表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/15

9. ナイスガイ

剣道経験は、全くないため

間違ったことを書いてしまっている場合は、教えてくださると嬉しいです。

「ただいま」


百合は、鍵を鍵穴に差し込み回してドアを開けた。


懐かしい...


ここを出て、そんなに経っていないのに、家にあるものすべてが懐かしく思える。


ふと机の上を見ると、置き手紙らしきメモが置いてあった。


『お父ちゃんは海にでてます。お母ちゃんも船あげるの手伝うので一緒に行きます。ちょっとしたら帰ります。』


家の中には誰もいないようだ。


百合は一人っ子のため、こうして両親が家にいないときは、小さい頃からやっている剣道の練習をしていた。

百合のお気に入りの竹刀は、「ナイスガイ」と名付けられ、現在は二代目を使用している。


ちょっと、練習しよっかな


手作りの竹刀袋からナイスガイを取り出し、さっとふる。


うん、いい調子


剣道は、相手の動きを感じ取り、どうでるかが鍵となる。

百合は剣道部で、目立って上手いわけではなかったが、島で養われた視力と聴力には自信があった。


誰もいない家に、今では珍しい風鈴の音と、竹刀をふる音が聞こえる。


しゅっしゅっしゅっ チリン ....がたっ


ん?


家に誰もいないにしては不自然な音だ。何かが落ちた音ではなく、何かが動いた音。


誰かいる...?


夏だというのに、冷たい汗が流れる。


ナイスガイを握りしめて、音が立たないように廊下を移動する。


泥棒...じゃないよね?


田舎というのは平和なもので、島のほとんどの人は、出かけても家に鍵などかけない。しかし不思議と、盗難事件などは一回も起こったことがないと聞く。


西島一家は用心のため、鍵かけを徹底しているのだが、ほとんどの無意味に等しかった。


しかし、だとしたらなおさらおかしな話である。泥棒は、どうやって家に入ったのだろうか。


一つ一つ部屋を見て回り、残すは物置として使われている部屋のみとなった。

中は、使わない服のつまった段ボールが敷き詰められている。


まさかここには、いないよね


とは思いつつ、ドアをゆっくりと開ける。しかし、百合の予想は盛大に外れた。中には、たくさんの段ボールではなく、一人の男が後ろを向いて座っていた。


その距離、1メートル。


「きゃあああああああああ!!!!」


叫ばずにはいられなかった。


「うわあああああああああ!!!!」


男も振り向き、百合の声に反応する。


誰だこいつっ


「がこんっ!」


ナイスガイが下に平行移動し、痛々しい音が響いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