妹との日常
ここまで僕は友達を作りもせずに、ずっと妹の面倒を見ていたと言ったが、それはまったく不幸な話ではない。
妹と二人だけの毎日、そんな生活を僕は全く後悔していない。
なぜならば、妹さえ居れば、僕は友達なんていらない……いや、何もいらないと思っている。
まあ、僕が妹の面倒を見始めた時、妹は赤ん坊同然の状態だった。生まれてから病院での生活ばかり、時には寝たきりの状態だった事もあり完全介護で育ったせいか、着替え、食事、歯磨きに至るまでろくに出来なく全て僕が手助けをしないと何も出来ない状態だった。
当時は僕もまだ子供だった為、妹の面倒を見るのは、はっきり言って大変だった。
まるで赤ん坊の様な妹、何も出来ない妹に僕は辟易した。
しかし、僕と結婚という妹の目標が出来てから、妹は大抵の事は自分でするようになった。
僕にべったりなのは今でも変わらないけど、赤ん坊の世話よりは随分と楽になった。
すると、なつく妹、子猫の様な妹が僕は可愛くて仕方なくなってしまった。
今は妹だけが僕の生き甲斐、一緒にいる事が、毎日が楽しい……妹との生活が……とても楽しかった。
「お兄ちゃん~~抱っこ」
「ハイハイ」
勉強が終わると時々妹は僕にそうせがんで来る。妹の言う抱っこは僕の足の間に座り背中を僕に預ける事である。
昔は胡座を組んだ足の上に座っていたが、いくら小さいとはいえ、もう高校生さすがに座るのは重い。なので今は足の間に座って椅子の背もたれ宜しく僕に背中を預けて座る。
妹の背中の暖かさ、柔らかさ、重さが心地いい。
妹自身からする甘い香り、柑橘系のシャンプーの香り、まるでアロマの様にリラックス出来る。
僕自身も壁に持たれかかり、妹を抱えだらだらとする。
まあ、毎日だらだら座るだけではなく、座りながらゲームをしたり本を読んだりもする。
勉強後にこうやって妹とまったりするのが僕にとっての至福の時間……。
「お兄ひゃん、あーーん」
「あーーーーん」
そう言って妹が僕の口にあめ玉を放り込んだ。今日は特に何もしなくただ座っておやつを食べるだけ。
最近何もしない時間が多くなってきた。本に集中する時間が勿体ない。ゲームをするよりも妹を愛でる方が何倍も楽しい。
おやつを食べながらいつも僕が洗い手入れをしている妹の黒い髪を撫でたり、みつあみにしたりして遊ぶ。手が汚れると髪が汚れるのでおやつは妹に食べさせて貰う。
「おにいひゃん今の何味?」
飴を舐めながら僕にそう聞く妹……舌ったらずな口調がとても可愛い。
「うーーん、桃かな?」
舌の上で飴を転がし味を確かめそう伝えると妹はちょっとびっくりしながら僕の方に振り返る。
「えーーー! それ食べた事ないいい」
「そうなの?」
「うん、いつもオレンジとレモン」
「もう無いの?」
「わかんない」
「色は殆んど一緒だからなあ」
「ちょうだい!」
妹はそういうと口の中に指を入れて自分の舐めている飴を取り出すと僕に向かって下から大きく口を開く。
「あーーーーん」
目をつむりそう言う妹、大きく開いた口からピンクの綺麗な舌と前は僕が毎日磨いていた歯並びの良い綺麗な歯が見える。
「しょうがないなあ」
僕はそう言うと舌で転がしていた飴を一度歯で挟むと……上を向く妹の口の中めがけて飴を落とした。
「はむう……桃美味ひい~~、はいおにいひゃん」
妹はさっき自分の口から取り出した飴を僕の口に放り込むと、飴でベタつく指をピンクの舌で舐め取りながら、リズムを取るかの様にご機嫌に身体を揺らし再び前を向く。
僕はオレンジ味の飴を舌で転がしながら、再び妹の髪で遊ぶ。
妹は気持ち良さそうに再び目を閉じて髪を触られる感触を堪能している。
これが僕達の日常、これが僕の至福の時間。
これ……実際見た時は衝撃的だった……(笑)
ブクマ評価宜しくお願いします。
これは妹とただイチャイチャするだけの物語ですが何か?(笑)