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仮面が取れる時  作者: 胡蝶華*
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出会い

初めましてこんにちは、胡蝶華*です!

二次制作は書いてきましたが、一次制作は初めて書くので少し、結構不安です...←


このお話の原点は自分自身かも知れません...なので私の気持ちが今も今後入ったりします、確実に。でも皆さんも持っている仮面。この仮面の重さは人の過去で環境で違ってきます。軽い人もいればすごく重い人もいます。そんな人達と関わりたいなと思ってしまいました。


私は人が苦手だけれど、だけど、そんな人に知られてほしい、気づいて欲しい、そう良く思います。それはダメかもしれませんが、暖かい目で見守りください。

私は炎天下の中屋上に行き柵を超える。


日菜子

「あー良い気分...」


手を広げて大きく息を吸う。私の長い黒髪が風になびく。そんな風邪が心地いい。


屋上からは皆が授業をしているのが見える。


懸命にノートを取る人もいれば思いっ切り寝てる人もいれば遊んでいる人もいる。教室内にいる人間は様々な個性の強い人達ばかり。そんな教室の空気が堅苦しくて息苦しくて抜け出してきた。


バカやろーとか叫んでみたいけど、私のキャラでそんな事やったらいままで積み重ねたものが一気に無くなる。そんなのはもう懲り懲り。だから人に本心なんて見せれない。


そう私は仮面をかぶって生きている。

友達と喋る時も先生と喋る時も親と喋る時もいつもいつもいつもいつもいつもいつも被って生きている。

被ってない時なんていつの日だろうか...


日菜子

「もう嫌...こんな世界に生きるくらいなら生きていたくない...いっその事死んでしまえたら楽なのに...でも私が望む死に方は簡単じゃないんだよなぁ...」


誰にも聞こえてない空に向かって呟く。


那由多

「なら僕と君が望む死に方で死なない?」


聞こえるはずない答えが帰ってきて思わず後ろを振り向く。そこには可愛い顔立ちをした少年がいた。少年なのか男の子なのか彼なのか、年齢は分からないが背が低く私服を着ている。


日菜子

「...何言ってるんですか、貴方も授業をサボってるんですか」


那由多

「何言ってるのって死にたいって言ったからだよ、あと僕は授業サボってないからね」


日菜子

「聞いてたんですね...でも嘘なのでご心配無く。貴方この学校の人じゃないですよね」


那由多

「嘘ってそっちこそ嘘つきじゃない?でもそうかもね、ただただ死にたいって思ってしまうんだから」


日菜子

「だから...そんな事思ってすらありませんので」


那由多

「ならそこ危ないからこっち戻って来てよ」


日菜子

「...」


私は静かに彼の方へ柵を越えて戻る。


那由多

「少しはあるんでしょ、本当に死んでしまいたいって。でも怖くて出来ないんでしょ?」


日菜子

「怖くなんて...」


那由多

「嘘つき。僕と同じだから分かるよ」


日菜子

「は...?同じって会ったばかりじゃないですか...」


那由多

「僕はずっと前から君を知ってるよ。君の名前も住んでる場所も何もかも」


日菜子

「何もかも...なんにも知らないくせに!!私の何を知ってるって言うの?!名前とか住所とか今の時代調べればすぐ出てくるわ!!何を知ってるのよ!!」


何もかも知っている、そう聞くと怖くなって大声を上げてしまう。身体が震えて止まらなくなって腕を握りしめる。


那由多

「全部、だよ。君が苦しんでいる理由も君の秘密も全部知ってる」


日菜子

「やめて...誰から聞いたか知らないけどその言葉今後一切口に出さないで!!なんでまだ苦しめるのよ!!私が何したっていうの?!何もしてないじゃない!!なのに...なんで私だけ...なんでよ...うわぁぁぁぁぁぁ!」


もう泣きだしたら涙が止まらない。人の前で叫んで泣いて変な人だと思われただろう。普段はこんな事しない、だけど、だけど、涙を止めようとしても一度溢れ出た感情は止まらない。


那由多

「ごめんね...大丈夫、大丈夫だから...」


彼は私を静かに抱き締める。その温もりが私には優しすぎて懐かしくて嬉しくて、余計涙が止まらない。


日菜子

「ぁぁぁぁぁぁぁぁ...ひっく...ひっく...もうやだぁ...」


那由多

「分かるから...分かるから...君の気持ちは誰よりも理解してるから...急にこじ開けすぎたね...大丈夫大丈夫、僕がついてるから。泣いていいよ、今まで泣けなかった分の涙を流してよ」


