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2. 日曜日の憂鬱 前編
3日に一回のペース更新になりました。宜しくお願い致します。
時間をさかのぼること、数分前。
ゴミ袋片手にお気に入りの竹刀を背負って、まだ霧がかっている道を百合は歩いていた。
雨上がりのためか、空気がいつもより澄んでいて、コンクリートは水を多く含んでる。
学生というものはつくづく面倒なものである。
高校生にもなると、やはり勉強時間をそれなりに確保しなくてはならないし、厳しい部活に入ったものならそれこそ、ストレスで体にどんどんと疲れがたまってしまう。
とは言いつつ、百合の所属している剣道部は別段厳しいわけではなかった。しかし、土曜日は部活動があり、かろうじてテスト週間には入ってないものの、着々と近づいてくる定期テストからは逃げられない。
そんな中で部活がない日曜日は、百合にとって大切な休日なのだ。
しかし、そんな休日も何かイベントがあるたび、部活という名目で椅子並べやら舞台設置やらを言い渡され、盛大に潰れてしまうことがある。
それがまさに今日なのだ。
「......ふ〜」
小さくため息をついき、百合はゴミ捨て場がある坂道を一気に駆け下りた。