13-PKはキスの隠語ではないみたいです
ルビー様と装備調達の日々も終えて、やっと本格的に活動することになりました。
何をするかと言うと、PKです。
プレイヤーキルと書いて、PK。
プレイヤーキルのメリットは、狩場の独占と言う点らしいです。
私たちがやってるMMORPG【best・friend・online】は、フレンドの数だけ強くなります。
殺したり殺されたりすると、そのペナルティは、全てフレンドが背負うことになる。別名、真の友情を試されるゲーム。
ルビー様から聞かされた時、私たちの友情は、このアバターで活動し続けることだと感じました。
え、PKを選んだ理由ですか?
それは私がレッドネームだからです。簡単に言えば懸賞金がついた、モンスター扱いのプレイヤー。
だから、他プレイヤーから狙われる。
その上、PVP専用エリア『危険区』以外にいても、レッドネームは他プレイヤーからの攻撃によるダメージが適応される。
逆に私は『危険区』じゃないと、他プレイヤーに反撃ができない。
罪を清算しようにも、牢屋の中で、ゲーム内時間、5日以上過ごさないといけない。
それは普通に嫌です。ゲームの趣旨が牢屋で刑務作業するだけのつまらないものになります。
強制ではないですが、このゲームをそのアカウントで続けるなら、やらないといけません。
そこで、心機一転。
レッドネームとして、捕まるまで遊ぼうとってことになりました。
私はもう一人ではない。
最高のベストフレンド、ルビー様がいるのだから。
☆★
「よーし、サブスクも入れたし、ガンガン、稼いじゃうぞー!」
「おー!」
今、私とルビー様は、駆け出しPVPエリア『危険区』に来ています。
まだ、始まりの森ですが、少しずつ、難度を上げていく予定です。
「こんなレベルの低いエリアでも、そのNFTアイテムって落ちるんですか?」
「落ちるよ。換金レートはかなり低いけど」
「それなのに人が集まるのでしょうか?」
「集まる集まる。NFTアイテムってグレードがあってね。一番下のグレードはサブスク入ってりゃ、誰でもドロップするわけよ。でも、それより上のグレードになると、NFTアイテムがないと落ちないわけ」
「じゃあ、一個持ってれば、十分ってことですか?」
「それもそうとは、ならないんだよ。サブスクに入ってるのはもちろん、NFTアイテムにはそれぞれ、アイテムのグレードと残高が設定されてるわけ。その残高の数まで、同じグレードかそれより上のNFTアイテムがドロップ可能なんだよ」
「じゃ、最低グレードの需要は尽きないわけですね」
「初心者が軽く手を出せるレベルだからね。最低グレードのNFTアイテムは1個当たり1円ぐらいだし、換金するためには、ある一定定のグレードのNFTアイテムを残高1以上で所持している必要があるわけよ」
「それで儲けを出すのって相当難しいですよね」
「そ、グレードが高いNFTアイテムはそもそもドロップに制限があって限りがある。数が更新されるのも年一だったはず。それにグレードが上がるほど、性能も良くなるしね」
私達はそんなプレイヤー達の足を引っ張り、狩場を独占するのが目的。
そもそも、PVPにメリットはない。
むしろ、レッドネームになってしまうと、デメリットだけだ。
プレイヤーに殺されれば、牢屋行き。
モンスターに殺されれば、憲兵が歩く街へ強制転移。
しかも、モンスター扱いだから、持ってるアイテムも落としてしまう。
なら、殺るしかない。
私とルビー様のゲームライフのために!
「まぁ、NFTアイテムは、他プレイヤーから普通に買えばいいんだけどね」
「買えるんですか!」
「そりゃ、NFTアイテムだし、取引できないと意味ないでしょ」
たしかにお金に変えられなきゃ、皆、集めないよね。
「でも、1円なんですよね?」
「最低グレードだけは取引不可能なんだけど、別の使い方があるんだわ」
「別の使い方ですか?」
「そ、NFTアイテムの専用のスキルを使うためのコストに、残高が残っている最低グレードのNFTアイテムが必要なだよねー」
色々とややこしいみたいですね。
「理由はともかく、皆、集めようとしているってことですね!」
「そうそう、難しいことは忘れて、PKやってりゃ、一番効率よくNFTアイテムが集まるみたいな?」
詳しいことはよくわかんないし、ルビー様の言う通りにしていれば間違いないよね。
「カモ発見♪」
ルビー様が舌で唇を舐めました。
これはキスのサイン!
「はい、カモです!」
「サファイアちゃん静かに、見つかるぜ」
唇を指で塞がれました。
人に見つかっちゃ駄目なことをするですね。
「PKの時間だよ」
決め顔のルビー様の顔に興奮を覚えます。
「はい、PKの時間です」
「ほらほられあれ見て、パーティー発見したよ」
「あの人たちに見つからないようにするんですね」
「そうそう、興奮するでしょ」
「興奮ものです。やっぱり、初めてはレモン味なんでしょうか?」
「いや、そんな爽やかじゃないでしょ。PKよ?」
ルビー様は不思議そうに首を傾げます。
PKはキスの隠語ではなかったみたいです。




