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ある追憶の戦術使い  作者: 神崎蒼葉
アグノスワールド
103/109

不条理

 フィリップ、ラスカリナは鼻から口に力が入る。


「へいき」


 二人に笑いシグラ。

 ゆらゆら縒れつつアルテミスの激昂元へ息付く。


「ここがいい」


 その中でアルテミスは尊厳に達し、記憶の操作は不条理とされる。

 もし九年の歳月。

 義務教育が無くなると人はどうなるだろう。

 言語や精神的な発達、頭脳は子供、それとも自然体か?

 多くの天才達は義務教育の放棄に関わらず、名を残す生き様があるという。

 片や美徳。

 数で見ればやらずに困るのが大多数を占める。

 不条理とはそれらを司るが、ある国では天才と呼ばれる人が排出し、ある国では秀才が排出されるという場合、違いはアウトプットと言われる。

 それら再現性を見つけ手中に治める人や肩書きは不要と見る人と。

 新たな仕組みを創造し。

 その先には。

 ロジックと結果の乖離が面白い。

 その様に好きな事なら夢中になれるというが好きとは、愛してるならば策略が生まれる。

 これらに言えるのは、如何なる戦略であれ、成し遂げた結末は秀才を生み出す。


「軽蔑する」


 アルテミスは光となって愚冴を叩き落としラプラスへ拮抗中。

 這い上がる愚冴はアルテミスの顎を打撃。


「喧嘩慣れとは実に悪ガキらしい…」


「おう…自慢じゃねえが殴り合いで負けた事なんざねえよ…」


 ぷつんとキレていた顔でシグラを抱いていた愚冴。


「そうね。身体能力で右に出る者はいない。ずば抜けて?」


「…?」


「七次元四人に勝ってたもの。私の指示よ」


「どういう事だ…」


「私の世界に来て欲しかった。愚冴よ。我が名はアルテミス。狩猟の尊厳は月の下の餌。神に膝を入れた行いは善の前で布告された」


 愚冴は転移の力を身に付ける。

 それは神に認められた証でアレイオンの生命系統。

 アルテミスは三兆年の時を重んじ。

 殲滅条約を果たすはずだった。


「示しが付かぬが最高神。ルシフェルの処罰をここで下せ」


 怒りに身が震える。

 アレイオンの逆鱗に触れた彼女が、酷いのは古いと諭したのはこの時。

 強い女性として領地を支配していた。

 雑兵が私に歯向かうなど、あってはならないと。

 酷い晒しを下した。


「天使達。善の粛清はどうした…びびってはいように、レリアスの天使を粛清上に祀ったであろう」


 雑兵はアレイオンの同胞で、逆鱗に触れたアルテミスは眠られた暗黙に介入する。

 彼女は警戒していた。


「堕天じゃ」


「はぁ?」


 ゼウスの処罰に呆れ返る声。

 今宵まで筋を通して来たアルテミスが、迅速にシヴァの末裔を取る配慮を重ねここにいる。

 迅速とは警戒。

 堕天とは天使の剥奪。

 筋を通すにはルシフェルの粛清が妥当。

 そこまでしてシヴァを警戒する理由は、アレイオンと互角とまで囁かれていたから。

 見ていた。

 末代まで。

 悪の根源の元、その子孫は跡継ぎとして侵略を目論見、またその子孫は反社の首魁。

 その子孫は総長。

 後継ぎとして生きてるのだと思う。

 が何か違う。

 生まれる環境は選べず、不遇を覆す理念を持っていた。

 いつしか身内から遠ざける様記憶を操り、私の創る世界に迎えたかった。


「この儂がいてアルテミス、アレス。情に囚われず役目を。転移の破棄、四次元の調和の元ここにおれ」


 ゼウスは自ら動かねば果たせぬ事を、転移を破棄し全知全能が活動可能な状態を仕上げるために想定していた。

 握るは雷霆。天候が曇る。

 雷霆はでかい質量で、魔力位よじげんごと大破する。

 それをアルテミスとアレスが留め、ゼウスに映るは苦い表情。

 血の海が蘇るわシグラの容体は深刻。

 抱えて戦うは無謀、最善の末シグラと散ってゆく未来が浮かぶ。

 ざけんな…。

 歯冠を噛み、抱える力が増す。

 頃には雷霆が振るわれた。

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