私はずっとずっと泣いていた。彼はずっとずっと私を抱きしめていてくれた。私を離さないでくれた。


那由多

「少しは落ち着いた?」


日菜子

「ごめんなさい...急にこんな風になって...」


那由多

「ううん、僕が悪かったから謝らないで。

でも、うん、やっぱり僕と同じだ。今の君を見て確信した」


日菜子

「何が同じなの...」


那由多

「君と一緒で仮面を被っていること。その他に...苦しすぎるほどの過去があること」


日菜子

「...貴方もなの...ていうか私がなんで仮面...」


那由多

「ずっと見てきたから。昔からずっと。言い方が悪いかもしれないけど...本当だよ。だから君の過去も知ってるんだよ。人に聞いてなんかない。聞いてもわかんないでしょ」


日菜子

「ずっと...いつからなの...」


那由多

「んー...幼稚園の頃から、かなぁ...」


日菜子

「そんな前からずっと...?」


那由多

「そうだね、幼稚園からずっと君を見てきたんだ」


日菜子

「そう...私は貴方と喋ったことあるの?」


那由多

「ないかも...でも誰よりも知ってるよ。そんな君を救いたいんだ。仮面の下の君を見たいんだ。昔みたいに心から笑う笑顔が見たいんだよ」


日菜子

「...それは少し難しいかもね...今までに色々ありすぎたわ...」


那由多

「そんなの知ってるよ、だからゆっくりと時間をかけてさ仮面を取ってあげる。僕が最初に取って笑わせてあげるから。約束するよ」


日菜子

「約束...それは嘘の約束かしら...」


那由多

「まさか。本当の約束だよ。僕は君の仮面を取って笑わせてあげる。そして君を救う。だからこれからは僕を頼って」


日菜子

「...」


頼ってなんていつぶりだろう...私がいつも言う側だった。頼ってって、助けてあげるって。だから私は...


日菜子

「頼り方が分からないわ...いつも言う側だったから...」


那由多

「普通に言えばいいんだよ、辛いって。愚痴も何もかも全部僕にぶつけていいよ。僕にあたって。そしたらいつでも話聞くし助けてあげる。僕は君を支えてあげられる人になりたいんだ」


日菜子

「本音を言うの...でもそれって仮面取ってるじゃない...」


那由多

「あ、そっか。んーでも言いたいことあったら言ってよ。楽しいことも辛いこともさ。急に本音言えなんて無理に決まってる。だから仮面をかぶったままの君でもいいから言って。ね?」


日菜子

「それなら大丈夫かも...」


那由多

「良かった。一人で溜め込まないでね、僕がいるんだから」


日菜子

「はい...」


こんなに優しい言葉をかけられたのはいつぶりだろう。いつも私は優等生、なんでも出来る子、そればかり言われてきた。いつの間にか人目を気にすることしか出来なくて人目を気にして何事もやってきた。こんなに人目を気にせず言ったり泣いたりしたのは、幼稚園生以来かもしれない...


那由多

「ねぇ、敬語やめて。普通に話して」


日菜子

「え...あ、うん...」


那由多

「うん、やっぱり日菜子は敬語は似合わないよ」


日菜子

「似合わない...?って、本当に名前知ってるのね」


那由多

「うん、似合わない。日菜子には似合わないよ。敬語なんて辞めた方がいいよ」


日菜子

「よく分からないけど...貴方の名前は?」


那由多

「那由多だよ。気軽に那由多って呼んで」


日菜子

「そう...那由多ありがとう」


那由多

「何言ってるの、お礼なんていらないよ。それにここからが本番なんだよ、日菜子を助ける為の、ね」


日菜子

「ふふ...助けるだなんてできるのかしら」


那由多

「やってみないとわかんないでしょ、絶対やってやる。笑わせてやる」


日菜子

「頑張って。もし那由多が出来た時きっと私は...」


私は柵に触れながら空に小さく呟く。


那由多

「ん?なんて言った?」


日菜子

「ふふっ...なんでもないわ」


那由多

「あ!日菜子が笑った!久しぶりだね、その人に見せる笑顔じゃなくて、本心の笑顔」


日菜子

「あ、本当ね!那由多のお陰かもね」


那由多

「そうだったら嬉しいかも!」


日菜子

「かも、って何よ、嘘つきなのかしら」


那由多

「違うって!嘘つきじゃない!!」


日菜子

「ふふ」


那由多

「あー!笑ったな!!」


私は久しぶりに笑顔で笑って追いかけてくる那由多から逃げる。こんなにも楽しいのはいつぶりだろう。


太陽はそんな私達を照らす。

涼しい風が私達の間を上を下を横を通り抜けていく。


私たちの笑い声と授業の終わりを告げるチャイムが校庭に響き渡る。


仮面を持った日菜子と那由多の物語が今始まった。

読んでいただきありがとうございました!!


初めてなのでコメント下さると嬉しいです、よろしくお願いします(*´꒳`*)✨

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