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VIRGINITY

作者: 401

【同級生】

僕はこの春から中学生になる。

小学校では友達と楽しく遊んだり、いっしょにゲームをしたりしていた。

まわりには中学校受験のため塾に通っている友達やサッカー、野球をしている友達もいたが、僕は近所の公立中学校に行くので塾は行っていなかったし、運動も好きではなかったので何もしていない。

静かな街でみんなおとなしかったのでケンカなどはしたこともなく、男子の友達とはふざけ合うぐらいで、ときどき女子をからかったりする、どこにでもいるような小学生で、ふりかえってみても普通の子供だった。


中学校入学式でクラス発表があった日に彼女とはじめてあった。

僕の家は有名私鉄の沿線にある20年前にできたニュータウンにある。

幼稚園から小中学校、高校、市民病院、最寄りの駅には大型ショッピングモールがあり、ほとんどこの街を出なくてもいいぐらい環境は良い。

中学校は一つで小学校は西小学校と東小学校の二つがある。

中学では西小学校と東小学校が一緒になることになる。

僕は東小学校で、彼女は西小学校だった。

入学式ではクラスごとに男女が交互に出席番号順にそれぞれ一列に並ぶ、彼女は僕と同じクラスでちょうど横に並ぶことになった。

入学式は体育館にパイプいすが並べられて、彼女とそろって椅子に座ることになった。

まだ入学式が始まっていないので周りの同じ小学校だった友達が何人かいて同じクラスやや隣のクラスになった男友達とわいわいと話をしていた。

その時隣に座っている彼女から明るい笑顔とともに「よろしく。」と声をかけられた。

その笑顔にドキッとして僕は「うん。」とだけしか答えることが出来なかった。

この時が彼女とはじめて会った。彼女は東小学校ではないので西小学校だと思った。


入学式が終わり教室に入ると出席番号順に席に着くように言われた。

ここでも隣には彼女がいる。

担任の先生から話があり、順番に自己紹介することになった。

みんな名前と出身小学校、得意なスポーツや趣味を話していた。

僕は「日野浩二。東小出身。よろしくお願いします。」とだけ言った。

そして彼女順番が来た。

「本間希美子。長野県の小学校出身です。父の都合でこの春引っ越してきました。よろしくお願いします。」

西小学校出身かと思ったが違った。彼女が席につくと僕から話をした。

「知らない顔だったので西小学校出身かと思ってた。よろしく!」

「うん。この街は初めてなの。こちらこそよろしく。」

やっぱり笑顔が良く似合う、かわいい子だ。


【部活】

中学生になったからと言って何か変わるわけではない。と思っていたのは最初だけだった。

小学校に行くことも好きだったが、中学校に行くことも楽しい。

どうしてだか、わからないのだが、小学校と違って中学校はワクワクする。

つい、彼女のこと。本間さんのことを考えてしまう。

学校に行って席に向かうと、すでに本間さんが登校してきていて朝の挨拶をした。

「おはよう。」

「おはよう。」

ただ。これだけの会話だけどもドキドキする。

席を離れて小学校からの友達のところへ行く。休み時間に友達と話をするのは小学校のときと変わらない。

でも、ひとつ違うことがある。本間さんが気になる。

チャイムが鳴ってみんなが席に着く。

入学して二日目、まだ、学校の説明、注意事項や本格的に時業が始まるまでのスケジュールなどの話がある。スケジュールの中に部活の説明があるとのこと、小学校ではなかったが、中学校では運動部はいろいろな大会に出たり、文化部はコンクールや地域の発表会に参加したりしているそうだ。

