20-ギルド設立の誘い
アメジストさんは両手を上げました。
「降参、降参、私は中三」
まさかの年下!
サファイアが驚いていると、アメジストさんはフードを脱いで、素顔を見せてくれました。
「急に人が現れた!」
ルビー様が驚き顔を見せます。スクショチャンス!?
「死神のローブって言うんだけどぉ、フレンドがいる人には見えなくなるNFT装備なんだよね」
紫色の瞳、黒い髪、白い肌。
ゲームのアバターは皆、綺麗だけど、アメジストちゃんはお人形さんみたい。
「随分と気合の入ったアバターじゃん。中身オッサン?」
ルビー様が挑発気味に言いました。
「元の顔をベースに自動生成したらこうなったのよ。嫌になるわよね?」
天性の美少女だった!
「私だって脱いだら凄いんですからね!」
アメジストさんから、ポカーンと気の抜けた顔をされました!?
「きもっ……」
我に返ったアメジストさんは、苦虫でも噛んだような吐き気を含んだ顔をしました。
「サファイアちゃんはめちゃんこ美人だからキモくねぇーし!」
ルビー様がサファイアを庇ってくれてます。嬉しい!
「いやねぇ、君らの関係性なんてどうでもいいんだけどぉ……アメジストちゃん、君らに勝ち目ないし、逃げられそうにもないしぃ、このままアメジストちゃんが殺されると、監禁プレイでゲーム進行不可能になっちゃうでしょう?」
たしかに、このまま、アメジストさんを殺れば、プレイヤキラーのお仕置き牢屋生活が始まりますね。
「もっともっと、人様の絆を壊したいアメジストちゃんにとってそれは困るわけぇ」
美少女が台無しな悪役ぽい笑顔。ヒールって言うんでしたっけ?
「そこでぇ、提案があるのよぉ」
「提案ですか?」
なんだろう、友達になってくださいとか?
「私たち、友達にならぁない?」
予想が的中しました!
「はぁ? 明らかにいつか裏切ってやろうって面じゃん。普通に嫌なんですけど」
「酷いなぁー、同じプレイヤキラー同士交流を深めようって話じゃないかぁ。別にシステム的にフレンド登録しようってわけじゃないよぉ、メリットないしぃ」
「じゃあ、リアルで仲良くなりたいんですか? 無理です、まだルビー様と初めての共同作業をしていません」
お友だちとお泊りもまだなのに、新しいお友だちを作るなんてサファイアにはできませんからね。
「うわっ、キモっ……」
またしてもキモいと言われました!
私ってキモいのかな……キモくないよね、チラッ。
ルビー様の反応を確認します。
「サファイアちゃんはキモ可愛いからいいんだよ!」
キモ可愛い……?
「あっそ……つまりぃ、アメジストちゃんが言いたいのはさぁ……アメジストちゃんたちでギルドを作らないぃ?」
ゲーム内に作る組織みたいなシステムだよね。
必要人数は三人以上だから、サファイアとルビー様だけじゃ作れなくて断念したやつだ。
アメジストさんは、へらへら笑っている。
その場しのぎに提案をしたのか、それとも罠か。
サファイアにはこの提案の真意なんて分からない。
ルビー様なら正しい答えを出してくれるはずだ。
「サファイアはルビー様の決定に従いますから、好きに答えちゃってください!」
「まさかの人任せ!」
ルビー様が驚いた表情で、サファイアを見ます。
「違いますよ! サファイアはルビー様の愛の奴隷です!」
「誘う相手ぇ、間違えたかなぁ……」
アメジストさんのへらへらとした笑みが乾いていきます。
「ギルド設立ね……」
インテリなルビー様の横顔はミスティック。キュンが致死量を超えそうです。
「アメジストだっけ? ギルドのデメリットって分かって言ってんの?」
デメリットがあるんですね。
このゲーム、本当にデメリットが多すぎますよね。
「当然、当然、私はぁ、共戦希望だよぉ。ギルドメンバーがぁ、逮捕されたらぁ、ギルド全員も同等罪を受けるんだよぉ、つまりぃ、運命共同体」
連帯責任ってやつですね。
「アタシら全員誰か一人でも捕まっちゃったら駄目になるわけ。アタシとサファイアはどっちかが捕まった時点でこのゲームを引退する予定だけど、アメジストが道連れ根性でわざと捕まるとも言えないわけじゃん。信用ゼロなんだよ」
「そこはアメジストちゃんを信用してもらわないと始まらないわけだしぃ、一応、メリットもあるわけだから多少のリスクは取るべきじゃないぃ?」
二人の会話の意図が理解できず、ルビー様の真剣な表情を見つめることしか、サファイアにはできません。
「ギルド設立すれば、色々と便利になることは間違いないもんなぁ、、うーん、でもアメジストが信頼できるかどうか……」
ルビー様、真剣……かっこいい。
「サファイアちゃんはぁ、よく分かってない顔してるねぇ。アメジストちゃんが説明してあげよぉうか?」
アメジストさんって意外と優しいのかな。
「お願いしてもいいですか?」
「……ちっ」
舌打ちされた!?




