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妹が僕と結婚出来ると信じている理由


 長い黒髪、つぶらな瞳、小さい顔に長い首、身長148cmと小柄、細い身体に細い手足、見た目は小学生、それが僕の妹、秋の容姿だ。


 妹は生まれて直ぐに病気が見つかる。ある程度成長しないと手術が出来ないと言われ、殆ど病院で過ごしていた。


 病院に通い続ける両親、僕は手がかからなかった事を幸いにあまり面倒を見て貰えなかった。


 手術を終え病気を克服した秋、母はこれから秋の面倒を僕に見て欲しい、そう言われ、僕はそれからずっと秋の面倒をみた。

 

 最初は嫌々だった、幼稚園生になっても秋は赤ちゃんの様に何も出来ない子供だった。

 一つ違いでどうしてこうまで違うんだ、何で出来ないんだ。心ではそう思っていた。


 でも……ある時思った。秋の裸を、身体を見て、大きな手術の傷跡を見て……僕は思ったんだ。秋は戦っていたんだと、ずっと生きる為に戦っていたんだと、そう思った。アニメの戦士の様に格好いいって、僕はそう思った。だから今は休息しているんだと戦士の休息なんだと、僕はそう思いそれから一生懸命秋の面倒をみた。


 小学校に秋が入学して直ぐ秋が泣きながら僕の教室に来た事があった。


「お兄ちゃん……皆が私の事……ロボットって、かいぞうしてるって……」


「え?」

 体育の時まだうまく着替えが出来ない秋、ギクシャクと着替える姿、そして手術の跡、それを見た同級生の子達にそう言われたそうだ。


「お腹の傷はかいぞうのあとだって……お兄ちゃんかいぞうってなに? 秋はかいぞうされたの? ロボットなの?」


 その秋の言葉に僕は我を忘れた、一目散に1年生の秋の教室に駆け込み、全員に殴りかかった。

 喧嘩なんてした事無かった。でも耐えられなかった。僕は2ー3人叩いた後皆から返り討ちにあった。1年生に負けるなんて情けなかった。


「お兄ちゃんお兄ちゃん」

 ぼこぼこにされた僕、秋はそう言って僕に駆け寄り僕をさらに叩こうとした同級生に言った。


「お兄ちゃんを叩くなら、私がやり返す、私はお兄ちゃんを守る為にかいぞうされたロボットなんだから!」

 秋は椅子を持ち上げ窓に向かって投げつけた。

 ガラスが割れ破片が飛び散る。そしてちょうどそこに先生達が。


 僕と秋は揃って怒られた。母さんも呼び出された。


 その時秋は僕の手をずっと握っていた……ブルブルと震える手……僕も秋の手をずっと握り絞めていた。


 母さんから秋の身体について説明があったのか、最終的にはいじめに近い行為があったと言うことでクラス全体の問題になった。


 それが原因で秋も、そして僕も回りから避けられてしまった。


 でも僕達は悪くない、友達なんて要らない……秋さえいればいい。


 それからずっと秋と一緒にいた。学校でも休み時間の度に秋に会った。

 片時も離れる事なくずっとずっと一緒にいた。


 今思うとそれがいけなかったのだろう。秋はすっかり世間知らずになってしまった。

 僕の言う事が全て秋の真実になってしまった。


 そして……そんな僕達を見かねた母が「そんな事じゃお兄ちゃんのお嫁さんになれないわよ」と言った、言ってしまった。


 そしてその時……僕もそれに、その母の言葉に乗っかってしまった。


 僕の言葉は秋の真実だから、だから秋は信じた。そして今でも信じている。


 大人になったら僕と結婚出来るという事を……今でも秋は信じきっている。


 そして僕はそれが言えなかった。秋を失いたく無かったから、秋の信用を失いたく無かったから、そして秋を将来……失いたく無かったから。


 








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