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序章:型作り  作者: gleaner
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喰われるけれど

人じゃない自分と言う存在はどこかのなにかしら存在に食べられるだけだと思う。

だって、そこに生きる目的は無くて、自分がこの場所に存在出来る形がある事自体が喜ばしいから。

空気に漂う酸素の中のまた一つの粒の素粒子は一としてではなく、素粒子の中の一として数えられてしまう。

でも今の自分は違う。

素粒子の一という存在が自分を形成してくれていて、『自分』という形が存在出来ている。

とてもすごい事だ。

こんな小さな体でさえ、素粒子は何十万と自分と言う存在を形成するために集まってくれているのだから。

自分と言う存在があること自体が奇跡で、何十万のモノを背負う選ばれたもので、でもだからと言って、素粒子を無下には出来なくて、難しいと思う。

自分の為に創る素粒子に自分は精一杯の感謝をするだけ。

今、ここに自分がいる、一つの個体として、誰かの一部じゃなく、本当に一として生きれる自分は本当に幸せ者だ。

満足だ。

だから、どこかしらの何かしらの存在に食べられても文句は言わない。

今、自分の立ち位置はまだこのスタートラインだけれど、ここから沢山を貰うんだ。

まだ、幸せしか感じれない、何も解らない些細な存在だけど。

痛みを知って辛さを知って、知る事が出来た上で幸せを噛み締めて生きていける、幸せを表現できる、それすら形に出来る存在になりたい。

もっともっとたくさんの素粒子たちに感謝して自分の外も中も全てを形容できるように、存在したい。

でも、大きくなればなるほど沢山の責任を伴うから、自分の表現一つにも気を付けなきゃね。

もうすぐ自分は向こうに行くんだろう。

向こうに行ったら一だった自分は0.0000001以下の存在でしかない。

でも仕様がない。

自分は表現なんて烏滸がましい。

闇も光も右も左も恐怖も分かっていないんだから。

そんな状態で向こうで「形容お願いします」なんて言えないよね。

物語っているよ。

感情のぶつけ合う常時津波の様なあの世の中が。

悲惨な素粒子たちの辛そうな思いがさらに募って。


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