表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

12-ボス周回は愛の力の前では前菜に過ぎません


 現在、私とルビー様でフォレストウルフ周回をしている。今が二回目。

 周回ということは何度もやるということだ。 ルビー様との共同作業がまだまだ続くと思うと、ワクワクが止まらない。


 鞭技――【蛇縛り】によって鞭から生えるように出された蛇により、フォレストウルフを縛り付ける。

 

 器用さと力を参照して継続時間が決まる。対象の動きを拘束して足を遅くする効果だ。


 拘束したモンスターは抵抗してくるから、技使用者の器用さで鞭を扱い、力で縛り付けるものだ。


「サファイアちゃん、さすが〜」


 そうですそうですとも、【蛇縛り】はダメージが発生しないデバフ技。

 世間一般的には雑魚縛りなんて馬鹿にされてるほど、格上には効かないネタスキルみたいだけど、私とルビー様の友愛の前では関係ないのだ!


 ルビー様は魔法陣を構築していく。


 このゲームの魔法は、魔法を使うための予備動作が魔法陣の構築だ。

 使うと決めたら身動きが取れなくなり魔法陣の構築が始まる。

 構築が終えれば、あとは使うだけだ。

 赤い巨大な魔法陣を作り終え、ルビー様は杖をフォレストウルフに向ける。


「クリムゾン・フレアボール!」


 真紅の炎球が魔法陣から飛び出し、フォレストウルフに命中した。


 直撃し飲み込むと纏わりつくように収縮し、炎のシルエットはフォレストウルフの形へと変化した。


 ダメージ上限を継続的に与え続けて、ボスモンスターは焼失した。


「カッコいい、ルビー様最高です!」

「……ヤバ」


 なぜか、ルビー様が驚いてる。

 

「あ、フォレストシリーズの腕装備が出ましたよ。器用さ+4%みたいです」


 理論値ランチではないんですね これではおやつ、残念です。


 ルビー様、どうしたのかな。さっきから杖を眺めてるんだが……私、何かしたかな。

 嫌われるようなことした?

 さっきの戦闘で私、何かやらかしちゃった!?


「ルビー様、捨てないで!」

「サファイアちゃん、ヤバすぎ! サイコーかよ!」


 ハグされました。こっちのルビー様はお胸が控えめなんですね。


「魔法陣の構築速度が爆速だし、威力が激ヤバいって! 廃課金クラスだわ!」


「それはルビー様が強いからでは?」


「何を言ってんのよ。ユニークスキル【ぼっち】で全パラメーター極振りしてるサファイアちゃんのステータスの半分を私が使ってこれだよ。なら、サファイアちゃんはもっとヤバくね」


 ルビー様と私は【ベストフレンド】というスキルで繋がっている。


「まさに愛の力だね」

「そだねー」

 

 よしよし、と頭を撫でられた。

 うれしい、もっと触ってほしい。


「私、頑張るよ!」

「オプションもいい感じだし、手持ちのボスチケだけで完成しそうじゃん」

「私はご褒美のために頑張るため、全力で尻尾を振りますね」

「鞭を振れよー、それにご褒美って、サファイアちゃん子供かよ」

「友達です。いえ、ルビー様が望むなら愛の奴隷にでも」

「さ、周回に戻るぞ」


 なんて頼もしいんだろう。私のリードをちゃんと引っ張ってくれる。飼い犬が無邪気に遊べるのは、ちゃんと飼い主に管理されてるからなんだね。


 今度、犬の首輪を買いに行こうかな。


★☆


 何回もフォレストウルフを縛り付け、ルビー様に燃やしてもらう。

 さながら猟犬と猟師の関係みたいな連携に私、前野サファイアは幸せの絶好調。


 フォレストウルフを縛り付けて宙に投げ、ルビー様に撃ち抜いてもらい、

 フォレストウルフを鞭技で状態異常にして動きを鈍くして弄んだり、

 終いには、早撃ち対決で、どっちが早く倒すか競ったり、


 遊び方は無限大。

 ゲームってこんなに楽しいんだね。

 今までソロでパーティープレイに憧れるだけだったから知らなかった。


「周回終了、もうアイテム切れたわ」

「もう、終わちゃうですか! もっと殺りたかった」

「サファイアちゃん、戦闘狂かよ。まぁ、使わねぇアイテム消化みたいなもんだし。まだ終わりじゃねぇぞ」


 終わりじゃない。終わらない。

 今は夜の九時。

 夜を終わらせない。


「ルビー様のエッチ!! でも、嬉しい!」

「フォレストシリーズはだいぶ揃ったかんね。それで良い感じの物を装備したら、次は戦闘用の装備揃えるぜ」


 無反応、ちょっと寂しい。

 気を取り直して、本題へ。

 私は可愛く見られるために、首を傾げて聞いてみる。


「戦闘用ですか?」

「そ、フォレストシリーズは隠密重視、次に戦闘用は火力とか戦闘補助の効果がある装備だね、わかりみ?」


 頭をよしよし、サファイアはちゃんとお話を聞ける良い子です。


「でも装備し直す時間があるとは思えないけど……は、別にルビー様は疑ってませんよ。サファイアはルビー様が大好きですから」


「んとね、【ドレスチェンジ】ってスキルを使えば、設定した装備に自由に変更可能だから、モーマンタイ」


 そんなスキルがあるんですね。

 知らなかった。


「習得条件はボスモンスとの戦闘中に全ての装備を別のものに変える。これを一回の戦闘中に5回繰り返すこと」


「簡単なんですね!」


「習得は簡単なんだけど、使用するためにはかなりの器用さが必要だから、これを採用して使ってるプレイヤーはかなりの変人扱いにされる」

 

「器用さ全振りの私には関係ないです」


「そ、サファイアちゃんなら関係ない。しかも、全てのステータスが器用さと同等ときた。これを採用しない理由がない」


「わくわくしますね」


「装備揃えて、ピケ活するぞ」


「おー!」


 友達と和気あいあい。

 楽しいなー!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