3-【悲報】ゴブリンさん、私の挨拶(通常攻撃)に耐えられない
私には目標があった。
最強になって、皆からフレンド申請をされる人気者になること。
器用さ特化のクリティカルデバフアタッカーという常識を疑うような挑戦は、とあるスキルによって打ち砕かれたのだ。
【ぼっち】
ひとりぼっちの私の努力を笑うかのようにクリティカル率100%上昇させたクソスキル。
器用さしか取り柄のない不器用な出来損ないが私です。
ゲーム世界の人気の少ないカフェのテラスのテーブルに、頭を乗せて大きくため息をしていた。
普通の人は、友達運を最大に利用するため、信頼し合う人間関係を築いている。
私はどうだ?そのスタートラインにすら立ててないんだぞ。
フレンドできるたびに【ぼっち】スキルのクリティカル率は下がるじゃん…………。
いや、待てよ。それは逆説的に今までと大して変化してなくない? フレンドできるたびにクリティカル率下がったとしても、元の器用さと合わさって、100%なんてすぐ届く。
不名誉なスキルだが、私の立場は変わってない。
なら、これまで通りにやればいいんじゃないか!
「そうだよ、何を落ち込んでたんだろう。スキルなんて、ただのオマケ。私には一年間、たった一人で鞭を振り続けてきた『器用さ』があるんだから!」
カフェのテラス席で、私はガバッと勢いよく顔を上げた。
落ち込んでいたさっきまでの自分に、鞭を……いや、おさらばだ。
気分転換にゴブリンでも倒しに行こう。
初心者御用達マップ、始まりの草原。
ここには雑魚モンスターしかいない。
始めたての頃は、このマップに二ヶ月閉じ込められてたからな。ソロの縛りプレイでの苦労が懐かしいよ。
よし、獲物のゴブリン君を発見した。3体で行動してるね。
景気づけに、【鞭術】――【パラライズウィップ】を使って、麻痺させて――
今までミスとカスを連発していたのに、ダメージ上昇を繰り出し、ゴブリンを一掃してしまった。
あれ?
クリティカルが出たとしてもここまでダメージは出ないよ。
またゴブリンを見つける。
今度は普通に鞭を打ちつける。
ダメージは限度数値を出していた。
…………バグったか?
きっと、見間違えただけだよね。
ゴブリンなんて、ご飯を盛った時の米粒の群衆みたいなものだよ。毎日毎日、鞭打ってて、きっとゲシュタルト崩壊を引き起こしたに違いない!
試しにもう一匹、しつけてくるか。
周りを見渡すとゴブリンの集団を発見。
距離を詰めるために走り出す。
取り敢えず、ゴブリンを痛めつけながら、冷静になろうかな。
今度はスキル無しで、普通に攻撃だよ。
器用さ全ブッパだから、まるで蛇を操るように鞭を扱えるんだからね。
鞭でゴブリンを縛りつける。
今度、転倒させて――
ゴブリンは過剰なダメージを喰らって、倒れちゃった。
ゴブリーン! まだ、私の攻撃が終わってないよ!死なないで!




