低下しており、現代における戦士の不足も相まっていたが、戦闘の教育は不要とみなしたのはこの会談から三兆年前。

 それから引き合いに出された機密指名手配とは、歴代の戦の末に国となる秩序に及ぶ。

 その活動領域が九次元であると過去の侵略や主要メンバーの戦闘指数を算出し、これを提示。

 直後各国代表者達は保有する機密指名手配の情報開示がなされたが、その情報網で解明された活動動機が不明。

 しかし過去の活動傾向を分析しまことしやかにある名が上がった。

 

 破壊神シヴァ。


 この名で連想されるは黒い冷気で素粒子を破壊し、無へ還す史上の大罪の一人。

 会談は直ちに殲滅条約たる同盟を結成した。

 また国王として出席したアレイオンはこれら記憶を統一するように蘇る。

 神の叛逆が最上の罪ならば、叔父らしい文言だが主権の座を奪う企みはその根底もろとも滅する気と、むずむずする。

 急にこのかゆみが背筋から這われるかの勢いで目を覚ました。


「ぶぇっくしょん!」


 レリアスの宮殿に轟いた。

 全身が黒い風にさらされたと感じながら、呆然と立つエルヴィが「風邪ですか…」と囁いた。


「いや、絶好調だ…はは!」


「では、噂ですか?」


 聞かれ、なんか世紀末みたいにゾクゾクする感じだったが「モテ期かもよ?」と見つめる。

 視線が吸い込まれるエルヴィは見慣れない印象を感じ、何かを隠したいのだと部屋の扉を開けていく。


「リオンが聞いたら墓場まで詰められますよ」


 まるで冷気を発して見えるエルヴィにどこ行くのとアレイオン。


「鍛錬、致します。差し詰め死ぬ気でいたもので」


 冷気を発して見えるのは凛界との戦争だったと、執務の机に目を向ければびっしりの資料に「メイミア誘ったら? 同じ方角同士」と汗を掻いていた。


「いえ。尊厳の遵守は体に染み込まれていますから」


「いいじゃん? 古い仕来りだよ」


「ええ、あなた様に叛くのはこれっきりと誓います」


「誓わないでいいしエルヴィが死んだら立ち直れないわ…」


「はい。しかし国王の責務をシオン様が受け持っておられる以上、私の役目は戦士として務めんなッ!」


 エルヴィが部屋に押し返されリオンとメイミアが来た。

 アレイオンは飛び込んでくる姿に鎖の音が響いてくる。

 短いスカートに人骨の模様が入ったパーカー、化粧がメイミアの故郷で地雷系と聞いたことがあるがそのもの。

 二人は前の服を両手で抑えだるそうに口にした。

 

「「ちぃーす」」


 異質な空気が流れる。

 アレイオンとエルヴィが真っ暗の目元で「「愚れた…」」と零すが、二人が影響された要因となるアルタイルの侵略について、機密指名手配達と遭遇したと報告を受けていった。

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