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4. さながらハムスター

そうして、今に至る。


意識を取り戻したものの、少年はフラフラ立ち上がろうとするが、足がもつれて盛大にすっ転ぶ。


「え...っと、大丈夫...?」


傍から見れば、滑稽に見えるその行動を繰り返す少年に、百合は恐る恐る声をかけた。


「体は大丈夫です。でも、お腹が...何か食べるものをもらえると助かります。」


思いの外、少年の声は安定していた。しかし、表情を見れば無理していることが読みとれる。


とりあえず、百合は持っていた弁当を渡した。近くのコンビニに走ろうかとも思ったが、こんなに危なっかしい人を放っては置けないし、なにしろ少年の顔色が優れない。


「どうぞ」


少年は丁寧にそれを受け取り、これまた丁寧に手を合わせる。


「いただきます!」


そこからは光のスピードである。

ご飯を口に押し込み、まだ暖かい味噌汁を流し込む。少々行儀悪いが、野菜は箸でぶっ刺し一つにまとめてから一気に口に入れ、噛む 噛む。飲み込む。


なかなかの食べっぷりである。


詰め込んた食べ物で膨らんだ口により、少年の顔はハムスターにどんどん近づくいていく。


しかし不思議なものである。ゴミ袋の山がクッションになったとしても、落下時はかなりスピードがついていたし、死にはしないものの怪我くらいはしてもいいはずなのだ。


普通、高いところから落ちて、こんなに元気でいられるものなの...? と

当然といえば当然だが、疑問を持ちつつ百合は少年の食事を見守った。

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