部活は自主参加で、帰宅部というのでも良いとのことだった。

一年生全体に各部活の部長が紹介をし、詳しいことは放課後に先輩たちが行っている部活を見学することもできるそうだ。


放課後に友達に誘われてサッカー部の見学に行った。

友達は少年サッカーをしていたので中学校ではサッカー部に入るとのことだ。

僕も誘われたが興味がなかったので、友達に付き合って来ているだけだ。

グランドでは野球部も人が集まっている。

男子バスケット部や女子バレー部も外のコートで練習している。

体育館のコートでは女子バスケット部と男子バレー部が練習していて、一週間ごとに練習場所をかわるそうだ。

テニスコートでは男女のテニス部が練習している。

端では陸上部が練習を始めようとしている。

運動場を見渡していると、校舎の影に本間さんを見つけた。

ひとりで運動場を見渡している。

サッカー部に興味が無いので先輩にお礼を言って、友達にも一声かけて見学を終わる。

そして僕は本間さんのところに行った。

「本間さん。どうしたの?」

「えっ?日野君。どこかクラブに入ろうと思っているんだけど・・・」

「入りたいところあるの?」

「うぅ~ん。決めてるわけではないんだけど。なにかスポーツしようと思ってるの。」

「ふぅ~ん。好きなスポーツはないの?」

「うぅ~ん?」

僕たちの前を男女の陸上部がランニングをして通り過ぎた。

「陸上部はどう?」

「うぅ~ん。」

「走るだけだし。簡単にはじめられると思うよ。いっしょに見に行こうか?」

「うん。」

ランニングが終わった陸上部のところに二人で行った。

近くの部員の人に声をかけると主将のところに案内された。

男子の主将と女子の主将が何か話をしていたが、僕たちが行くと話をやめて、部活の詳細を話してくれる。

陸上部は個人種目なのでそれぞれ種目に分かれて練習するとのこと。

最初のストレッチとランニングは男女ともに一緒にするが、リレーのような団体種目以外は種目ごとに分かれてする。

種目ごととでも一人で練習する人もあれば、数人で好きな時間だけ練習して、解散も自由とのこと、最初の準備運動も集まれば全員でするが、個人の自由にすれば良いとのことだった。

一通りの説明を聞いて、あとは本間さんといろいろな種目を見て回った。

「ほかのクラブも見る?」

「うぅ~ん?」

「まあ、正式入部は今週末だから、また、明日でも見ればいいよんんねぇ。」

「うん。今日は帰るわ。」

「じゃあ。僕も帰るよ。本間さんはどこに住んでるの?」

「東三丁目。」

「僕。二丁目。」

「途中まで一緒だね。一緒に帰る?」

「うん。」

僕たちはいっしょに帰ることになった。

これと言って話すことはなかったが、見学に行った陸上部のことを話ながら帰った。

通学路途中の中央公園を過ぎたところで本間さんと別れた。

本間さんは道をまっすぐ。僕は左に曲がる。

僕はひとりになって考える。「楽しかったな!本間さんどこのクラブ入るのだろう。陸上部に入ろうかな?」


翌日、学校に行くと、昨日と同じで本間さんはすでに登校していた。

席に鞄を置いて、本間さんに話をする。

「部活考えた?」

「うぅ~ん」

「陸上部にいっしょに入らない?」

本間さんはちょっと考えてからうなずいた。

僕と本間さんは陸上部に入ることになった。


【買い物】

陸上部に入って一週間が経った最初の週末に、陸上部新入部員男子三名、女子三名で買い物にショッピングモールに来ている。その中には本間さんも含まれている。

目的は陸上部で使うトレーニングウェアを購入するためだ。

男女陸上部で背中に同じロゴと学校名を入れたおそろいのジャージとユニフォームを着ている。

普通の練習は体操着やトレーニングウェアなど服装は自由だけど、大会や遠征に行くときにはおそろいのジャージを着て、試合にはユニフォームを着るので、指定のスポーツ店にサイズ合わせをして注文するためだ。


