買い物に行こう!
「お、お兄ちゃん!」
今日もいつもの様に一緒にお風呂に入り妹の髪を洗い一緒に出る。
風呂から上がり着替えていると妹が慌てながら僕を呼んだ。
一緒に風呂まで入っているのに今さら妹の裸を見ない様にするのもおかしいが、着替えているのをガン見する分けにはいかないので、いつも僕はなるべく後ろを向いて着替えをしていた。
妹に呼ばれ振り向くと僕に背中を向けていた妹が背中に手を回して必死になにやらやっている。
「どうした?」
そう聞くと妹が背中を向けたまま顔だけこっちに向け、少し苦しげな表情で僕を見ながら言った。
「お、お兄ちゃん……ブラが……キツイ」
「…………は?」
「ホックが……留まらない……」
良く見ると背中に手を回して必死にブラのホックを留めようとしていた。
「留まらないって……」
「お兄ちゃん留めて」
「いや……」
留めかたがわからない……わけはない……そもそもこの間まで僕が留めてたから……。
◈◈◈
小学校まではずっとキャミソールだった妹、中学に入った時さすがにノーブラはまずいと……しかし……まあ……小学生と間違えられるぐらい幼児体型だった妹にブラは必要なかった……でも体育や修学旅行にノーブラはあり得ないとなり、とりあえず、スポーツブラで通っていた。
そして最近、ようやく胸が膨らみ始めた妹は、遂にブラを買った。まあ、僕が通販で買ったんだけど……当然付け方は知らない……勿論僕も知らない……。
すぐに付けなければいけないわけではなかったので、とりあえず母さんがいる時に聞くように妹に言った。
妹は母さんに付け方を聞くと、すぐに僕の所へ来て、ブラのホックの部分を僕に見せこうやって留めるんだと披露した。
見ると複数のホックをはめるだけなのでそんなに難しい留めかたでは無かった。妹でも出来るだろうと、そう思っていた。
しかし妹はその時僕にこうい言った。
「お兄ちゃん留めて」
「は?」
「出来ないから留めて」
「いやいや……出来るだろ?」
「駄目! 無理!」
「いや、出来ないって……じゃあ体育の時とかどうするんだよ?」
小学校入学当初も着替えられないと僕の所に来た……さすがにと説得し何度も練習させた。しかしその結果あのロボット騒動に発展してしまったんだけど……。
「体育の時はスポブラで行くからいい」
「えーーー、いや……でも」
「お願い、ね? お兄ちゃん」
「ああ、もうわかったよおおお」
◈◈◈
そうやって妹のブラは暫く僕が付けていた。
しかし……通販で買ったブラなのでサイズが今一合っていない。
緩い物もあって時々学校で外れてしまったとの事……当時妹は中3、当然その時は僕は学校にいない……その為妹は誰もいない所でブラを外して家に持って帰って来ていた。
ただ、さすがにそれではと、なんとか妹を説得して最近ようやく自分で付ける様になった。
久しぶりに妹のブラを付ける……って……あれ? ホックが届かない……。
妹の胸の膨らみは、最近大きく変わっていないのに……でも……そういえば最近髪を洗う時背中にブラの痕がくっきり付いていたのを思い出す。
「秋、ひょっとしたら……ブラジャーキツかった?」
「…………ちょっとだけ」
「いや、ちょっとじゃないだろ? これ全然届かないじゃないか」
胸の膨らみはそうでも無いが、最近身体全体が少し大きくなっていた。大きくなっていると言ってもまだまだ身長は低い、体格もガリガリ迄はいかないがかなりのやせ形なので太ったとかでなく、むしろ女の子らしい体型になってきたと言う感じだった。
「でも……お兄ちゃんが買ってくれたから……」
「いや、買ったって言っても通販でポチっただけだし」
しかもかなりの安物だし……。
「それでも……それでも……お兄ちゃんの……お兄ちゃんからの……プレゼントだし……」
いや、妹にブラジャーをプレゼントする兄って……どんだけ変態だよ……でも……そう言ってくれる妹に……僕は少し嬉しかった。
「……よし……わかった……秋! 明日出掛けるぞ!!」
「え? ど、どこへ?」
「秋のちゃんとしたブラジャーを買いにだ! 僕の小遣いで秋にプレゼントする!」
通販は母さんの支払いだ、だから今度は本当に僕の小遣いで、秋にプレゼントする!
「わーーい、お兄ちゃんとお出かけ~~~~」
そう言って飛び上がる様に喜ぶ妹……いや、安物だよ……本当に……僕の小遣いって雀の涙ぐらいしかないし。
それにしても……妹にブラをプレゼントする兄って……端から見たらただの変態だよなあ……。
ランキング20位台で粘っているので、なんとか書きました(  ̄ー ̄)ノ
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