鹿を逐(お)うものは山を見ず、気が付けば田舎者
【ミネルーの街】
ボロボロの状態でたどり着いた。
体中には葉っぱやら、誇りまみれ。
肩には八匹のウルフと虎。
目はどんより。頬はヤセ。
そりゃそうだ。飲まず食わず、約一日あるきまわれば…
よくやるゲームとかで始めの街にたどり着くときも、こんな感じなのだろうか。
まぁいい。とりあえずゲームなどの定番。情報収集だ! まさか…同じセリフを繰り返す村人とかいないよな?と 不安になる。
近くにおじいさんがいたので、声をかけてみる。
「あの〜、冒険者協会はどこにありますか?」
「協会………古い呼び方をなさるんですね。ずいぶんとまえに協会はギルドに変更されてますじゃ。」
古い…ずいぶんと前に?フィーネを見ると、目をそらされた。
「どちらのほうにありますか?」
「あそこですよ。兜のマークの看板のところですじゃ。」
「ありがとうございます」
お礼を言うと、そそくさと歩き出した。
〜じゃ、という じーさん初めて見た。まぁいいや。 冒険者ギルドにはいっていく。
中にはいると。正面にはカウンターが3つ。左手側にはテーブルや椅子などが置かれ、冒険者?がくつろいでいる。なぜだか、みんなこっちを凝視している。気にしちゃだめだ。一つのカウンターには、一人の冒険者?がつかっている。残り2つか。片方は若い女性がもう片方は、若干年配の女性が。
若いほうがいい。だが、長年の…とかを期待するなら年配のほうが。
年配の方にするか。
カウンター前に立つやいなや
「いらっしゃい。どんなご用件で?」
先制された。精神的ダメージ受けたような気がした。
「冒険者になりたいんですが?」
「冒険者登録ですね。こちらに記入を」
と差し出された紙にはミミズがのたっくたような文字が。だが読める。問題は書けるかどうか。
とりあえず平仮名で書いてみる。
「これで読めますか?」
なのところに平仮名で ゆうと と書いてみた。
「読めますけど。どうしました?」
不審な目をされた。
なんだろう、俺がなにかやっちゃった感。
とりあえず書く紙をマジマジみる。
名前 ゆうと
出身地
得意技能
求める仕事内容
たった4項目がうまらない。出身地。日本と書いちゃダメだろう。どうしよう。と思っていたらフィーネが耳打ちをしてきた。
「レニーク村」
自分はフィーネにgj指をむけた。
技能か…何を書けば…
迷っていると 目の前のおばさんが。
「技能はあくまでも、仕事を依頼する人が気にするぐらいだから何でもいいのさ。さしづめあんたは、モンスターテイムとかでもいいんでないかい?」
「モンスターテイム?」
「フェアリーと交渉できるくらいだから、モンスターテイムできるんだろう。」
「そうなんですか?モンスターテイムのやりかたはわからないですが。」
おばさんが目を見開くが答えてくれた。
「モンスターテイムは 相手に触れた状態で交渉をするんだ。相手がついてくる意志を示せばテイムできる。だから実力を示す必要はある。」
「なるほど。倒して交渉すればいいんですね。」
「まぁそういうことだね。だがモンスターテイムの適正なければできないけどね。」
フェアリーもモンスター扱いなのかな。まぁいい
モンスターテイムっと。
求める仕事。テキトーでいいか。
安くて楽な仕事。
よしオッケーだ。おばさんに渡す。
一瞬こめかみに青筋が見えた気がしたが忘れよう。
「では少々お待ちください。」
おばさんは席をはなれ奥に。
すぐに戻ってきたようだ。何か手には色々と持っている。まずは銀色のプレートを渡された。
「このプレートは冒険者カードになります。持ってステータス表示 といえばステータスがでます。」
渡されたプレートに。心でステータス表示と思ってみた。
「おお!」
感嘆の声が漏れてしまった。
田舎者を見る目でこちらをおばさんが見ているが気にしない。
「次にスキルなどを見たいときは スキル表示 魔法を見たいときは 魔法表示 依頼など受けている時は クエスト表示 でみれます。あとマップ機能もついています。マップ表示 でね。」
まじか。なんという便利アイテムだ。これはお高いんじゃ…と思っていると
「無くした場合、500万ユルド、壊した場合250万ユルド、こちらに届いて見つかった場合100万ユルド
なので無くさないように。または必要ない場合は返却を。」
罰則きつー。エルフから聞いた 通貨価値を考えると1ユルド1円で 罰則500万円か。
「ちなみにですが。そのプレートは本人しか使えません。他の人が拾っても見ることもできません。なので基本的にギルドに戻ってきます。ただし、あなたがステータスを開いている状態で落とした場合、ステータスは丸見えのままのプレートとなります。そこだけは気をつけたほうがいいかと」
なるほど。個人情報さらけだしたままにしたくはないので閉じておこう。
「ここまでは大丈夫ですか?」
「はい。」
ギルド編続きます。