ジャージやユニフォームはサイズだけの問題なのですぐに決まる。

そのほかに必須はシューズである。シューズは各人が気に入ったものを好きに決める。

シューズは種目ごとに細かく分かれているが、僕はまだ種目を決めていないので兼用トラックシューズを見ていると本間さんもシューズを探しているようだ。

なかなか気に入るものが見つからなく、本間さんに声をかける。

「いいのが見つからないんだけど!」

「そうね。いいのがないね。さっき、短距離用スパイクならいいのがあったんだけど」

「どんなやつ?」

「えーと?」

本間さんと短距離用スパイクのコーナーに行く。

「あっ!」

と僕が声を出す。

ブルーにイエローのライン、ラインはシルバーが縁どるようにあしらってある、靴ひももインナーもソールもイエローになっており目を引くもので一目で気に入った。

「うん。それ!私もいいと思ったの。」

「短距離用か?どうしようかな?」

「私もそこが気になるの。」

「じゃあ、種目用と二足にすればいいかな?」

「100mはやるんでしょ?」

「うん。100mはやる。」

「私も100mはやるし、ほかに種目が決まれば二足にすればいいね!」

僕と本間さんは同じものが気に入ったので、二人で一緒の短距離用シューズにした。


ほかのメンバーもトレーニングシューズやウエアなどいろいろ見ている。

僕はなんとなく本間さんとTシャツを見ている。

僕が良さそうなのを5枚並べてみていると、本間さんが来て、

「どうしたの?」

「どれにしようか迷っているんだ。」

「そうね。ユニフォームの色と合わせるんだったらこれだけど。日野君にはこれとこれが合ってると思うよ。」

「そう。ユニフォームにはこれだと思うんだけど、ちょっと趣味が合わないというか、しっくりこなかったんだ。うん。これにするよ。」

本間さんにTシャツを選んでもらった。


いろいろ買い物をしている間にユニフォームとジャージのプリントもできたので、買い物を終わってみんなでファストフードを食べてから帰った。


【種目】

今朝は登校途中で日野君に会った。

日野君と会うと緊張するけど、いつものように笑顔で挨拶する。

向かう先も同じなのでいっしょに歩いている。

私から話しかける。

「種目決めた?」

「えっ。まだ。」

「何か候補はあるの?」

「なにも。」

「そうね。とりあえず100mだけかな。」

「うん。」

短い返事が返ってくるだけで話が続かない。勇気を出して話しかけたのに盛り上がらない。

「じゃあ。今日の放課後、いっしょに種目見ない?」

「うん。」

やっぱり話が続かない。


放課後に準備体操とランニングを終えた後に、先輩たちが各種目の練習を始めたところで日野君といっしょに見て回る。

まずは、中長距離の種目に行く。日野君と一緒に最後尾を少しついて走る。

「無いわ。しんどい。」

「そうね。これは私に向いていないような気がする。」

次は砲丸投げ。

「これも無いわ。力ないもん。」

「そうね。これも私に向いていないような気がするわ。」

幅跳、高跳と順に見る。棒高跳びは男子しかないけど、いっしょに見学する。

「どう?」

「幅跳がいいかな。」

私も幅跳か高跳がいいかと思っている。じつは日野君と同じ種目にしようと思っている。

「そうね。どうする?」

「本間さんはどれがいいと思った?」

どちらにするか迷ったけど、幅跳にしてみる。

「私も幅跳がいいかと思った。」

「じゃあ。幅跳びにする?」

「うん。幅跳にしよう!」

「そうね。」


翌日から幅跳の練習に参加することになった。

女子は三年生と二年生がそれぞれ一人、男子は三年生が一人だけ、私と日野君を合わせて五人だけの種目。

跳躍系の種目は日本人向きではないそうで、他の種目に比べて人数が少ないとのこと。

日本人は長距離が得意で、中距離から始めた人も長距離に移って行くらしい。

中長距離は放課後の間、ずっと走っている。

幅跳は体力作りと何本か練習で跳んで、各人が調整して帰る。

私と日野君は先輩たちの練習を手伝ったり、私たちも基礎トレーニングをして先輩に跳躍のフォームを教えてもらって、短時間の練習で帰る。

結果、終わる時間が同じになるし、帰る方向が同じなので、ほぼ毎日、私と日野君はいっしょに帰っている。


五月には中間考査があり、明日からはテスト前一週間で部活禁止になる。

明日からはいっしょに帰ることはないのかと考えながら、日野君にテスト勉強はどうするのか聞いてみる。

「再来週からテストが始まるけど、テスト勉強はどうするの?」

「まぁ。適当にする。」

「大丈夫なの?」

「まぁ。初めてのテストで良くわからないけど、なんとかなるでしょう。」

「じゃあ。いっしょに勉強しない?」

「えっ。」

「えっ?放課後。いっしょにどう?」

「うん。いいよ。」

なぜこんなことになったのかよくわからないまま、思わずいっしょに勉強することになった。明日からもいっしょに帰れるかな?


【テスト勉強】

僕はこんなに勉強熱心だっただろうか?

