閑話:次女の話
私は昔、ひきこもっていた。
何故なら、いじめを受けていたからである。
当時私は親が家に帰ってこず、姉は遊び呆けていて誰にも頼る事が出来なかった。
弟はまだ小学生で妹達はその下だったので必死に耐えていたの。
私がひきこもって1ヶ月弟だけ気にかけてくれていた。
正直、私は弟が男に見えなかった。
顔は女性的で声も高く家事を全てこなしていたから…
そんなある日私は久々に外に出ることにした。
昔、両親や姉と弟と遊んだ公園に来ていた。
その時、ちょうど小学校の下校時間だったのか弟が急いで家に帰っていた。
何故そんなに急いでいるのか気になった私は後を着いていく事にした。
弟が家から出てきたと思ったらまずはスーパーで卵や日用品を買って商店街でお肉や野菜を買っていた。
まだ11歳の子どもが大量の荷物を持って歩いているのだ、周りの視線が凄かった。
弟は気にすることなくそそくさと家へ帰って行った。
私は又公園に来ていた。
特に何もすることがなくあのまま帰っても暇だったし気分転換をしたかったからである。
弟は家の事を全てしているし、もしかしたら自分の悩みなどを言えば解決してくれるのでは?と思って考えていたのだ。
そんな事を考えていると
『あれー?大和さんじゃね?』
ふいに声をかけられて私は誰かな?と思い顔を上げると私を虐めていた女子3人が現れた。
『学校サボって何こんなところでいるんですか?』やら『あんたみたいな地味子ちゃんがこんなところでに居るからこの公園誰も居ないんだね』など言いながらこっちに近付いてきた。
私は怖くて声が出せなくなっていると
「何してるんですか?」
聞き慣れた声が聞こえてきた。
私はその声の方に顔を向けると、弟が居た。
何で?何でこんなところに?そう思っていると
『またお姉ちゃん達は俺のお姉ちゃんにちょっかいだそうとしてるの?この前あんだけやられて俺の身内にちょっかいだそうとするなんてある意味勇者。もしくは馬鹿だね。』
弟がいきなり虐めていた女子達に
う言うと
『いやーそんなつもりはないです。』
『そうそうたまたま通りかかっただけなんです』
そんな事を言いあきらかに怯えている。
弟はこの子達に何をしたんだろう?そんな事を思っていると
『そう言うことなら今日は見逃すけど、もしお姉ちゃんや俺の周りの人になんかしたらわかってるよね?』
私はこんな弟を見たことなかったのでビックリしていたら
『はい!わかりました!!失礼します!!!』
そう虐めっ子達は言い直ぐに立ち去った。
私は安心して気が抜けたのかよろけてしまった。
その時、弟がサッと抱き寄せベンチまで運んでくれた。
普段の弟とは違う姿を見て私は思わずかっこいいと思ってしまい、弟に甘えていた。
そして少し落ち着いた時に
「そろそろ一緒に帰ろ?
そう言いながら手を出してきた。
「久々に手を繋いで歩こう」
と恥ずかしながら言うので私はきゅんきゅんしてしまった。
帰り道私は虐めっ子達の事を聞いた。
弟は友達が虐めにあっていて、虐めていたグループの中にあの3人も居たと話していた。
歳上に喧嘩を売った事について私は怒った。
もしそれで怪我をしたらどうするの?と言うと
『ごめんなさい』
とすぐ謝ってきた。
さっきまであんなにカッコ良かったのに今では、ものすごく可愛い。
私は頭を撫でて弟に何故駄目なのか理由を説明して一緒に帰宅した。
私は勇気を出して登校する日になった。
もちろん弟は一緒に学校へ着いてきてくれた。
弟に着いてこられる恥ずかしさもあったが、何より怖かったので弟が一緒に登校してくれて私は安心していた。
教室に入ると虐めっ子達が
『今まで虐めてごめん』
『もぉしないから許して』
『本当にごめんなさい』
といきなり頭を下げられた。
その3人は学校でもヤンチャな方で頭を下げて謝るなんて誰も思わず皆ビックリしていた。
「じゃあ、許すから私と友達になって」
と私が言うと3人とも何故か泣いて謝ってきた。
ともかく、私には新しい友達と新な学校生活が始まったのである。
ある日、弟がリビングで倒れていた。
私は慌てて地価より抱き寄せたら凄い熱を出していた。
とりあえずソファーまで運ぼうとしたら
『あっ!お姉ちゃんおはよう』
と弟が挨拶してきた。
私は「何でこんな所で倒れていたの?」
と言ってみたら
『少し眠たくて寝ちゃっただけだよ。心配かけてごめんなさい』
と謝ってきたのである。
『今からお味噌汁温め直すから座って待ってて
と言い放ちふらふらしながらキッチンへ向かおうとするので
「たぁくんは熱出して辛いのにそんなことさせません。ソファーでゆっくりしてなさい。
と弟を説得しようとすると
『これくらい大丈夫だよ。俺はまだ子どもだし、子どもは風の子元気な子ってね』
笑顔をこちらに向けて冗談を言ってくる。
私は思わず怒ってしまった。
何故そんな体でも無理をしようとするのかわからなかったからである。
弟と言い争っているといつの間にか妹達がリビングへ来ていた。
妹達も弟を心配してソファーへ向かわそうと必死に引っ張っていたのに、3人がかりで引っ張ってもピクリともしない。
そんな事をしていたらとうとうお姉ちゃんが起きてきた。
私はお姉ちゃんが苦手だ。
昔から苦手というわけではない。
高校に入って遊び呆け始めた時から苦手になっている。
そんなお姉ちゃんが弟と私達を見て、そそくさとお味噌汁を温めていた。
『3人で引っ張るより誰か一人が温めたら弟も諦めるだろ』
姉はその後弟と色々と話して、病院へ連れていったという。
ある日、私は弟に何でそんなに家事をしているのか聞くと
『お父さんとお母さんは中々帰って来ないから寂しい思いをさせたくないし、俺はこの家で唯一の男だ。家事って買い出しとかも力仕事が多いからね。家族の為に俺に出来ることは何でもやりたいのさ』
と言う。
私は姉であり後、半年もしない内に高校生になる。
なのにここまで家族の事を考えた事がなかったので弟に対して恥ずかしく思ってしまう。
弟はまだ小学生なのにこんなに家族の事を思ってまるで、自分より歳上なのでは?と考えてしまう。すると
『俺は家族が大好きなのだ』
そう微笑みながら言ってくるので私はつい抱き締めてしまった。
今日の弟は何故か朝食を造りながら鼻歌を歌っている。
何かあるのか?と聞くと
『今日は5年ぶりに家族が揃うんだよ』
と言い私は
「ほんと、たぁくんは家族が大好きなのね」
と言うと
『もちろんだよ』
と微笑みながら言い返してくれた。
私は思わず抱き付いた。
この後、弟がどうなるとも知らずに…
もし知っていたらこんな後悔をせずにすんだのに…………
長女・次女と来たら次は…