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死亡フラグが立ってます  作者: 水上かなみ
はじめてのともだち
6/18

 フラグ


 元々はコンピュータの用語で、プログラムが分岐する条件のことらしい。

 この条件が成立することを、その分岐部分に目印の旗を挿すことに見たてて、『フラグが立つ』というようになったとか。

 それが転じて──主にゲームや漫画の世界でだけど──お約束や、お決まりのパターンのように、先の展開を予想させるような出来事のことを、同様に『フラグ』と呼ぶようになった。

 要するにフラグとは、物語上の伏線の事だと。


 さて、このフラグには色々なものがあるらしいのだけれど、そのうちのいくつかをここで紹介してみようと思う。

 まずは一番の定番である、死亡フラグ。

 これはフラグの中でももっとも種類が多く、フィクション作品でもよく使われる。

 戦争映画で、『この戦いが終わったら、俺、あいつと結婚するんだ……』なんてことを兵士が言ったとしたら、その兵士は後の展開で、ほぼ確実に戦死する。

 このセリフが伏線。死亡フラグ。

 この伏線を張ることによって、兵士の死が演出として引き立てられる。つまり物語に深みが増すのだとか。


 次に、恋愛フラグ。

 これは少女漫画に多い。

 例えば、仲の良かった幼馴染と何か約束をしたけれど、これが果たせないまま離れ離れになってしまったとしよう。

 この二人は後の展開で、再会し約束を果たすことになる。

 この約束によって、再開した時に二人の間に歴史が生まれる。これも物語に深みを与えるという役割を担っている。

 つまり、この約束が恋愛フラグ。


 他にも、勝利フラグ、仲間フラグ、生存フラグ、成功フラグに失敗フラグ……などなど、他にも紹介しきれなかったものがいくつもあるので、興味があれば各自調べてみて欲しい。

 ただし、ここで注意して欲しいのは、フラグは絶対ではないということだ。

 一度立てたフラグを取り除くことを、『フラグが折れる』、または『フラグを下ろす』と言う。

 最近ではこのフラグを逆手にとって、あえてフラグを立てておいて、その後でフラグを折る事で物語に緊張感を持たせるという手法もあるらしい。



 なんて、長々と語ったけれど、ここまではすべて宮下に聞いた話。


 それでわかったのだけれど、やっぱりこの頭の旗は、フラグを表しているらしい。

 頭の上の旗はその人にフラグが立っていることを意味していて、未来にそのフラグ通りの展開が起こることを予言しているんじゃないかと思う。

 竹本さんと上田君の出会い方も、宮下の試合の話も、どちらもフラグになりそうな出来事だったしね。


 うん。

 それは良い。

 訳の分からなかったこの旗の正体が分かったのは喜ばしいことだ。

 なんだけど……、


 一番の問題は、私の頭の上に立っているこのフラグが、他ならぬ『死亡フラグ』だということだろう。



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