小学校のときは、苦手な科目もあったが、良くもなく、悪くもなく、中の上ぐらいだったと思う。

家で宿題はしたが、それ以外には勉強はしていない。

それがなぜか放課後に、しかも女の子と二人で試験勉強をしている。

いっしょにといっても特別なことはなく、それぞれが教科書とノートを見ているだけだ。

こんなことをすでに三日も続けている。

ただ、数学を始めた時に本間さんの表情から笑顔が消えた。

「うーん。わからない。」

「どうしたの?」

「この因数分解がわからないの?時業でもわからなかったし、宿題も間違いばかりだったの。」

「そんなに難しいかな?」

「私、算数、いえ中学からは数学になるのね。苦手なの。」

「女の子は理数系が苦手とかいうのんね。」

「そうなの。特に数学が苦手なの」

「僕は数学は得意だよ。どこがわからないの?」

四日目にして初めて勉強を教えることになった。

ここからは二人で話をしながら、それぞれのノートを見せ合ったり、先生がテストに出るといったことの情報交換をしながら順調に進んだ。

そうしている間に一週間が過ぎた。


勉強を終えて本間さんと帰宅している時に、週末はどうするのかという話になった。

まあ、テストに向けての勉強を少しするぐらいだということを伝えると、

「じゃあ。もう少し一緒に勉強しない?」

「えっ?どこで?」

「日野君の家とかでどう?」

「僕んち?」

「ええ。ダメ?」

「いいけど。」

「じゃあ、明日の2時に公園のところの交差点で待ち合わせでいいよね?」

「うん」

本間さんが僕の家に来ることになった。

小学校の時に友達が来ることがあったけど、本間さんが来るとなったら緊張してきた。

明日の昼までに掃除と片づけをしておかないといけない。


翌日は朝から準備して、待ち合わせ場所に迎えに行った。

本間さんはかわいい白のワンピースと着ていた。

家で作ったらしいクッキーをお土産でもらった。

僕の部屋でいっしょに勉強したが、緊張でなにを勉強したのか覚えていない。

こんなことで明日からのテストは大丈夫かなと思いながらも日曜が終わり、

週明けからテストが始まり、2日で無事テストも終わり、また、通常の生活に戻った。

テスト前の一週間はいろいろあったなぁと思う。


【新人戦】

6月になると地区でいろいろな競技の新人戦がはじまる。

一年生が出場する初めての公式戦で、僕たち陸上部も一年生は全員出場する。

僕と本間さんは100mと幅跳び、それに公式競技にはないのだけれど、新人戦のお祭り気分で男女混合100m×4リレーに出場することになった。

第三走者が本間さんでアンカーが僕だ。

いつもの練習にリレーのバトンパスも追加で練習している。


幅跳は先輩にも見てもらい、一年生同士ということで本間さんと僕とでそれぞれのフォームを確認している。

いっしょに練習しているせいか本間さん僕のフォームは似ているらしく、フォームに関して二人で本間さんとよく話をする。

その時にシューズの話になった。

「短距離用はかったけど、跳躍用はどうする?」

「そうね?買いに行く?今度の週末はどう?」

「うん。一緒に買いに行こう。」

前のスポーツショップにシューズを買いに行くことになった。

日曜日に前の勉強会で待ち合わせしたところで会って、電車に乗って市内のモールに出かける。

本間さんも僕も短距離用と同じ色使いの同じシリーズの跳躍用シューズを買った。


大会当日は6月の梅雨の晴れ間で晴天になった。

午前中に一番に幅跳、午後に100m、そして最後にお祭りの男女混合リレーになっている。

