俺と! くろの! 言葉狩りコーナー
俺と! くろの! 我思う故に底辺生活のコーナーがはじまるよー。
さあ、今宵も懲りずに始まった俺くろよろずコーナーですが今回のテーマはNGワードです。
のう、お主は人様に紹介したい本はあるか?
唐突ですね、まぁ、自分が感銘を受けた本は人にも薦めたいですけれども、相手が自分と同じ感覚とは限りませんからね。あんまり尖ったやつは薦めないと思います。
そうじゃよなぁ、娯楽小説ならまだしも生き方や思想、ものの見方なんぞを書いているやつは薦めにくいよのぉ。
そうですね、別に勧めた相手が興味を示さなくても気にしないというなら別ですけど、大抵はへこむはずです。それどころか、相手の気に触ったりしたらやぶ蛇です。喧嘩になりかねません。
この投稿サイトのテンプレ作品を勧めただけで鼻で笑う輩もおるであろうからのぉ。全くもって個人の嗜好と言うやつは千差万別、厄介なものじゃ。
今回はどうしたんです?何か勧めたい本でもあるんですか?
いや、我ではないんだが、ある作者の方がエッセイで書いておっての。ただその本って書かれた時代が昔じゃから、今の時代ではNGワードになっている表現がてんこ盛りらしくてな。ほれっ、今って文章の前後も読まずに気に入らないワードが入っていただけで叫弾する風潮があるじゃろう?
あーっ、ありますねぇ。
昔、白人社会では黒人という人種は同じ人類とは見なされていなかった、なんて風潮があったそうじゃ。それ故に物語の中でも獣と同等の扱いをしておる作品も多いらしい。
あーっ、あるでしょうねぇ。人種差別は為政者が国民を誘導して行なわれたというのが通説ですが、火の無いところに煙は立たずで、もともと一般の人たちの中にそういった感情があればこそ簡単にベクトルが同じ方向に向かったんだと思いますよ。
むうっ、今の人々はその経験を元に差別を悪として認識しておる。しかし、その考えが一人歩きして元となった事象を理解せぬまま、言葉だけを拒否する事がままあるであろう?
言葉狩りですね。相手を貶める態度ではなく、言葉のみを忌諱する。言葉さえ潰せばその言葉を使う動機となった感情も封印できると錯覚しているんですね。
それどころか、その理論を使って相手を攻撃する者まで出る始末じゃ。そこには『言葉』に責任を持つという態度が感じられん。臭いものには蓋をして表面だけの薄っぺらい交流を是とする流れが感じられる。なんか、これって怖くないか?
話し合いは気持ちが高ぶれば言葉も激しくなります。罵り合いにも発展するでしょう。ですが、時間が頭を冷やさせ、気持ちが落ち着けばまた席に着くはずなんです。話し合いとはそうでなくてはいけません。ですが、今の記録社会では一旦言ってしまった言葉は残りますからね。言いたい事を言い合ってすっきりしたから次に進もうとしても、廻りが蒸し返します。これでは話が進まなくて当然でしょう。話し合いの当人たちだって嫌になりますよ。
全くじゃな。どんなにきれい事を並べても不利益を被る者はおるものじゃ。自分の皿の料理が減るのは誰しも嫌じゃろう。一時減ったとしても何れ倍になって帰ってくると説明されても、人は目の前の皿しか見ることが出来ん。明日の2皿より今の1皿なのじゃ。
人を信じるという行為は尊いのでしょうけど、それ故に難しい。なんせ人の本質は自分ファーストですからね。ましてや過去に裏切られた相手は到底信用できません。
やっぱりあれじゃな。全ては時間に身を任せ、忘れられるのを待つしかないのじゃな。
そうかも知れませんが、それって人間の尺度では大変なんですよ。100年くらいじゃ忘れられません。
100年掛かっても先に進めぬとは、なんともしょうもない感情である。まっ、人間なんぞはそれが普通なのかもな。文明を生み出してからおよそ5000年、進化の歳月に照らしてみればほんの一瞬じゃ。お主らは未だ発展途上なのであろう。よかったな、まだまだ伸び代があると言う事じゃぞ。
嫌味がキツイですね、くろ様。
-お後がよろしいようで。-
因みに本編に投稿するはずだった『雑文短編集「中学生でも読める物語~クラス全員で異世界転移~」』は諸般の事情により中止となりました。うん、勢いで書いちゃ駄目だよね。全然オチがつかないんだもの。




