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第004話 帰りたい帰りたくない

ハイファンタジーのような、壮大なストーリー展開は一切起きない…予定…です。

よろしくお願いします。

こんな感じでゆるーく進んで行きます。

パーティ一行は町へと戻り、ギルドに併設されている食堂で食事が並ぶのを待っている最中であった。


二人(エリスとリリス)をパーティから外しましょ、シロウさん」


突如、テーブルを支えにサーシャは立ち上がり口を開いた。


「ちょっ!何を言い出すんじゃ!この小娘!」


「そうですわ!伯母上の言われるとおりでわ!何なんですの、この小娘は!」


当然ながら、エリスとリリスは速攻で非難の声を上げる。


「だって、そうでしょ。 女僧侶(プリーステス)のくせに回復の一つも唱えられないって『RPG』ではあり得ないわ」


「あーるぴーじー?なんじゃそれは」

「そんな事はともかく、そんなに気に入らぬのなら、お主が出て行けば良かろう」


「そうですわ、そうですわ。わたくし達のパーティなんですから、気に入らないなら貴方が出て行けばよろしいでしょ」


古参を自負するエリスとリリスは、ふん、と鼻息を吐きながらも悠然と顎を上げ胸を張る。

その結果、エリスとリリスの二つの突起物が露わになるが、目の前に起きた事態に動揺を隠し切れないシロウは全く目に入っていなかった。


「それもそうね。じゃ行きましょ。マコト、オフィーリアさん」


『えっ!?』


あっさり受け入れるとは思っていなかったマコトとオフィーリアは驚きの声を上げた。

特に、茶髪ショートボブのオフィーリアは、自分が指名されるとは思って無かったのか『ボクも?』と自身を指差している。


「いやいやいやいや、ちょっと待ってくれ!サーシャ君!」


慌てて立ち上がったのはシロウ。

当然である。

いま三人に抜けられたら、昨日の状態に逆戻りになってしまうのだから。


「確かに二人(エリスとリリス)は回復は使えないが、レベル5までの聖魔法を全て唱えられるんだ」


『そのとおりじゃ(ですわ)』


シロウの言葉に、エリスとリリスは更に胸を張った。

なお‥‥‥以下略。


「でも、回復は唱えられないんでしょ?」


『うぐっ!』


「じゃ、話にならないわね」


サーシャは肩をすくめ『やれやれ』と言わんばかりであった。

そんな彼女の袖を、隣に座っていたマコトが引っ張る。


「なに?マコト」


サーシャは、マコトの手招きを受けて、中腰になり彼の口元に耳を近づける。


「せっかく『異世界』に来たんだから、ゆっくり楽しんだらいいんじゃないかな」


その囁き声を聞いた次の瞬間、サーシャは再び勢いよく立ち上がった。


「やっぱり、私、このパーティに残るわ!」


ふんす、と鼻息を吐いたサーシャは一転得意顔(ドヤがお)を決めたのだった。


『ええぇーーーーっ!!!』


突如変貌したサーシャに、にこにこ顔のマコト以外の全員が驚愕の声を上げたのであった。


実は、マコトとサーシャは異世界『地球』出身のお隣同士で、二人は好き合っているのだが共に両親が犬猿の仲で交際を認められていなかった。

そのため、サーシャは異世界に転移され両親の邪魔が入らなくなった為、元の世界に帰る気は全くなかったのである。


「結局、お主は何がしたかったんじゃ」


「いいじゃん、いいじゃん。そんな事より、そのコカトリスの南蛮美味しいわよ」


エリスの言葉を他所に、サーシャは顔を緩ませながら夕食を楽しんだのであった。

お読みいただき、誠にありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。

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