各種目、女子が先で男子が後になる。

陸上は個人競技だけど同じ学校でそれぞれ応援をする。

最初の競技の8番目で本間さんの順番が来た。緊張している様だ。

スタンドからみんな声をかける「本間、リラックス!」ぼくも声をかける。

「本間さん。がんばれ!」

本間さんがこちらにニコッと笑顔をむける。

助走をはじめて、ジャンプ。

その時、跳んでいる本間さんをみて「きれいだ。」と本当に空を飛んでいるように感じた。

記録は本間さんの自己ベストで喜んでいた。

次に僕の番がきた。本間さんを含めて学校のみんなが応援してくれる。

僕も自己ベストを出した。


100mは本間さんも僕も平凡な記録だった。


最後の男女混合リレーだ。選手控えに本間さんといっしょにいる。

「がんばろうね。」

「ああ。がんばろう。」

リレーが始まった。

僕の学校は第一走者、第二走者が3位で本間さんがバトンを受け取った。

バトンパスのタイミングで本間さんが2位に近づく、もう少しで抜ける。

「がんばれ!」「行け!」みんなの応援といっしょに僕も声を張り上げる。

本間さんが一人抜いて、さらに1位の走者に近づく。もう少し。

本間さんは2位のまま僕にバトンをパスする。

練習でも本間さんと僕のバトンパスはうまいと言われていた。

バトンパスのタイミングで1位になった。

このまま僕が逃げ切れば1位だ。

「がんばって!」本間さんの声が聞こえる。

僕は1位のままゴールした。

リレーのメンバーが駆け寄ってくる。「やった」「すげー」とみんな喜んでいる。

本間さんも女の子と抱き合って喜んでいる。

公式記録にはならないが、初めて表彰状をもらった。1位で本間さんと同じものだ。



【初恋】

私たちは新人戦を終えて、みんなで帰っている。

最寄りの駅からはそれぞれ方向が違うのでみんなと別れて日野君と二人で家に向かっている。

今日は日野君も私も幅跳で自己ベストを出して、混合リレーでは1位になった。

「今日はよかったね。自己ベストも出たし、1位にもなったし。」

「うん。もっとがんばろうね。」

「ええ。100mも記録をだしたいね。」

「うん」

「今日のジャンプで思ったんだけど、日野君のジャンプってフォームがいいよね!私はどうかな?」

「綺麗だよ。」

「ありがとう。良かった。」

日野君が少しの間、だまってから話したことにビックリした。

「本間さん。綺麗だよ。好きです。付き合ってください。」

わたしは突然で驚いたが気持ちは決まっていた。

「はい。よろしくお願いします。」

「やった。ありがとう。」

こうして私たちは付き合うことになった。

私の初恋がここから始まる。


僕は新人戦を終えて本間さんといっしょに帰っている。

今日はリレーで1位になってすこし興奮しているのか、いつもよりドキドキしている。

本間さんと何気ない会話をしながら帰っている時に、「私はどうかな?」と聞かれた。

思わず「綺麗だよ。」と答えてしまった。

そう。思わず答えてしまった。でも、今だと思ったらそのまま気持ちが声に出ていた。

「本間さん。綺麗だよ。好きです。付き合ってください。」

本間さんは驚いたようだったが、すぐに返事が来た

「はい。よろしくお願いします。」

その返事を聞いた途端に叫んでいた。

「やった。ありがとう。」

僕の初恋がここから始まる。


おわり


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