俺と! くろの! 記憶喪失で大転換っ!コーナー
俺と! くろの! 我思う故に底辺生活のコーナーがはじまるよー。
さあ、今宵も懲りずに始まった俺くろよろずコーナーですが今回のテーマは記憶です。
おい、お主よ。これはどこまで読んだ?
ああっ、この千文字小説ですか。え~っと、733話目までですね。
となると喪失編じゃな。
ええっ、そうですね。
これって塾講編辺りから、ちと雰囲気が変わってきたと思わんか?
そうですか?相変わらずの会話劇だと思いますけど。
いや、形態フォーマットではなく、話の流れとかじゃ。そこへ持って記憶喪失じゃもんなぁ。ほのぼの系からいきなりヒューマンドラマになってしまった。
ああっ、確かに話に繋がりがあるようになりましたね。前回や前々回の話と絡めて読むような内容が多くなりました。
うむっ、物語において記憶喪失とはこれ程便利なものだとは思わなかったぞよ。いいのぉ、我もやってみたいぞよ。お主、ぽっちに掛け合え。
くろ様、記憶を弄るのはみるくで懲りたんじゃないんですか?ちょっと不謹慎ですよ。大変なんですから、あれって。
いや、だから現実の話ではなく物語の中でのことじゃ。そもそも現実での記憶障害や多重人格は本人の無意識の演技である。でなくては言葉すら忘れていよう。
また、そんな素人判断を・・。根拠のない事を言ってはいけません。
いや、演技と言っても本人は関係しておらんぞよ。脳内の一部の回路が、本人の記憶と知識を使って新しい人格を再構成しているだけじゃ。当人自体は多分眠っているのであろうな。
くろ様、それって絶対ぽっち先生に言っちゃ駄目ですからね。絶対ネタとして使いますから。医学知識もなくそんな精神世界の神秘性だけで書いた物語なんて絶対つまらないですから書くだけ無駄です。くろ様の新作を書いて貰う時間がなくなりますよ。
あーっ、それは嫌じゃな。しかし、話を戻すがこの小説、喪失編になった途端、読み易くなったな。10話くらいは一気に読めるようになったぞよ。
それはですねぇ、やっぱり物語ってストーリー性が大事なんだなって事ですよ。繋がりがあるから飽きないんでしょうね。
ぬぬぬっ、それでは我らのエッセイはまとめ読みが出来ぬと言っておるようではないか。
出来ないでしょうねぇ。まっ、だから細切れの連載なんですよ。1日1回なら飽きることもないでしょうしね。
しかし、記憶と言うものは結構あやふやなものなのだのぉ。脳に異常がおこっただけで人格まで変わるのか。
あれは物語ですからね、現実ではあんな風にはならないでしょう。悪い意味で。くろ様、考えてみてください。自分の名前も忘れているんですよ?周りにいた人たちの事もです。なら逆に何を覚えているんだとなりますよね。目に入るもの全てが知らないことだらけのはずなんです。言葉だって失っていてもおかしくありません。
あーっ、それはさっき我が言った気が・・。
あれ、そうでしたっけ?記憶が喪失していますね。判りません。
うわっ、そこで絡めるのか。嫌なやつじゃのぉ。
くろ様が下手に突っ込むからですよ。さて、そこまで重度の記憶喪失ではヒューマンドラマと言うより医療闘病記になってしまいます。病気でヒロインが死ぬのは定番ですが、モノを知らぬ馬鹿になるのでは読者が付いて来ません。よっておいしいところだけ記憶が欠落しているという設定が必要となるのです。
ほほうっ、記憶のロビンソンクルーソーになるのだな?
それって例えとして苦しくないですか?それだと社会からの隔絶であって、喪失ではないような気がするんですけど?
ああっ、何かラベンダーの香りがするのじゃ・・。
そうきましたか・・、でもあれは時間跳躍モノだった気が・・。
サチコさん、お昼はまだかのぉ。
まぁ、おじいちゃん。さっき食べたばかりでしょう。・・って、ボケ老人は記憶喪失とは違いますっ!
後、記憶喪失モノって何かあったか?
ん~っ、そう言われるとちょっと思いつきませんね。広い意味では『君の名は』もそうかも知れませんし、メリルだって前世の記憶を封印されていましたしね。
あらら、ここでメルメルの話が出るとは思わなかったわい。お主にメルメルを語らせると終わらないからそれは封印じゃっ!
えーっ、酷いですよくろ様。幾らでも喋れるのに。
だからじゃっ!他の事にせいっ!
えーっと、SFでは記憶や時間の意味合いなんかをテーマにしていたのは神林先生ですね。
おおっ、懐かしいのぉ。古き良き時代のハヤカワじゃな。しかし、記憶喪失自体をメインテーマにした作品はそれほど多くはないのではないか?あくまで物語の中のポイントとして使っているだけで、記憶を失う事自体はテンプレの導入でしかないように感じるのじゃが。
メインテーマ・・。薬師丸ひろ子さんですね。歌の作詞、作曲はユーミンでしたっけ?あれ、旦那の方だったかな?
いや、そっちに関心が行くのはまずくないか?話がまた脱線するぞよ。
あーっ、失礼しました。そうですね、記憶喪失モノと言っても大抵は頭をぶつけて記憶を無くすのが定番ですしね。その後の記憶を取り戻すまでの流れが主題で、何故記憶を無くすのかと言う事を追求したものはないかもしれません。
昨今は脳のメカニズムも解明されてきているからのぉ。下手に科学的な考察をすると後で恥を掻くかも知れん。
まっ、科学考証が後に破綻するのはSFの常識ですから気にしてはいけません。アシモフ先生もインタビューで言われていましたよ。「陽電子計算機の原理?さっぱり判らんよ。」ってね。
そうじゃのぉ、あれ程の大家でさえ辻褄を合わせる事が出来ないのだから未来は本当に混沌としておる。
だからこそ、過去の記憶が大切なのですよ。起こった事は変えられませんからね。
おおっ、今回はなんかきれいに決まったのぉ。
-お後がよろしいようで。-




