表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と! くろの! 我思う故に底辺生活  作者: ぽっち先生/監修俺
117/190

俺と! くろの! 物語の価値コーナー

俺と! くろの! 我思う故に底辺生活のコーナーがはじまるよー。

さあ、今宵も懲りずに始まった俺くろよろずコーナーですが今回のテーマは価値です。


小説家は読まれる物語を書いてなんぼである。読まれない物語は一銭の価値もないっ!


どうしたんです?くろ様。今回はいきなりきつい言葉で始まりましたね。


いや、物語を金に換えるのって結構割りにあわんなと思ってのぉ。ほれ、絵画や彫刻などは場合によっては単価が跳ね上がる場合があるが、物語って単価は変わらんじゃろう?どんなに売れても1冊の値段は同じじゃ。量が売れるから大金が転がり込むことはあるが、それとて大量生産が出来るからじゃ。絵画のように原本の値段が上がる事はない。


ああっ、そうですね。文豪の手書き原稿なんかは、好事家がそこそこの値段を付けたりしますが絵画の値段に比べたら大した額ではありません。


古本などもたまにビックリするような値段で取引されることがあるが、あれは希少性から付けられた値段で本のオリジナル性が評価された訳ではない。


ザザビーなんかのオークションですね。確かにあれは本自体の評価とは言えないかも知れません。数が出回っていると、誰も見向きもしませんからね。


やはりあれかのぉ、文字は複製が容易で且つ写した物と原本に差がないのが原因かのぉ。


それは言えるかも知れません。デジタルデータなんか完全に複製出来ますからね。完璧過ぎてどちらが本物かなんて判別できないでしょうから。


そうじゃな、絵でもデジタルデータとして扱われる物は同じ運命を辿っておる。しかも家庭用印刷機の性能が凄過ぎるから、紙に印刷したモノも売れないはずじゃ。


まっ、そこいら辺はデジタル技術の恩恵であり弊害でもありますね。


この前、漫画家たちがネット上に出回る海賊版の取締りを訴えておったが、確かに産み出すのに技術が必要となる漫画ですら食べていけなくなっておるのかも知れん。


完全なオリジナルでなくても構わないと思う人たちがいるからですね。でも元々絵画や物語って単価の高いものでしたから庶民には手が出ないものだったらしいじゃないですか。それが大量生産によってこの値段なったからこそ、みんなが手に取って楽しめるようになったはずです。それですら競争があったからで、それがなかったら一部の人たちだけが利益を独占し結局価格は高止まりです。そうなると作品の数は少数に留まってしまうはず。価格操作は供給側の出し惜しみが一番効きますからね。


そうじゃのぉ、しかし過度な競争は結局、自滅の道を突き進むようにしか思えん。自由競争の行き着く先に勝者はおるのじゃろうか?


短期的にはいませんが、長い目で見れば残りますよ。それが芸術であり文明です。


文学は芸術なのか?


今は娯楽の面が多いですが、人間の心象を書き現すのに一番適しているのは『言葉』ですよ。但し、それはあくまで人々がその言葉の持つ意味を理解できる文明度を持ち合わせていることが前提ですけど。


成程、猿にシェークスピアは理解できんからな。


はい、読まれないのではなく、読めない物語は如何に内容が優れていてもただの文字でしかありません。もしもこの瞬間、世界中の物語が「こりごり」以外に消滅したとすれば、世界で読める物語は「こりごり」のみとなります。そしたら「こりごり」は大ベストセラーですよ。


甘いな、ここぞとばかりに素人作家が作品を書き始めるから忽ち数に埋没して忘れられるわっ!


そうなったらまた続きを書けばいいじゃないですか。読者は常に新しい物語を求めているのです。完結してしまった迷作より、まだ読んだことのない駄作を読者は求めるものですよ。


それもなんじゃかなぁ~。


-お後がよろしいようで。-

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