好きこそ物のじょうず、気が付けば魔法使い
ミネルーの街 宿屋
朝焼けから、日が昇っていく。
まだ起きない。
外も活動する人が増え、騒がしくなる。
まだ起きない。
外を見るのも飽きてきた。
まだ起きない。
タオルを上から押し、圧迫してみる。
まだ起きない。でも唸ってる。
仕方ないか、耳元で
「あさだぁー!!」
すると
「ひゃい!!」
あっおきた。
突然ムクリと体を起こすと、伸びをしている。
「魔法適正はあるみたいだ。使い方を教えてくれ。」
冒険者カードを見せる。
「習得不得手…めんどくさそう。」
うっ、痛いところをつかれた。
「まぁいいんだけど。とりあえずお腹減ったわ。」
「フィーネが起きないから、待ってたんだ。自分も減ったさ。」
お腹減ったと激しくジェスチャーする、フィーネにいいかえす。
「なんで、起きれないんだ。」
「なんで、起きれるの?」
返された。なんでと言われても、人が生きていく習性とか…
じゃなくて。
「飯食べにいくか」
「さんせ〜い。」
部屋を後にする。
カウンターにいくと
デカイおっさんの娘、ティエラがいた。
「おはよ〜」
ティエラも眠そうだ。
「おはようございます」
「お腹減った。」
挨拶でないものがまぎれているが
これは、フィーネだ。
「なににする?」
「自分は朝からでも肉かな。」
「あたしは、サラダー」
「わかった。待っててね。」
と去っていく後ろに、
「なんの肉でもサラダでもいいから。」
二度手間ならないように伝えた。
ほどなくして奥から、おばさんがやってくる。
「おはよう、おまちどうさま。」
「ありがとうございます。」
だれだろう。おまちどうさまってことは従業員か。
「朝から昼までは私で、昼から夜はティエラ、夜は旦那が料理作るから。」
心を読まれたようだ。いや違う、不思議そうな顔をしてたらしい。
「ティエラが料理?なんか危険な感じが…。」
「それを知っている常連は昼は食べにこない。」
やっぱりか…天然は料理しちゃダメなのだ。
なにをいれるやら。
フィーネはものすごい勢いでサラダを食べている。
自分の肉を一切れおいてあげると、
やらんぞ!?という目で見られたような気がした。
誰がいるか!?サラダなど。
おばさんが横に立っている。
またやってしまった。お金ですね。
支払った。
お腹いっぱいになったところで、
街のそとに出る。魔法の使い方を教えてくれるらしい。やった。魔法だ。誰もが憧れた魔法!?
「よし〜じゃあ、まず腕立てから!?」
「オイ!?」
どこの体育会系だ。
「冗談。冗談だってば。」
「まずは、魔力の循環から!体内にある、魔力を体にまとうイメージ。」
フムフム、某アニメのオーラ的なノリなのか?
「おお、できた。」
「まだ魔力循環、魔法基礎のまえだから。これからが難しいんだから、次は、集中。
魔力を一箇所に集めて、形を作る」
指先を眺め、意識を集める。
ライターくらいの火が灯る。
よしっ!!
大魔法使いへの道を歩き始めた。
気がした。
仕事と新年の忙しさで書く時間がない(T_T)