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第5話 トラップ

『エイル、どんな感じだ?』

『撃ってこないのよ』

『撃ってこない?』


 ブリッジに入り、モニターを確認しながら自分の席に戻る。

 ん? 森の上に出ただけで、移動していないのか。


「アニカの呼びかけが効いたのか?」

「でも、返事がないよ」


 そもそも通信できるとも思えないけどな。

 相手にも同じものが必要だろうし。

 そもそもこの船、電波通信じゃないのか?

 電気が無いなら電波も無さそうなもんだけど。


「移動してみるのよ」

了解(いょうかい)。前進します」


 ゆっくりと移動を開始する。

 やはり攻撃してこないな。

 そう思っていると。


〝停船しろ!〟

了解(いょうかい)

「どうした」

〝前方にトラップが仕掛けられているのでございます〟

「トラップ?!」

「レーダーに反応はないのよ?」

「うん、反応はないよ」


 あ、さっきのドタバタで緊張がほぐれたのかな。

 言葉遣いが戻っている。

 ……そうでもないか。

 食い入るように見ているし。


「レーダーには反応がないみたいだぞ」

〝でございますが、確実になにかが設置されていると存じるのでございます〟

「確かなのか」

〝確かなのでございます〟


 つまりレーダーには反応しないが、ナームコには感知できるということか。


「試しに踏んでみるのよ」

「おい!」

了解(いょうかい)


 えー、またこの流れ?!

 確かに船長はエイルだからその決定に反対するのはよくないんだろうけど。

 そもそも突っ込むってことは、その負担を鈴ちゃんに負わせるって分かっているのか?

 時子は時子でなにも言わないし。

 レーダー見るので精一杯だから、他のことが考えられないだけか?

 ゆっくりと前進する船。

 トラップ……踏んだのか?


〝気をつけろ、踏むぞ〟

了解(いょうかい)。警戒を強めます」

「ナームコ、飛行物体を打ち落とせないのか?」

〝申し訳ございません。実体のないものは撃ち落とせないのでございます〟

「実体がない?!」

〝気体は固体で撃ち落とせないのと似たようなことなのでございます〟

「ああ……」


 確かにそうだな。


「来ます! 数……えー」

「10だよ」

「10です」


 答えたのはタイムとルイエだった。

 そんなに?!


「タイムの方が早かった!」

「そんなことない!」


 って、なに競っているんだよにらみ合うな!

 相手はモニターに映っているただの点だぞ。

 ……ただの点のはずなのに、にらみ合っているように見えるのはなんでだ?


「発射地点特定しました。マークします」


 時子と鈴ちゃんのマークした場所は、大分違うな。

 移動したのか?


「着弾まで3・2・1・0」


 モニターには盛大に爆発する……なんだろ。

 魔法でもないし、ミサイルでもない。

 なにかのエネルギー弾なのかな。

 とにかく盛大に爆発をしている……らしい。

 なにしろ映像だけで音も振動もありゃしない。

 遠くの何処かで起こっている映像かと思うほどだ。

 これ、ドッキリとかじゃなくて本当の出来事なのか?


「第2波来ます」


 続けて第3波、第4波と来るが、やはり映像だけで現実味が全く無い。

 この攻撃、いつまで続くんだろう。

 少なくとも2桁(ふたけた)いっていることは確かだ。

 いつの間にか時子もモニターを見つめるだけで、なにも言わなくなった。


「移動するのよ」

了解(いょうかい)

「ナームコ、鈴ちゃんにトラップの場所を教えるのよ」

〝心得たのでございます〟


 船が加速して再び移動を始めた。

 トラップを踏んでいたと思われる場所から離れると、攻撃が止んだ。

 時折右に左に迂回しながら、目的地へと進んでいく。

 どうやらトラップ? を踏むと攻撃されるらしい。

 自動攻撃?

 知らずに地雷原へ踏み込んだようなものか。

 ナームコが指示するようになってからは攻撃されることが無くなったのが証拠みたいなものか。

次回は勧告します

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