7-リアルで弁当をカツアゲされかけました!
ゲーム内から、ネットにアクセスできるから騎士団について、調べたら警戒レベルなんてものがあるらしい。
警戒レベル1は、セーフティマップ内の騎士団の巡回が厳しくなる。
これは一定時間で切れるようだ。
騎士団に見つかったり、逃げたりを短時間で繰り返すとどんどん警戒レベルは上がっていくみたい。
レベル2でマップ外の追跡、レベル3でどのセーフティエリアにいても、プレイヤー、とNPCからのダメージが有効になるみたいだ。ちなみに、逆は無効。
怖いから、人気のない危険区まで逃げてきた。
「何でだよぉ、私は友達が欲しくて、このゲーム始めたんだよねぇ、何で、指名手配されて、気兼ねなく町も歩けなくなってんのよぉ」
どこで間違えたんだろうと、頭を悩ませていると、オオカミのモンスターが遠吠えを上げた。
「うっさい!私今それどころじゃないんだ!」
鞭をしならせ、オオカミの首に巻きつける。
そのまま力任せで木に叩きつけた。
「強くなってるんだけどな……」
一撃で倒したモンスターの死体を眺める。
「【投げ術】ってスキルも習得しちゃった。けど、私は鞭使いだよ?」
もうステータスが威張り散らかしてるせいで、私の強さがどれくらいなのかも分からない。
後悔してもお仕置きか逃亡かの二択。
牢獄生活するためにゲームにいんしてるんじゃない。そうだよ。捕まったら引退しちゃえばいいんだ!
そうこれはモンスターを仲間と協力して倒すゲーム。
私にはまだ仲間はいないけど、そのうち、私と似たような境遇の人に会えるかもしれない。
そしてら、一緒にピクニックして、パフェを食べ合いこして、同じお布団で夜を過ごすんだ。
私の未来はまだ明るい。
取り敢えず、適当に鞭振り回して、憂さ晴らしだ!
その日、この危険区の森には、オオカミの逃亡と悲鳴が鳴り響いたのでした。
★☆
前野サファイアの日常はゲームの世界だけではない。
現実のこの場所が、もう一つ非日常である。
高校2年になっても、私はひとりぼっちでした。
1年前からあのゲームをやってるんだけど、そっちでも【ぼっち】。
もしかしたら、私はぼっちの神様に愛されている。
そんな愛してるなら友達の1人くらい許してよね。
お昼休み、教室でひとりぼっちタイムを満喫して、ぼっちの神様に感謝をアピールしたら、友達作ってくれるかもと、うきうきしながら、弁当を食べる。
うふふ、今日は渾身の出来上がりです。
大好きなキャラ弁に、お手製のデザート。全部自作、あのゲームを始めてから、何故か手先が器用になったんですよね。
何ででしょうね。もしかして……私の努力をぼっちの神様が認めてくれたのでは!
「それ!もしかして、ベスフレのモチモチスライムゼリーじゃん、すご完成度高かっ!これ前野さんが自作したの。マジやば」
世の中には、ギャルに絡まれる私以外の前野さんがいるんですね気の毒です。
お弁当を食べてる時間は一人を肯定されてるようで、一番幸せな時間ですぅ。
「……無視!」
人に声をかけて貰って無視するなんて、贅沢な前野さんも居たもんですね。私ならギャルはちょっと怖いからお断りですけど、人としての礼儀は必要ですよ?
次のオカズを掴もうとしたら弁当箱が消えてました。
あわわわ、右を見ても左を見ても、机の下を見ても弁当箱がありません。
コンコンと机を叩く音が聞こえました。なんでしょう?
野生のギャルが現れた。
しかも、私の弁当箱がその手にある。
これが世間一般の言うカツアゲ!
普通はお金をとるんじゃなかったっけ?お腹が空いてたのかな……
「そ、そ、そ……です」
「そです?」
それは私のお弁当です!
発声練習なんてリアルでしてない。、どうしよう。
勇気だ勇気を持とう。勇気、勇気勇気……
「それはサファイアのお弁当です!」
声が出たぁ、やればできる子元気な子……0か100しかないのがサファイアです。 これじゃ、ただの痛い子だ。
「サファイアちゃんって、意外と可愛い声してるね」
笑顔が素敵なギャルさんでした。
声を褒められた。可愛い、可愛……可愛い!
何かお礼を言わないと、それが礼儀。
特徴を褒められたなら、お返しも似たようなこと?
「ギャルさん! は、エロくておっぱい柔らかそうですね!」
…………これはセクハラじゃない?
待て待て、素直に言い過ぎた。どうしよう殺される。
「エロくおっぱい柔らかそうか、あーがとうね。サファイアちゃんも似たようなもんっしょ? 地味な見た目でスタイルはアタシと変わんなそうだし」
このギャルは何を言ってるんだ?
…………今の私はリアルだった! あっちじゃチビだから忘れていました!




