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ある追憶の戦術使い  作者: 神崎蒼葉
最終章
82/109

協定

 漆黒の剣に腐敗の念を感じる。

 レナは「闇堕ち」と続いた。

 水城愚冴みずしろぐさ

 それが本名だった事すら知らない前世の話。

 また女神の導き。

 ミグサの闘志と共に紡がれていったのは、不条理に遂げる生命への救済。

 伝説的な確率にし導きは、やり直しか、生命の幸運か、一説では転生者と呼ばれると。


死神位しちじげんの制約に対し女神の加護によって肉体が保たれていると、その芸当が生命の幸運って所かな…素晴らしい資質ですね」


「彼は、強い繋がりが欲しかったそうです」


 ヒビキ先生が歯を噛み締め、和らいで言った。

 生まれは違えどこの世界の理念で齎されたんだと、感謝してる様だった。


「凛界の教えは希望を失う事から始まります。私達がそうだった様に」


「ええ」


「自分の持って生まれた資質を役目として、若い方が柔軟である分、実現可能か不可能か、未来で成長の妨げになる異分子を払う役目が貴方ですね」


「その報いでしょう、私は神に選ばれなかった身です」


「希望が原動力に変わる命があります。全体で見れば少ないですが、私には輝いて見えます」


 俺は二人が見守っている真意を、この時は気づいていない。

 この瞬間をレナ、ヒビキ先生に言い残した。

 助けに来てくれてありがとう。

 戦線を見渡すと上空で白熱する王者同士の未知はあるものの、生命力の低下が著しい順に水の壁で包んでいき、ラムとの対峙に居合わせた。


「よ!」


 ミグサに声掛けした。


「…昔から視野が狭くて、すまない」


 悪に対し浅はかだったと罪の念を感じる。

 でもそれは世界において良い悪いとかなのか、哲学的なものなのか。


「いいよ? 唯の一度も根に持たず生きて来れたのは、そんなの些細な事だったって思える程良い影響を受けていたって事実しか、言えないけれど哲学的にこの答えは変?」


 即興で寄せた。

 途端に笑いながら。


「最高!」


 御満悦といった感じ、だろうか?

 よくよく考えるとミグサの笑いのツボを知らなくて、大爆笑かの身振りを見ているとつられそうになる。


「私も、戦う」


 隣に立つメイミア。

 少し沈黙した。

 それが自発的に警戒していたんだと気付いたら冷静でいられた。


「「おう」」


「…でも二人とも気を付けて。先生は我慢ができないの」


「メイミアちゃん?」


「先生の本領はもっと上だよ、私達が本気でも先生はぎりぎりを責めるの。どんな姿で謝ってもいけない子はお仕置きされ、同期の子なんてワンしか言えない身体で返ってくるのが恒例だった」


「俺、心底ヒビキ先生で良かった…」


「まだまだ序の口だよ。もっと凄い事された人も沢山いて…⁉︎」


 蒼白の二人に刃が翳される。

 間一髪躱わされていたが、俺は確かめる事にした。


「ホーロラル ラム」


 呼んでみる。

 意を決して動いたら身体中の細胞が光になったかの速度、三叉槍を躱わすラムに漆黒の刃が当たる。


「君達相性いいね」


 灰に覆われるラムから微笑みが合った。

 メイミアは瞬時に距離を取り直すミグサへ凄いって声があった。

 俺もそう言い掛けるが「まだ、出せるんだ…もし出し切れたら…追い付ける気がするんだ」と更に零していった。


「俺…強くなれた…かな…」


「ああ!」


 ミグサは下を向く。

 嬉しいと呟いて。


「…あたしなんてこの短期間に一杯振られたよ。どうしてくれるんだい、この気持ちを」


「先生…抑えて」


 居心地の悪そうなメイミアや視線を感じる。

 向くと無双してるリオンが、ギロっとこちらを視察していた。

 八つ裂きにしてやるみたいな、殺意に囚われていた背後からホワイトホールに貫かれ、肉体の破損が蘇生されていく俺は、鉄みたいな神経をぶち抜かれるかの、痛みで笑いが止まらない。


「ハッ、もうどうでもいいや」


 俺はエネルギーの奔流を上げる。

 ミグサへ魔力の様に不安だったが、持続性に心配はなさそうで、負傷によりバラバラになっても蘇生するが急所が不明と伝える。

 またラムの弱点を知りたいと、メイミアに援護といった形で頼んだ。

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