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病日記  作者: 遊風
1/3

逃走

私は、至って普通です。

あなたと違うです。

だから、近づかないでください。



point1 〜私と貴方は付き合っていません〜



6:00。目覚ましの音で、私は起きる。

目覚ましの音を止めたあと、うがいと顔を洗いにいく。

それが、終わったあと制服に着替え、荷物の確認をする。

6:15。母さんの作った卵焼きとご飯とお味噌、と母特性ベジタリアンジュースをいただく。

6:30。支度をすまし、駅にむかう。


ここまでは、いつもと何ら変わらない日常。


私は、電車に揺られながら腕時計をみた。

6:45。あと、二駅乗っていれば学校前の駅に出れる

後少しの辛抱でこの窮屈な世界からでれる。

これは、いつも思う。

あと、少し。あと、少し。


7:14。学校前の駅に降りた。

さて、行こうか…とその時は男性に呼び止められた

いつもと違う日常がはじまった。


その男性は、私と同年代の男性だった。

オシャレに気おつけているみたいで、髪は明るく今時の高校男子学生だ。


「初めまして。俺、佐々木っていうんだけど。」


「はぁ……」


「君と同じ電車なんだよね。いつも。でさ、俺。君に一目惚れしちゃったんだよね。だから、付き合ってもらえない?」


まさかの告白。

びっくりだ。こんな私に告白するとは。

私の見た目は、髪は三つ編み。

顔は普通より、ちょっと不細工。(基準は、わからないが)

足が太い。(友曰く、あまり太くはないが太い分類に入るらしい。)

そんな私だ。

けど、こいつの顔にはありありと悪意があると見て取れる。


またか……


「申し訳ないが、私は急いでいる。先に行かせて貰う。」


「えっ、ちょっと待って。話は?。ねぇ!!」


「これで、三回目だ。お前たちの遊びに飽きた。佐々木くんとやら。お前たちの賭け事もう無駄だ。私の前から消えてくれ。」


「えっ………なんで知って……」


「消えてくれ。」


前々から知っていた。私の通っている学校の周辺にはもうひとつの学校がある。

その学生の間には、今嘘告白が流行っているらしい

その告白が、成功するかしないか賭けているらしい。

さて、ここからが本題。このくだらない賭け事が流行り私は、とても迷惑をかけている。

同じ電車に乗っているやつが、私に告白してくるのだ。

全く、私の顔をみて男に飢えていると思うのか?

こんな、朝早くからせいが出るものだな。


8:30。少し時間がずれた。あしたからは、もう少し早めに出よう。

私は、学校の坂道をのぼりながおもった。


私が通うか学校の前には少し長い坂がある。

その両側には、美しい桜が咲き乱れる。

地方雑誌にも掲載されるほどだ。

私は、この美しい坂のために毎朝早く起きている。

桜が舞うなか、少しだけ生徒が少ないこの坂と朝の瑞々しい空気を吸い、周りを見渡しながら歩くことが日課であり、今の人生の中では、ひとつの楽しみなのだ。


「あの……」


またか。流石にここまで来るとは思いもしなかった


「あのな、もう私と…………………っえ?」


そこにいたのは、私が知っている人だった。


「どうかしたの?佐伯さん」


「すまない。なんでもない。」


そこに立っていたのは、隣の席の高橋たかはし みなとだった。

高橋くんは、学校1のイケメン桜庭くんの幼馴染みであり、なかなかのイケメンくんだ。というより、イケメンというか美人さんだ。

サラサラの黒髪に綺麗なパッチリ真っ黒の目。そして、何より左目の下の黒子が彼の妖艶ようえんさを引き立たていた。

彼の隣になったあの時は、色々大変だった。

綺麗な人の近くにいるは、大変だ。


「おはよう、高橋くん。」


「おはよう、佐伯さん。僕のことは、湊でいいのに。」


またこれだ。いつも、彼は私に下の名前を言わせようとする。


「それで、どうしたの。さっきの。」


「あぁ、それが告白されてな。」


「えっ………」


「また、それだと思ったんだよ。すまない。」


「………それで、返事は。」


「返事はしてないよ。あんなことで返事なん…………って、おい。大丈夫か?!!顔が真っ青だぞ。」


「……………ねぇ、なんで断らなかったの?ねぇ、なんで。なんで、なんで、なんで…………!!!゛僕ら付き合ってるの゛に!!!」


「……………はぁ?」


「僕ら高校一年生の時からの付き合いなのに。なんで、断らなかったの。なんで、断らなかったの!!

僕は、こんなに佐伯さんを好きなのに!!愛してるのに!!君が嫌だって言ったから、登下校一緒に行くことを諦めたのに!!色々諦めたのに、けど僕は佐伯さんのことが大好きだから、我慢してたんだよ。なのに、なんで!!断らなかったの!!」


彼は叫んだ。瞳にいっぱい涙をためて。

けど、私はその姿が怖くて怖くて仕方がなかった。

だって、私たちは゛付き合ってない゛んだから。


彼は何を言ってるんだ。

怖い。

「何を言ってるんだ…………私たちは付き合ってないだろ。」


「……………えっ、何を言ってるの?付き合ってるよ」


本気だ。

こいつは、付き合ってることだと本気で思っている。

私は、怖くなってそこから逃げ出した。


「えっ、まって!!佐伯さん!!」


何も、聞こえない。聞きたくない!!


こうして、彼 高橋 湊の関係は歪に変わったのだ。


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