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外伝① 疾風のソル

外伝だけど本編はありません(H28.1.18現在)


 夕刻、ソルは館の一室でソファーの上で佇みながら、昼間の出来事について考えていた。


 城の大広場、広さは東京ドーム2個分ぐらいだろうか、その中央に今か今かと血を見ることを楽しみに待っている様にギロチン台がそびえ立っている。

 そして街の人たちも、これが唯一つの娯楽だと言わんばかりに、その周りに集まりショーの開始を待っている。

 わっと歓声があがるとショーの主役であるギュネッシが、後手に拘束されながら処刑人に連れられ、引きずられるようにギロチン台向かって歩いていく。

 ソルはそれを複雑な思いで眺めていた。

 ギュネッシは館の主人の友人であり、ソルも何度か合ったことがある。優しい目をした穏やかな男でとても悪事を企むようには思えない。そんな男がなぜ国家反逆罪などで処刑されなければならないのだろう?

一つだけ気になることがある事がある。

 三日前の夜、ソルは寝付けなかったので館の付近を散歩していた。話声が聞こえたので近づいてみると、ギュネッシが男二人と話と何事か話こんでいるのが聞こえた。何を話しているのかまでは分からなかったが、この穏やかな男にしては珍しく声を荒げ、また何かに怯えている様だった。

(いったい何を話していたのだろう?)

 今更考えても仕方のないこと……ソルが広場に目を戻すとショーがいよいよメインイベントが始まり、群衆の熱気は最高潮を迎えた。そして、今か今かという時に、確かにギュネッシはソルの姿を見つけ、何かを訴えるように見つめたのだ。はっとした瞬間に、ギュネッシはソルの見つめたまま処刑が執行され、長くもない人生に別れを告げた。

(あれは何を訴えていたのだろうか?)

 あの夜、ギュネッシは自分がいた事に気づいていたのだろうか?ただもどかしいのだ。もしギュネッシが何をしていたが知っていたとしても、ソルは話をすることが出来ない。そして、文字を知らない為それを伝える術がないのだ。

(むぅぅぅ・・・・)

そんな事を考えていると、館では夕食の準備が出来上がる。

「ご飯だぞ」

館の主人が声をかけ、エサの入った皿を床に置く。

「ワン!」

一度吠えて、尻尾を振りながらソルは今宵の食事にありつくのであった。



(完)

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